【ある日、お姫様になってしまった件について】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- アタナシアが暮らすルビー宮は、彼女の父クロードが過去に人々を皆殺しにした場所でした。
- 命の危険を感じたアタナシアは、宮殿の宝を盗んで将来国外へ逃亡する計画を立て始めます。
- 物語の最後に皇帝のフルネーム「クロード・デイ・エルジェア・オベリア」が明かされ、アタナシアはその名前に何かを察知し、ひどく動揺しました。
「ある日、お姫様になってしまった件について」第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
第3話では、アタナシアが前話で動揺した理由が明らかになります。それは、彼女が転生した物語「かわいらしいお姫様」の、あまりにも残酷で理不尽な内容を全て思い出してしまったからでした。
確定した悲劇の運命
父の名前は、クロード・デイ・エルジェア・オベリア。そして、自分自身のフルネームは、アタナシア・デイ・エルジェア・オベリア。どちらも、あの小説に出てくる登場人物と全く同じ名前でした。この事実が、彼女に逃れられない運命を突きつけます。背筋が凍るような感覚とともに、自分が本当にあの物語の悲劇の姫になってしまったのだと確信するしかありませんでした。
小説の主人公「ジェニット」の輝かしい物語
アタナシアが思い出した小説「かわいらしいお姫様」は、その名の通り、かわいらしいお姫様が主人公の物語です。しかし、その主人公は第一姫のアタナシアではありませんでした。
真の主人公は、オベリア帝国の第二姫、ジェニット。彼女は美しい容姿と天使のような優しい心を持ち、全ての人々から愛される存在でした。
物語の中の皇帝クロードは、表向きは国を救った英雄とされていますが、その実態は実の兄を殺して帝位を奪った冷酷非情な男です。しかし、そんな氷のような彼の心さえも、ジェニットの存在が溶かしていくのです。ジェニットは頼もしい父の愛と、帝国一の貴公子である婚約者を手に入れ、一生幸せに暮らしました。これが、小説「かわいらしいお姫様」の主なあらすじでした。
引き立て役「アタナシア」の哀れな一生
一方で、ジェニットと同い年の第一姫であるアタナシアの扱いは、あまりにも悲惨なものでした。
生まれてすぐ後宮に放置され、気弱な性格に育った彼女は、9歳の誕生日に初めて父クロードと出会います。しかし、クロードは娘を一瞥もくれずに無視。それでも愛情に飢えていたアタナシアは父に愛されるため必死に努力を重ね、才能あふれる優雅な姫へと成長しました。
しかし、14歳のデビュタント(社交界デビュー)で、彼女はジェニットの存在を知り、全ての希望を打ち砕かれます。太陽のように明るく愛されるジェニットと、どこか陰のある自分。誰もがジェニットを愛するのは当然の結果でした。
そして、運命の18歳の誕生日。アタナシアは、ジェニットに毒を盛ったという全くの濡れ衣を着せられ、実の父親であるクロードの手によって処刑されてしまうのです。
絶望の涙と未来への問いかけ
真犯人はジェニットを皇位継承者にするために陰謀を企てた彼女の叔母でした。しかし、後に真実が明らかになっても、クロードは罪悪感を微塵も感じません。ジェニットは少し罪悪感を抱いたものの、すぐに恋人に慰められ、幸せな結末を迎えるのです。
なぜ、アタナシアだけが殺されなければならなかったのか。ただ、物語の主人公を輝かせるための、哀れな引き立て役だったから。
この救いようのない全てを思い出したアタナシアは、どうすることもできず、ただ赤ん坊の姿で声を上げて泣きじゃくるしかありませんでした。
「ある日、お姫様になってしまった件について」3話を読んだ感想(ネタバレあり)
第3話で明かされた小説「かわいらしいお姫様」の全貌は、想像以上にアタナシアにとって救いのない物語で、読んでいて胸が苦しくなりました。主人公のジェニットが幸せになる一方で、アタナシアはただ彼女の引き立て役として利用され、無実の罪で殺される。しかも、誰もその死を悼まないという結末は、あまりにも理不尽で後味が悪すぎます。
こんなハードモードな物語の、最も不幸なキャラクターに転生してしまった主人公の絶望は計り知れません。全てを知った瞬間に心が折れてしまってもおかしくない状況です。
しかし、裏を返せば、彼女は「原作を知っている」という最大の武器を手に入れたことになります。9歳で父と出会い、14歳でジェニットと出会い、そして18歳で処刑される。この未来のターニングポイントを知っている今、彼女がどう行動するのかが、この物語の最大の鍵になるのでしょう。まだ赤ん坊で何もできませんが、彼女の逆転劇がここから始まるのだと思うと、絶望的な状況とは裏腹に、今後の展開が非常に楽しみになりました。
「ある日、お姫様になってしまった件について」3話のネタバレまとめ
- アタナシアは、自分のフルネームが小説の悲劇の姫と完全に一致することを知り、自分の運命を確信します。
- 小説の真の主人公は第二姫ジェニットであり、冷酷な父クロードからも愛され、幸せな一生を送ることが明かされます。
- 一方のアタナシアは、ジェニットを輝かせるための引き立て役として不遇な人生を送り、18歳の誕生日に無実の罪で父に処刑される運命でした。
- このあまりにも理不尽で救いのない未来を全て思い出したアタナシアは、絶望のあまり大声で泣き出してしまいます。
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