【ジュリエットが消えた夜】1話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【ジュリエットが消えた夜】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する
物語は、重厚な雰囲気の中から始まります 。交差する二振りの剣が、これから始まる物語の激しさを予感させます。
若き支配者レノックス公爵と、その恋人ジュリエット
「若くして」「帝国北部の」「支配者となった」男 。
その男の名は、レノックス・カーライル公爵 。
そして、この物語の語り手である「私」は、ジュリエット・モナード 。
彼女は静かに、そしてどこか寂しげに、自らの立場をこう語ります。
「ジュリエット・モナードは 彼の恋人」
美しい青いドレスをまとったジュリエットの横顔からは、ただの恋人という言葉だけでは表せない、複雑な感情が読み取れます。
「結婚を除いてだ」―7年前に交わされた残酷な約束
ジュリエットの脳裏に浮かぶのは、レノックスと初めて出会った
7年前の記憶 。彼はその時、彼女にこう言いました。
「お前の欲しい物は なんでも与えてやる」
まるで世界の全てを手に入れたかのような、絶対的な自信に満ちた言葉。しかし、その甘い言葉には、あまりにも残酷な続きがありました。
「ただし 結婚を除いてだ」
この一言が、二人の7年間の関係性を決定づけていたのです。結婚という選択肢を初めから奪われたジュリエットの恋は、一体どのようなものだったのでしょうか。
公爵が寝室に招く「2種類の女」
レノックスは、彼が望めば手に入らないものはないほどの絶対的な権力者 。ジュリエットがどんなものを欲しがっても、彼がうろたえることは一度もありませんでした 。
そんなレノックスが自らの寝室に連れ込む女性は、たったの2種類しかいないと噂されています 。
それは、「一晩限りの女」と「利用価値のある女」 。
そしてジュリエットは、自らを後者――「利用価値のある女」だと静かに認識しているのでした 。彼女が彼に与えている「利用価値」とは一体何なのか、謎が深まります。
誕生日プレゼントという名の「お願い」
ある夜、ベッドで眠りについていたジュリエットは、服を着て部屋を出ていこうとするレノックスに「お話ししたいことがあります」と声をかけます 。しかし、彼の返事は「今度にしろ」と、あまりにも冷たいものでした 。
ジュリエットは必死に食い下がります。「お待ちください」「ほんの少しだけ…」 。その切羽詰まった様子に、レノックスは面倒くさそうに振り返り、タバコに火をつけながらこう言い放ちます。
「どうせ 誕生日プレゼントの 話だろ?」
皮肉なことに、レノックスが唯一覚えている記念日、それがジュリエットの誕生日でした 。彼女にとって、この日こそが、彼に何かを伝えられる唯一のチャンスだったのです。
ジュリエットは彼の言葉を認め、こう続けます。
「今年はプレゼントじゃなく私のお願いを 1つだけ聞いて 下さいませんか」
「私と別れてください」―7年越しの恋の終焉
ジュリエットは、ただのお願いでは終わらせません。彼女はレノックスの目をまっすぐに見つめ、念を押します。
「……必ず 聞いてくれると先に約束して くれますか?」
皇帝すら恐れる北方の公爵であるレノックスは、恋人のささやかな願いを疑うことすらしません 。彼は余裕の笑みを浮かべ、こう断言します。
「もちろんだ 誓ってやろう」
彼にとって、恋人の願い事など、たやすいことだったのでしょう 。その絶対的な約束を取り付けたジュリエットは、にっこりと花が咲くように微笑み、感謝の言葉を述べます 。
そして、次の瞬間。 彼女の口から紡がれたのは、レノックスが、そしておそらく読者の誰もが予想していなかったであろう、衝撃的な一言でした。
「それでは……私と 別れてください」
「……何だと?」
全てを支配してきた男の顔から、初めて余裕が消え失せます。7年間、彼のそばにいたジュリエットが、たった一つの「お願い」として選んだ、あまりにも切ない願い。物語は、レノックスの凍りついた表情を最後に、大きな謎を残して幕を閉じるのでした。
【ジュリエットが消えた夜】1話を読んだ感想(ネタバレあり)
いや、これは衝撃の第1話でした!タイトルが「ジュリエットが消えた夜」なので、何かミステリアスな展開があるとは思っていましたが、まさかヒロイン自身が「別れ」を切り出すとは…。
特に印象的だったのは、ジュリエットの覚悟を決めた表情です。7年間、「結婚」という未来がない関係に身を置いてきた彼女の胸の内は、一体どれほどのものだったのでしょうか。レノックスが唯一覚えている「誕生日」を切り札に、たった一つの願いとして「別れ」を告げるシーンは、彼女の悲痛な決意が伝わってきて胸が締め付けられました。
一方のレノックス公爵。絶対的な権力者で、自信家で、少し傲慢な彼が、最後のページで見せた「何だと?」という表情 。彼の計算の中に、ジュリエットからの別れ話は微塵も存在しなかったのでしょう。全てをコントロールできると思っていた男が、初めてコントロールできない事態に直面した瞬間、ゾクゾクしましたね。
なぜジュリエットは別れを選んだのか? 彼女の言う「利用価値」とは? そして、「別れてください」という願いを「誓って」しまったレノックスは、この約束をどうするのか? 気になる謎だらけで、次回の展開が待ちきれません!
【ジュリエットが消えた夜】1話のネタバレまとめ
- 若くして帝国北部を支配するレノックス公爵と、彼の恋人ジュリエットの関係が描かれる 。
- 7年前、レノックスはジュリエットに「結婚以外は何でも与える」という条件付きの約束をしていた 。
- ジュリエットは、レノックスが唯一覚えている記念日である自分の誕生日に、プレゼントの代わりに「一つだけお願いを聞いてほしい」と頼む 。
- 願いを聞くと誓ったレノックスに対し、ジュリエットは「私と別れてください」と告げ、物語は幕を閉じる 。
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