【私の彼が姉の夫になった理由】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 紗栄の回想で、彼女が昔から「欲しい」と素直に言えない性格だったことが描かれました。
  • 17歳の時、優馬の優しさに触れ、彼に特別な感情を抱き始めますが、愛子と優馬が付き合い始めたことで嫉妬が芽生えます。
  • 25歳になった紗栄は、心の虚しさを埋められず、本当に奪いたいものは愛子のすべて、特に優馬であったことを再認識するのでした。

【私の彼が姉の夫になった理由】第17話をネタバレありでわかりやすく解説する

姉・紗栄の歪んだ愛情の根源が描かれた第16話。続く第17話では、物語の視点が再び過去に戻り、彼女がいかにして元店長を操り、愛子襲撃計画を実行させたのか、その驚くべき手口の全貌が明らかになります。

嫉妬の共鳴と、悪魔の囁き

物語は、紗栄が愛子の元上司である店長の元を訪れたシーンに遡ります。そこで紗栄は、悪魔のような囁きで店長の心を巧みに操っていきました。

「愛子のこと、居なくなればいいのにって思ってますよね」

紗栄は、店長に会うなり「愛子のこと居なくなればいいのにって思ってますよね」と、彼女の心の奥底にある本音を突きます。動揺する店長に、紗栄は自身の経験談を語り始めました。それは、紗栄が新人の頃、仕事はできないが愛嬌だけでチャンスを掴んだ同僚に、自分がなるはずだったプロジェクトメンバーの座を奪われたという話です。「欲しいものを欲しいって可愛く言えたもの勝ちなんだ」「影の努力とか働きなんか役に立たない」。この言葉は、店長の心を強く揺さぶりました。

偽りの情報と、憎悪の増幅

さらに紗栄は、「店長さんは知識も経験も豊富ですごい人だって愛子から聞いてましたから」と店長を持ち上げます。そして、「片や愛子は姉の私も呆れる位の男たらしのビッチで」「新店舗の店長の話も上層部の人と関係を持っていただいたみたいで」と、真っ赤な嘘を吹き込みました。この悪魔の囁きによって、店長の愛子に対する嫉妬と憎悪は、決定的なものへと増幅されていったのです。

実行犯へと仕立て上げる巧妙な罠

店長の心を完全に掌握した紗栄は、計画の最終段階へと進みます。

「愛子が店に立てない状態になれば…」

「今更私にどうしろって言うんですか?」と嘆く店長に、紗栄は「そうとも限りませんよ」「新店舗開店前に愛子がお店に立てない状態になれば店長には別の人が就任するしかなくなるんじゃないですか?」と唆します。「例えばですけど…大怪我をして入院するとか…」。その言葉に、店長は「アナタほんとに姉なんですか?」と戦慄しました。

神様に委ねられた運命

紗栄は「もし実行に移すなら来週の土曜日 特に18時前ならうちに1人でいますよ」と、具体的な犯行日時と場所を教えます。彼女は、幼い頃に愛子とアイスクリームの味を「天の神様の言うとおり」で決めた思い出をなぞらえ、「もし店長が愛子に何か仕掛けたら神様は私に味方したということ」と、自らの罪を「神の導き」にすり替えようとしていたのです。

そして、計画は実行された

そして運命の日、優馬から「愛子が強盗に刺されて今救急搬- 搬送中なんだ」という電話がかかってきます。紗栄は、自分の計画が成功したことを確信しました。「天の神様の導きに従ってアンタからすべてを奪ってあげる」。彼女にとって、愛する優馬が自分のものになるのであれば、彼から愛されなくても構わなかったのです。

現在、紗栄の家での直接対決

場面は現在に戻ります。愛子は、優馬の母から得た情報を手に、紗栄の家を訪れていました。インターホンを鳴らし続ける愛子に、紗栄は「天ぷら揚げててすぐに出られなくて」と、しらを切ってドアを開けます。愛子はそんな姉の演技を遮り、「そういうのもういいから」「優馬はどこ?」と、単刀直入に問い詰めました。ついに、姉妹の最後の戦いの火蓋が切って落とされたのです。

【私の彼が姉の夫になった理由】17話を読んだ感想(ネタバレあり)

第17話は、紗栄がいかにして店長を操り、愛子襲撃という計画を完遂させたか、その驚くべき手口の全貌が明かされる回でした。紗栄の言葉巧みな人心掌握術には、もはや芸術的な恐ろしささえ感じます。自身の経験談で相手の共感を誘い、そこに嘘の情報を混ぜ込んで憎悪を増幅させる。この手口は、まさに悪魔の囁きそのものです。

特に印象的だったのは、「神様」という言葉の使い方です。彼女は自分の悪意に満ちた計画を、「神様の導き」という、自分に都合のいい解釈にすり替えています。罪の意識から逃れ、自分の行動を正当化するその姿は、彼女の精神が完全に取り返しのつかない領域にあることを示していました。 そして、ついに始まった愛子と紗栄の直接対決。全ての真実を知り、かつての弱さを捨てた愛子が、狂気の姉にどう立ち向かうのか。優馬を救い出し、この長い悪夢に終止符を打つことができるのか。最終決戦の始まりを告げる、非常に緊張感のあるラストシーンでした。

【私の彼が姉の夫になった理由】17話のネタバレまとめ

  • 紗栄の回想で、彼女が自身の過去の経験談を利用して店長に近づき、共感させたことが明かされます。
  • 紗栄は、愛子が「上司と関係を持って店長の座を得た」という嘘を吹き込み、店長の嫉妬と憎悪を煽りました。
  • 紗栄は「愛子が入院すれば店長の座が奪える」と唆し、犯行の日時や場所を具体的に教え、店長に愛子を襲わせたのです。
  • 紗栄は、この計画の成功を「神様が自分に味方した」と歪んだ形で解釈していました。
  • 現在のシーンに戻り、愛子は紗栄の家に乗り込み、「優馬はどこ?」と問い詰め、ついに姉妹の直接対決が始まります。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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