復讐モノ

【愛にはどうぞ花を添えて】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 皆野からの問いかけをきっかけに、つぼみは夫・弘への復讐を決意します。
  • 彼女は「失われた愛」の花言葉を持つ白いチューリップを弘に渡し、静かに宣戦布告します。
  • 弘は花束の中の蕾を「出来損ない」と呼び、つぼみの目の前で踏み潰し、彼女の尊厳を傷つけます。
  • その夜、つぼみは弘のスマートフォンから不倫相手「半谷百合」とのメッセージや写真などの決定的な証拠を入手します。
  • つぼみは「夫の人生をめちゃくちゃにしてやりたい」と、復讐の実行を固く誓います。

【愛にはどうぞ花を添えて】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する

夫への復讐を決意したつぼみ。一方その頃、何も知らない不倫相手・半谷百合は幸せの絶頂にいました。第7話は、物語の視点を百合へと移し、彼女が見ている甘い夢と、その裏に静かに迫る現実の影を描き出します。

職場で繰り広げられるマウントとのろけ話

物語は、百合が弘への愛を語らう場面から始まります。

幸せいっぱいの百合は、職場でもその喜びを隠しきれません。同僚から髪飾りを褒められれば「彼氏がまた買ってきちゃってぇ〜」と満面の笑み。彼が商社勤めであることや、自分も知らない花の知識を教えてくれる物知りなところなど、のろけ話が止まりません。もちろん、そんな彼女の姿を、同僚たちは陰で「イタすぎ」「惚気てないで手を動かせばいいのに」と冷ややかに見ています。

休憩中も、百合は先輩同僚をつかまえて「彼氏が優しすぎて不安で不安で」「こんなに愛されてていいのかなぁ」と、相談にかこつけた自慢話を続けます。先輩が「私の彼はあんまり褒めてくれたりはしないかな」と現実的な返答をすると、百合は悪びれもなく「マー君が先輩の彼氏みたいになったらまじ無理い」とマウントを取る始末。彼女の言動からは、自分が世界の中心であるかのような無邪気さと、他者への配慮のなさがうかがえます。

「あなたしか見えない」- 繰り返される甘い時間

その日の夜、百合は自宅で弘の帰りを待ちます。帰宅した弘は、彼女がプレゼントのバレッタをつけていることに気づき、「百合は可愛いからなんでも似合うな!」と甘い言葉をささやきます。

そして、彼が手にしていたのは、プロポーズの時と同じ、ブーゲンビリアの花束でした。その花言葉は「あなたしか見えない」。

「大好き」を連発し、弘に抱きつく百合。二人は情熱的なキスを交わし、再び甘い時間へと溺れていくのでした。彼女のいる世界は、どこまでも優しく、幸せな愛に満ち溢れているように見えました。

迫りくる復讐の影

今回の物語では、復讐を決意したつぼみの姿は一度も描かれません。しかし、読者は知っています。百合が夢見ている「マー君」という名の優しい恋人が、家庭では妻の尊厳を踏みにじる冷酷な夫であるということを。そして、その妻が全ての真実を知り、静かに復讐の牙を研いでいることを。

百合が信じる「あなたしか見えない」という言葉が、空虚な嘘であること。彼女の見る甘い夢が、やがて悪夢に変わる日は、もうすぐそこまで迫っているのかもしれません。

【愛にはどうぞ花を添えて】7話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は全編を通して不倫相手の百合視点という、これまでとは全く違う角度から物語が描かれていて、非常に興味深かったです。彼女がいかに弘の嘘を信じ込み、幸せな未来を夢見ているかが詳細に描かれることで、これからつぼみが実行するであろう復讐の残酷さが、より一層際立つ構成になっていると感じました。

百合のキャラクターは、ただの悪女ではなく、純粋に恋に恋している無邪気さと、同僚へのマウントに代表されるような自己中心的な部分が同居していて、非常に人間味があります。彼女もまた弘に騙されている被害者ではあるのですが、手放しで同情できない絶妙なキャラクター造形が見事です。

何よりスリリングだったのは、読者だけが全ての登場人物の裏の顔を知っているという点です。百合の幸せそうな姿を見れば見るほど、「その裏でつぼみは…」と考えてしまい、物語全体の緊張感がぐっと高まりました。つぼみが登場しないことで、逆に彼女の存在感が際立ち、次につぼみが現れる時、一体どんな形でこの甘い夢を打ち砕くのか、期待と少しの恐怖で胸がいっぱいになりました。

【愛にはどうぞ花を添えて】7話のネタバレまとめ

  • 今回の物語は、夫・弘の不倫相手「半谷百合」の視点で描かれます。
  • 弘は百合に、彼女の名前をモチーフにした特注の婚約指輪を、人気のレストランで渡すと約束します。
  • 百合は職場で弘との幸せな関係をのろけ、同僚たちから呆れられています。
  • 弘は百合の前では完璧な恋人を演じきっており、百合は彼の嘘に全く気づいていません。
  • 弘は、プロポーズの時と同じ「あなたしか見えない」という花言葉を持つブーゲンビリアの花束を百合に贈り、二人は愛を確かめ合います。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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