復讐モノ

【愛にはどうぞ花を添えて】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫・弘の裏切りを知ったつぼみは、皆野の「サプライズかも」という慰めの言葉に一縷の望みを託す。
  • しかし、弘は帰宅せず、2日後にプロポーズの成功を隠したまま「景気祝い」のお土産を持って帰ってくる。
  • 後日、花屋で皆野から弘のプロポーズが成功したという事実を知らされる。
  • 全てを失ったつぼみに対し、皆野は「つぼみさんはどうしたいですか?」と、初めて彼女自身の意志を問う。

【愛にはどうぞ花を添えて】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する

皆野から自身の意志を問われ、ついに覚醒の時を迎えたつぼみ。第6話では、これまで耐え忍んできた彼女が、静かに、そして確実な復讐への第一歩を踏み出す様子が描かれます。

決意の覚醒 – 夫は「害虫」

「どうしたいですか?」という皆野の問いかけは、つぼみの心の中で反響し、これまでの結婚生活を走馬灯のように蘇らせます。「夫に奉仕するのが妻の勤め」だと信じ、常に夫を第一に考えてきた自分。それなのに、なぜ自分は大切にされないのか。その長年の疑問が、ついに怒りへと変わりました。

彼女は、中学時代の恩師・皆野先生の言葉を思い出します。

蕾のまま枯れてしまうのは病気や害虫が原因です

今の自分を枯らせている原因、それは夫である弘という名の「害虫」に他ならない。そう確信したつぼみの瞳に、冷たい光が宿ります。「どうしたいかなんて、決まってるじゃないですか」。彼女の中で、何かが完全に変わった瞬間でした。

「失われた愛」- 白いチューリップに込めた宣戦布告

場面は自宅に戻り、つぼみは帰宅した弘に、まるで何事もなかったかのように笑顔で花束を差し出します。それは、白いチューリップの花束でした。

その花言葉は「失われた愛」。

もちろん、弘はその意味に気づくはずもありません。つぼみは「プロジェクト成功のお祝いです」と嘘をつき、弘も「お前にしては気が利くな」と上機嫌です。彼は、これから「プロジェクト」、つまり不倫相手との新生活の準備で忙しくなるから、お前は家を守っていろと一方的に告げるのでした。

踏みにじられた「つぼみ」と最後の服従

しかし、その時、弘は花束の中にまだ咲いていない蕾が混じっていることに気づきます。

出来損ないのつぼみがあるじゃないか」 「綺麗な花の中でこいつは不要だろ

そう言うと、彼はその蕾を無慈悲に折り取り、革靴で力いっぱい踏み潰しました。それは、ただの花に対する行為ではありません。妻である「つぼみ」そのものの存在と尊厳を、完全に踏みにじる象徴的な暴力でした。

床に散らばった花びらを見下ろし、弘は「掃除しとけよ」と冷たく言い放ちます。それに対し、つぼみはもはや何の感情も見せず、「…はい」とだけ答えました。これは、彼女にとって最後の服従の言葉でした。

静かなる逆襲 – 証拠集めと復讐の誓い

弘が寝静まった深夜、つぼみの静かな逆襲が始まります。彼女は弘のスマートフォンを手に取ると、眠っている彼の顔にカメラを向け、虹彩認証でロックを解除しました。

スマホの中には、案の定、不倫相手「半谷百合(なかたに ゆり)」との生々しいやり取りが残されていました。

「マー君、大好きだよ。」という甘いメッセージ。それに対し、「百合の事を考えて俺がデザインしたから」「俺も大好きだよ。」と返す弘。

つぼみは、そのメッセージのスクリーンショットや、二人が幸せそうに寄り添う写真のデータを、冷静に自分のスマートフォンへと転送していきます。

「『つぼみ』はつぼみのままだって決めつけて ないがしろにされていいわけない」

証拠を集め終えた彼女の脳裏に、再び皆野の問いかけが響きます。「つぼみさんはどうしたいですか?」。彼女の答えは、もう揺らぎません。

夫の人生をめちゃくちゃにしてやりたい」 「…舐めんなよ

静かな怒りと共に、彼女の復讐は幕を開けたのです。物語の最後には、何も知らずに職場で働く不倫相手・百合の姿が映し出されます。

【愛にはどうぞ花を添えて】6話を読んだ感想(ネタバレあり)

第6話は、これまでの鬱憤を晴らすかのような、つぼみの覚醒が描かれていて、読んでいて鳥肌が立ちました。特につらい結婚生活を振り返り、夫を自分を枯らす「害虫」だと認識するシーンは、彼女がただの被害者であることをやめ、戦うことを決意した瞬間として非常に印象的でした。

白いチューリップを渡す場面は、まさに静かな宣戦布告。花言葉に「失われた愛」を選ぶセンスに、彼女の冷たい怒りと知性を感じさせられます。そして、夫がその花束の中の「つぼみ」を踏み潰すシーン。あまりの仕打ちに胸が痛みましたが、これが彼女の最後の迷いを断ち切り、復讐への引き金を引いたのだと思うと、物語の展開としては見事だと感じました。

何より、深夜に冷静沈着に夫のスマホから証拠を集める姿は、もはや以前のか弱いつぼみではありません。完全に「復讐者」の顔つきになっていました。「夫の人生をめちゃくちゃにしてやりたい」「舐めんなよ」というモノローグには、彼女の強い意志が込められており、読者として「よくぞ言った!」と快哉を叫びたくなります。これから始まるであろう復讐劇が、一体どんなものになるのか、楽しみで仕方ありません。

【愛にはどうぞ花を-添えて】6話のネタバレまとめ

  • 皆野に意志を問われたつぼみは、夫・弘を自分を枯らせる「害虫」と認識し、復讐を決意する。
  • つぼみは「失われた愛」の花言葉を持つ白いチューリップを「お祝い」と偽って弘に渡す。
  • 弘は花束の中の蕾を「出来損ない」と言って折り、靴で踏み潰し、つぼみの尊厳を踏みにじる。
  • 弘が寝静まった後、つぼみは彼のスマホのロックを解除し、不倫相手「半谷百合」とのメッセージや写真などの証拠を入手する。
  • つぼみは「夫の人生をめちゃくちゃにしてやりたい」と、復讐への強い意志を固める。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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