【悪いのはあなたです】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【悪いのはあなたです】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

運命のいたずらか、必然か。美術館で再会を果たした莉子とツトム。ここから、二人の歪んだ関係が再び動き始めます。

運命の再会、そして甘い誘い

「すごい…こんな所で会うなんて…」

予期せぬ再会に、莉子とツトムは互いに驚きを隠せません。なぜここにいるのかと問うツトムに、莉子は「ちょうどここで受付のバイト募集をしてて…」と事情を説明します 。

するとツトムは、悪びれる様子もなく、ごく自然にこう尋ねてきます。

「莉子ちゃん お仕事何時に終わるの？ 待っててもいい？」

莉子の仕事終わりは20時 。まだ数時間はあります。それでも待つと言うツトムの言葉に、莉子の心は激しく揺さぶられます。

既婚者と彼氏の間で揺れる心

ツトムの申し出に、莉子の頭の中は混乱します。 「何ドキドキしてるんだ 相手はどこぞの既婚者だぞ！」と自分に言い聞かせ、冷静になろうと努めます 。もし彼の奥さんにこのことがバレて「訴えられたら笑えないよ…」と、最悪の事態も頭をよぎるのです 。

それに、莉子にはタクマという彼氏もいます 。

既婚者であるツトムに惹かれてしまう自分と、彼氏への罪悪感。二つの感情が、彼女の中で渦巻きます。同僚から「何ニヤニヤしてるの？」と指摘されるほど、莉子の動揺は隠しきれません 。

「1回ヤッたくらいで好きになるわけない」と心の中で強がりながらも、彼女の視線はツトムの姿を追わずにはいられませんでした 。

3時間の待ち時間と、彼の真意

長い勤務時間が終わり、時刻は21時過ぎ 。ツトムが美術館に来たのは18時頃だったので、実に3時間もの時間が経過しています 。

「さすがにもう待ってるわけないか…」 。そう思いながら美術館の裏口へ向かうと、そこには壁に寄りかかり、涼しい顔で彼女を待つツトムの姿がありました。

「おつかれさまっ」 。

なぜ待っていたのかと尋ねる莉子に、ツトムはまっすぐな瞳でこう告げます。 「もう一度話したかったから…莉子ちゃんと」 。

その言葉は、莉子の心を射抜くには十分すぎる威力を持っていました。

ファミレスでの対峙と巧みな嘘

二人は近くのファミリーレストランへ移動します。そこで莉子は、ずっと心に引っかかっていた疑問を、勇気を出してツトムにぶつけます。

「この前ホテルで見てしまったんですけど…指輪です」 。

「ツトムさんって結婚してるんですか？」 。

このストレートな問いに対し、ツトムは笑みを浮かべながらあっさりと事実を認めます。「ははは 莉子ちゃんよく見つけたね」 。そして、彼は信じられないような言い訳を口にするのです。

「ごめんね 見せるつもりはなかったんだけど」「君がかわいかったからとっさに隠しちゃったんだよ」 。

まるで、自分が嘘をついたのは莉子の魅力のせいだと言わんばかりの口ぶり。彼は、罪悪感を抱かせるどころか、相手を喜ばせる言葉にすり替える天才でした。 「僕のこと嫌いになった？」と子犬のような瞳で尋ねるツトムに、莉子は返す言葉も見つかりません 。

莉子の反撃と、突然の別れ

ツトムの巧みな話術に流されそうになる莉子。しかし、彼女はここで精一杯の反撃を試みます。 「私も彼氏いるんで」 。

そう言い放った瞬間、莉子の心は少しだけ晴れやかになります。これで対等になれた、そんな気持ちだったのかもしれません。

そして、「私もう行きます」とお金をテーブルに置き、颯爽と店を出ていく莉子 。

呆然と見送るツトムを残し、彼女はこの不毛な関係に終止符を打ったかのように見えました。

その頃、タクマとミカは…

しかし、莉子がツトムとの関係にけじめをつけようとしていたその頃。 彼女の彼氏であるタクマは、友人であるミカとラブホテルでベッドの上にいました。

「でも莉子はもう帰ってくるからさ」と帰ろうとするタクマに対し、ミカは「だけど、タクマが帰らなくても莉子は平気かもね…」と意味深な言葉を投げかけます 。

その言葉に、タクマは激しく動揺します。

「莉子が浮気したら俺……キレちゃうかもしれん！！」 。

自分が浮気の真っ最中であるにもかかわらず、恋人の浮気は許せないという身勝手な独占欲をむき出しにするのです。

そんなタクマに、ミカは1万円札をちらつかせ、「今日はバンド練ってことにして いったん泊まって行こうよ」と誘います 。

その提案に、タクマは「しょうがないな〜」と、いとも簡単に応じてしまうのでした 。

【悪いのはあなたです】4話を読んだ感想（ネタバレあり）

第4話は、息つく暇もないほどの心理戦と、衝撃的な裏切りのオンパレードでした。 まず、ツトムさんのキャラクターの恐ろしさが際立っていましたね。3時間も平然と待ち続け、既婚者であることを指摘されても全く動じない。それどころか、「君が可愛いから隠した」なんて、普通の神経では言えないセリフを笑顔で言いのける。彼の異常性がよく分かる場面でした。そんな彼に対して、莉子さんが「私も彼氏いるんで」と言い返したシーンは、思わず「よく言った！」と拳を握りました。ほんの少しですが、彼女の成長と意地が見えた気がして、嬉しくなりました。

しかし、そんな莉子さんの小さな勝利をあざ笑うかのような、タクマさんとミカさんの裏切りには、怒りを通り越して呆れてしまいました。特にタクマさんの「莉子が浮気したらキレる」という発言は、漫画史上トップクラスの身勝手さではないでしょうか。自分のことは完全に棚に上げ、被害者意識まで持っている。そして、たった1万円でいとも簡単に恋人を裏切る姿には、もはや救いようがないと感じました。

莉子さんは危険な既婚者から逃げ出したつもりかもしれませんが、彼女が帰るべき場所は、もっと残酷な裏切りが渦巻く地獄でした。一体誰が一番「悪い」のか。登場人物全員がそれぞれの形で問題を抱えていて、物語の深みにますます引き込まれていきます。

【悪いのはあなたです】4話のネタバレまとめ

• 美術館で再会した莉子とツトム。ツトムは莉子の仕事が終わるまで3時間も待っていた 。
• 莉子はファミレスでツトムが既婚者であることを問い詰める 。
• ツトムは既婚の事実を認めた上で、「君がかわいかったから隠してしまった」と巧みな嘘で莉子を言いくるめようとする 。
• 莉子は「私にも彼氏がいる」と言い返し、その場を立ち去る 。
• その頃、莉子の彼氏タクマは、友人ミカとラブホテルで浮気していた 。
• タクマはミカから1万円を受け取り、莉子に嘘をついてミカの元に泊まることを決める 。

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コマさん（koma）

野生のライトノベル作家

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社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》