【ジュリエットが消えた夜】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 帝国北部を支配するレノックス公爵の恋人ジュリエットは、7年間「結婚」を約束されない関係を続けてきた 。
- 自身の誕生日に、ジュリエットはレノックスに「一つだけお願いを聞いてほしい」と頼み、必ず聞くという約束を取り付ける 。
- ジュリエットが伝えたその願いとは、衝撃的な「私と別れてください」という一言だった 。
【ジュリエットが消えた夜】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する
衝撃のラストで幕を閉じた第1話。ジュリエットから突きつけられた突然の別れ話に、絶対的支配者であるレノックス公爵はどう応えるのでしょうか。物語は緊迫した空気の中から再び動き始めます。
「ふざけているのか?」―信じられない公爵と揺るがないジュリエット
「今なんと言った?」
レノックスは、まるで信じられない言葉を聞いたかのように、ジュリエットに問い返します。しかし、彼の目の前に立つジュリエットの瞳に揺らぎはありません。
「別れてくださいと 言いました」
静かに、しかしはっきりと繰り返された言葉に、レノックスは手にしていたタバコを灰皿に強く押し付けます 。彼の内なる怒りが、音を立てて爆ぜた瞬間でした。
「ジュリエット・モナード」とフルネームで呼びかけ、低い声で問いただします 。
「ふざけているのか?」
しかし、ジュリエットは怯むことなく、むしろ少し驚いたかのように「とんでもございません 公爵様」と首を振ります 。そして、彼の目をまっすぐに見つめ、宣言するのでした。
「いたって真面目な お願いです」
約束と激情、すれ違う二人
レノックスは感情を抑え、「理由は?」と問い詰めます 。しかし、ジュリエットは「お話ししなければなりませんか?」と、理由を語ることすらためらうような素振りを見せます 。彼女はただ、彼が交わした約束を頼りにしているのです。
「なんでも 聞き入れて くださると 約束して くださったでは ありませんか」
その言葉が引き金となり、ついにレノックスの冷静さは限界に達します。彼はジュリエットの肩を強く掴み、怒りを爆発させました 。その瞳は赤く燃え上がり、まるで獲物を追い詰める獣のようです。
「冗談を言っている 場合ではないぞ」
しかし、激昂するレノックスを前にしても、ジュリエットは冷静でした。彼女はただ静かに、その激情を受け止めるのでした。
扉の向こうの来客と、彼女の微笑みの裏側
二人の間に火花が散るその時、扉の外から声がかかります。秘書の
エリオットが、下のフロアで来客が待っていることを告げに来たのです 。
この予期せぬ中断を、ジュリエットは見逃しませんでした。彼女はレノックスの手をそっと振りほどくと、先ほどまでの緊張感が嘘のような穏やかな笑顔で言います 。
「早く行かないと お客様が お待ちですよ?」
その完璧な微笑みの前に、レノックスは怒りを飲み込むしかありません。彼は忌々しげに上着を羽織ると、「……午後に また話そう」と言い残し、部屋を後にします 。
しかし、レノックスの姿が見えなくなった途端、ジュリエットはその場に崩れ落ちます。彼女の脳裏に、血しぶきが舞う凄惨な幻覚がよぎります 。震える手で自らを抱きしめ、必死に自分に言い聞かせるのでした。
「……大丈夫 大丈夫よ」
「よくやったわ」
彼女の決意が、どれほどの恐怖と覚悟の上に成り立っているのかが垣間見える、痛々しいシーンです。
紫のダリアが示す不穏な影
気丈にも立ち上がったジュリエットは、外出の準備を始めます。行き先は「神殿」 。エリオットに「新年の幸運を お祈りしてきますね」と告げ、馬車へと向かいます 。
その時、ジュリエットはエリオットが手にしている紫のダリアの鉢植えに目を留めます 。彼が「先ほど来られたお客様から頂戴して……」と説明した瞬間、エリオットはハッと息をのみます 。
「この花は お嬢様が 嫌いな花だ……」
慌てて片付けようとするエリオットに対し、ジュリエットは予想外の言葉を口にします。 「いいえ そのままで 大丈夫です」
「公爵様の 執務室に ぴったりだと 思います」
彼女の嫌いな花を、あえて恋人の執務室に飾るように言うジュリエット。その微笑みの裏に隠された真意とは一体何なのでしょうか。
「全てだ」―ジュリエットに向けられた公爵の監視
一方、執務室に戻ったレノックスの怒りは収まっていませんでした。彼はエリオットを呼びつけると、まずジュリエットの現在の護衛が誰かを確認します 。そして、冷徹な声で秘書に密命を下すのです。
「ジュリエットの ここ3か月の 行動をまとめて 正午までに 報告しろ」
突然の命令にエリオットが絶句していると、レノックスはさらに続けます。
「どこへ行き 誰と会ったのか 交わした便りも 全てだ」
「なぜ直接お聞きにならずに?」というエリオットのもっともな疑問を、「理由を聞いてどうする?」と一言で切り捨てます 。
「あと3時間 しかないからな」
ジュリエットの突然の心変わりを、彼は決して許すつもりはないようです。彼女の「お願い」を受け入れるのではなく、その裏にある理由を力ずくで暴き出そうとするレノックス。彼の疑念は、ジュリエットを監視するという、最も支配的な形で動き始めたのでした。
【ジュリエットが消えた夜】2話を読んだ感想(ネタバレあり)
第2話、息つく暇もないほどの緊迫感でした!レノックスの激情と、それに冷静に対応するジュリエットの対比が鮮やかで、二人の間の深い溝を感じさせますね。
特に心に残ったのは、レノックスが出ていった後にジュリエットが崩れ落ちるシーン。彼女がただ強い女性なのではなく、計り知れない恐怖と戦いながら、命がけでこの「別れ」を計画していることが伝わってきて、胸が苦しくなりました。彼女をそこまで追い詰めたものは何なのか、7年間の関係の中で何があったのか、ますます知りたくなります。
そして、レノックスの行動!恋人の心変わりに対して、話し合おうとするのではなく、過去の行動を洗いざらい調査させるとは…!彼の愛情表現が、いかに「支配」と結びついているのかがよく分かります。これはもう、ただの痴話喧嘩では終わりそうにありません。彼の監視の目が、ジュリエットの計画にどう影響していくのか、ハラハラします。
謎の「紫のダリア」も不気味な存在感を放っていましたね。ジュリエットが嫌いな花を持ってきた来客は誰なのか?そして、それをあえて公爵の執務室に飾るように言ったジュリエットの意図は?この花が、今後の二人の関係を掻き乱すキーアイテムになることは間違いないでしょう。物語のサスペンス要素が一気に加速した第2話でした!
【ジュリエットが消えた夜】2話のネタバレまとめ
- ジュリエットの別れの言葉に、レノックスは「ふざけているのか」と激しく動揺し、怒りを露わにするが、ジュリエットの決意は固い 。
- 来客によって話は中断。一人になったジュリエットは、凄惨な幻覚に苦しみながらも、自らの行動を「よくやったわ」と奮い立たせる 。
- ジュリエットは外出する際、自分が嫌いなはずの「紫のダリア」を、あえて「公爵様の執務室にぴったりだ」と言い残す 。
- ジュリエットの不可解な行動に強い疑念を抱いたレノックスは、秘書のエリオットに対し、彼女の過去3ヶ月の行動、交友関係、手紙のやり取りの全てを、3時間以内に報告するよう厳命する 。
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