不倫モノ

【悪いのはあなたです】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 美術館で働き始めた莉子は、偶然にも客として訪れたツトムと再会する。
  • ツトムは莉子の仕事が終わるまで3時間も待ち、莉子は彼を問い詰めるためファミレスへ向かう。
  • 既婚者であることを認めたツトムは、「君がかわいかったから」と嘘を重ねて莉子を言いくるめようとする。
  • 莉子は「私にも彼氏がいる」と言い返し、ツトムを振り切ってその場を立ち去る。
  • その裏で、莉子の彼氏タクマは友人ミカとラブホテルで浮気をしており、ミカから1万円を受け取って一夜を共にする。

【悪いのはあなたです】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

ツトムとの関係を断ち切ったはずの莉子。しかし、彼女の心は罪悪感で満たされていました。物語は、終電間際の駅を走る莉子の、悲痛な心の叫びから始まります。

罪悪感に駆られて…空っぽの部屋

「浮気してごめんなさい 他の人を好きになりそうになってごめんなさい」

ツトムと会っていた時間は、彼氏であるタクマを裏切る行為。莉子の心は、後悔と罪悪感でいっぱいでした。一刻も早くタクマに会って謝りたい、その一心で彼女は夜道を走ります。 しかし、息を切らしてアパートに帰り着くと、部屋は真っ暗で、タクマの姿はありませんでした。

「そばにいてほしいときにいないんだから…」

寂しさと不安が莉子を襲います。彼に送った「誰と飲んでるのー!」というメッセージは、未読のまま。 一瞬でもツトムに心を奪われ、タクマと別れることまで考えてしまった自分を「バカだ」と責め、莉子は孤独な夜を過ごすのでした。

帰ってきた彼氏と、新たな嘘

翌朝、莉子が目を覚ますと、いつの間にか帰宅していたタクマが隣で眠っていました。彼は莉子に優しくキスをし、悪びれる様子もなくこう言います。

「ごめんごめん ライブハウスのみんなで飲んでたんだよ」

もちろん、それは真っ赤な嘘。彼が昨夜一緒にいたのは、ミカでした。 そして、タクマは得意げに3枚の一万円札を取り出します。これは、昨夜ミカから「泊まっていく」ためにもらったお金です。しかし、彼はそれを「普通に稼いだし!」と言い張り、「これでデートしょってコト!」と莉子を誘います。

急に大金を手にしたタクマに、莉子は「まさか変なバイトとかじゃないでしょうね…」と疑いの目を向けますが、彼は「俺をどんな目で見てんの!?」と逆ギレする始末。 そして、「いつも莉子に負担かけてるからさ たまには彼氏っぽいことがしたいんだよ」と莉子を抱きしめます。 その時、莉子はタクマから香水の匂いがすることに気づきます。「アレ?なんか嗅いだことある香水のにおい…??」と一瞬違和感を覚えますが、タクマの優しい言葉に、その疑念はかき消されてしまうのでした。

偽りのお金で築かれた、束の間の幸せ

タクマに誘われ、二人は久しぶりにデートへ出かけます。行き先は、観覧車や高層ビルが立ち並ぶ、都会的なウォーターフロント。 普段は牛丼屋くらいでしか外食しない二人が、その日は景色の良いレストランでステーキランチを楽しみます。 「タクマに隠れてこっそり贅沢してごめんね…」。莉子は、ツトムと食事をしたことを思い出し、心の中で再びタクマに謝るのでした。

タクマがデートに誘ってくれたことが、莉子は何よりも嬉しかったのです。彼が稼いできた(と彼女が信じている)お金で過ごす時間は、これまでのどのデートよりも輝いて見えました。 二人の間には、穏やかで幸せな時間が流れていました。

突然の吉報と、未来への誓い

海辺のデッキで夕日を眺めながら、タクマは真剣な表情で莉子に語りかけます。

「バンドさ 新レーベルからCD出させてもらえることになったんだ」

それは、7年間彼を支え続けてきた莉子にとって、信じられないほどの朗報でした。 「だからこれからは少ないけど毎月お金ちゃんと入れるよ」と誓うタクマ。彼は「もう30歳だし…最後のチャンスだと思ってる…」と、今までに見せたことのない覚悟を口にします。 莉子は「おめでとう!すごいじゃん」と心から彼の成功を喜び、「応援してるよ?」と、これからも彼を支え続けることを誓うのでした。

幸せの絶頂から不幸のどん底へ…そして

最高のデートを終え、莉子は幸せな気持ちで一人、帰路につきます。新しい仕事も始まり、彼氏の夢も叶おうとしている。これからの楽しい生活を思い浮かべ、浮かれる莉子。 しかし、そんな彼女に、またしても不幸が襲いかかります。

突然降り出した雨は、あっという間に土砂降りへ。 傘を持っていなかった莉子は、雨の中を走りますが、足を滑らせて激しく転倒してしまいます。足は血だらけになり、痛みで立ち上がることができません。

「最近ずっとツイてない気がする…」 助けを呼ぼうにも、携帯の充電は切れています。雨に打たれ、ずぶ濡れになりながら、彼女は絶望の淵に立たされていました。 その時です。

「莉子ちゃん…? 大丈夫……!?」

雨音に混じって、聞き覚えのある声がします。顔を上げると、そこに立っていたのは、いるはずのない人物——ツトムでした。

【悪いのはあなたです】5話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第5話は、まさにジェットコースターのような展開でした。前半は、タクマさんの見え透いた嘘と、それに気づかず罪悪感を抱く莉子さんの姿に、胸が締め付けられる思いでした。特に、ミカさんにもらったお金でデートに誘い、「彼氏っぽいことしたい」と言うタクマさんには、彼の人間性の底知れなさを感じます。

しかし、中盤の「CDデビュー決定」の告白には、思わず莉子さんと一緒に「よかった!」と思ってしまいました。ここで初めて、タクマさんがただのダメ男ではなく、夢を追う一人の人間として描かれた気がします。このまま二人が幸せになるのなら…と、一瞬でも期待してしまった読者は、私だけではないはずです。

だからこそ、ラストの展開はあまりにも残酷でした。幸せの絶頂から、文字通り突き落とされるような不幸の連続。雨、転倒、怪我、充電切れ…これでもかというほどの不幸のフルコースの末に現れるのが、あのツトムさんだなんて。まるで、莉子さんが弱っている瞬間を狙いすましたかのようなタイミングでの登場に、悪魔的な何かすら感じてしまいます。タクマさんとの未来に光が見えた瞬間に、再びツトムさんという闇が忍び寄ってくる。この物語は、本当に一筋縄ではいきませんね。

【悪いのはあなたです】5話のネタバレまとめ

  • ツトムと会ったことに罪悪感を覚えた莉子は、急いで帰宅するがタクマは不在だった。
  • 翌朝、嘘をついて帰ってきたタクマは、ミカからもらったお金で莉子をデートに誘う。
  • デート中、タクマからバンドのCDデビューが決まったことを告げられ、二人は未来を誓い合う。
  • 幸せな気分の帰り道、莉子は土砂降りの中で転んで怪我をし、携帯の充電も切れて動けなくなってしまう。
  • 絶望する莉子の前に、偶然を装ったかのようにツトムが現れる。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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