復讐モノ

【愛にはどうぞ花を添えて】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫・弘から屈辱的な行為を強いられ、つぼみは精神的に追い詰められる。
  • 仕事からの帰り道、偶然いつもと違う道を通ったことで、一軒の花屋を見つける。
  • 店先にあったガーベラの花がきっかけで、中学時代の園芸部の恩師・皆野先生との温かい思い出が蘇る。
  • 花屋から出てきた店員は、なんと成長した皆野先生その人だった。

【愛にはどうぞ花を添えて】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

中学時代の恩師との衝撃的な再会を果たしたつぼみ。しかし、第3話では、その出会いがもたらすさらなる驚きと、彼女の心に深く刻まれた過去の傷が明らかになります。

恩師との再会…ではなく、その息子との出会い

目の前に立つ青年が皆野先生であると確信したつぼみでしたが、彼は穏やかにこう尋ねます。 「どうして僕の苗字を知っているんですか?

彼の言葉に、つぼみは自分の勘違いに気づき、慌てて「昔中学でお世話になった先生に似ていて…」と言い訳をします 。 すると、青年は驚きの事実を告げました。

…僕の父です

なんと彼は、皆野先生の息子だったのです。つぼみは、先生が地理の先生でありながら園芸部の顧問も務め、花言葉をたくさん教えてくれる素敵な先生だったと、懐かしそうに語ります 。 そして、先生は元気にしているかと尋ねますが 、息子の口から返ってきたのは、あまりにも悲しい知らせでした。

父は去年亡くなりました

「咲かないまま枯れるつぼみ」- 心に刻まれた呪いの言葉

先生の訃報にショックを受けるつぼみの脳裏に、中学時代のつらい記憶が蘇ります。

当時の彼女は、容姿も成績も優秀な姉と比較され、クラスメイトから「全然似てないよね」 、「マジキモいよね」 と陰湿ないじめを受けていました。 安らげるはずの家庭でも、母親からはテストの点数の悪さを厳しく責められ、常に姉と比べられていたのです

そして、母親はつぼみの心を深く傷つける一言を放ちます。

「お姉ちゃんと同じように花の名前でもつけてあげれば少しはましだったのかしら」

つぼみって咲かないまま枯れるものもあるのよ

この言葉は、まるで呪いのように彼女の心に突き刺さり、自分は「咲くことのできない、役立たずの存在」なのだと思い込ませる原因となっていました。

「花は必ず咲きます」- 初恋の先生がくれた希望(回想)

自己肯定感を完全に失っていたつぼみにとって、唯一の心の拠り所が園芸部での活動と、皆野先生の存在でした。

ある日、苗を植える作業で失敗してしまったつぼみは、「私…触らないほうがいいですね」とすっかり自信をなくしてしまいます 。 しかし、先生は「僕も手伝うから一緒にやりましょう」と優しく手を差し伸べてくれるのでした

つぼみは、育てている花が咲かなかったらどうしようという不安と、「私と同じ…役立たずのつぼみのまま」という苦しい胸の内を涙ながらに打ち明けます 。 母親やクラスメイトから「つぼみはいらない」と言われた悲しみも、先生にだけは伝えることができました

そんな彼女に、先生は静かに、しかし力強く語りかけます。

「つぼみのまま枯れてしまうのは病気や害虫が主な原因です」

きちんと対処して大切にお世話をしたら花は必ず咲きます

そして、こう続けたのです。

だからつぼみさんもきっと素敵な花を咲かせられますよ

先生のこの言葉は、母親にかけられた呪いを解く、希望の光でした。彼こそが、つぼみの「中学時代の初恋の人」だったのです 。

花に託された願いと変わらない現実

回想から現在に戻ったつぼみは、先生が亡くなっていたとは知らずに無神経な質問をしてしまったことを、息子の彼に謝罪します 。 彼は「気にしないで下さい」と優しく応えると 、一本のガーベラを差し出しました。

花には力があります。どうかあなたの望みが叶いますように

まるで父である先生の想いを継ぐかのように、彼の言葉はつぼみの心に温かく響きます。 代金は「初回お客様の特別キャンペーンです」と、彼は最後まで受け取りませんでした

希望の象徴であるガーベラを手に、つぼみは帰宅します。しかし、彼女を待ち受けていたのは、冷え切った現実でした。 夫の弘がすでに帰宅しており、「今日も出迎えなしか?」と不機嫌な声を上げます 。 つぼみが慌てて謝ると、彼は心底軽蔑したように吐き捨てました。

本当にポンコツだな

手にしたばかりの小さな希望は、夫の心ない一言によって、いともたやすく踏みにじられそうになるのでした。

【愛にはどうぞ花を添えて】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話は、つぼみの過去が明かされ、彼女の抱える心の傷の深さに胸が締め付けられる回でした。特に、実の母親から「咲かないまま枯れるつぼみもある」と言われた経験は、想像を絶するほどつらいものだったと思います。彼女の自己肯定感の低さや、常に自分を「役立たず」と思ってしまう性格の根源がここにあり、夫からのモラハラを甘んじて受けてしまう理由も理解できた気がします。

そんな暗闇のような過去の中で、皆野先生の存在がどれほど大きな救いであったかが痛いほど伝わってきました。「花は必ず咲きます」「だからつぼみさんもきっと素敵な花を咲かせられますよ」という言葉は、単なる励ましではなく、彼女の存在そのものを肯定してくれる、まさに命綱のような言葉だったのではないでしょうか。

先生は亡くなってしまいましたが、その息子さんがまるで先生の優しさを受け継いだかのように、再びつぼみの前に現れたという展開には、運命的なものを感じずにはいられません。彼からもらったガーベラと「あなたの望みが叶いますように」という言葉は、これからの彼女の支えになるはずです。

しかし、ラストで待ち受けていた夫からの罵倒。せっかく手にした希望の光が、また現実の闇に飲み込まれてしまうのかと、ハラハラさせられる終わり方でした。この小さな希望の種を、つぼみは守り育てていくことができるのでしょうか。彼女の戦いを、これからも見守っていきたいです。

【愛にはどうぞ花を添えて】3話のネタバレまとめ

  • 花屋の青年は、つぼみの恩師・皆野先生の息子であることが判明する 。
  • つぼみは、先生が昨年亡くなっていたという悲しい事実を知らされる 。
  • 回想シーンで、つぼみが中学時代に母親から「咲かないまま枯れるつぼみもあるのよ」と心ない言葉を浴びせられていたことが明らかになる 。
  • 自己肯定感を失っていたつぼみを、皆野先生が「花は必ず咲きます」「つぼみさんもきっと素敵な花を咲かせられますよ」という言葉で救ってくれていた 。
  • 先生の息子から「あなたの望みが叶いますように」という言葉と共にガーベラを贈られる 。
  • 希望を胸に帰宅するが、夫の弘から「本当にポンコツだな」と罵倒されてしまう 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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