【悪いのはあなたです】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 莉子が家出し、パニックになったタクマはミカに連絡するが、口論の末に関係を断ち切れない。
- 罪悪感を覚えたタクマは莉子とやり直す決意を固めるが、そこにツトムが訪れる。
- ツトムは、莉子が「彼氏と別れる」と宣言させられている動画をタクマに見せつける。
- 激昂したタクマはツトムに殴りかかり、もみ合いの末にアパートの階段から突き落とされてしまう。
- 一方、莉子は何も知らずにツトムが用意したホテルで彼を待っていた。
【悪いのはあなたです】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する
最愛の人と信じていた彼氏の裏切り。そして、新たに出会った危険な男との約束。物語は、莉子がツトムとの密会で、彼の異常な要求に屈した数日前のホテルの一室から始まります。
悲劇の恋人が生んだ歪んだ愛情
「消してください そんな動画」
自分の弱みを握られた莉子は、涙ながらに動画の削除を懇願します。ツトムは謝罪の言葉を口にしながらも、彼の歪んだ哲学を語り始めます。 彼は、人の「想い」が時間と共に風化していくことを恐れていると言うのです。そして、その理由として、衝撃的な過去を告白します。
「僕がまだ結婚するずっと前の話だけど 当時付き合っていた彼女が事故で亡くなってね」
その彼女との思い出が記録としてほとんど残っておらず、彼はひどく後悔したと語ります。だからこそ、絵や動画にその時の感情を残すことが好きなのだと。 つまり、莉子を無断で撮影した行為は、二人の大切な想いを風化させないための愛情表現なのだと、彼は美談にすり替えてみせるのでした。
一週間の約束
あまりに突飛な言い訳に、莉子はただ困惑するばかり。ツトムはそんな彼女の心を弄ぶように、さらに言葉を続けます。 「だから本当は全部手元に残したいんだ 空想じゃなくて事実として」。 彼の言葉に、莉子の心は揺さぶられます。そして、彼女は最後の望みをかけて、核心を突く質問をします。
「じゃあ…奥さんを捨てて私のところに来てくれますか?」
ツトムは「本気だよ?」と即答。そして、「少し整理してくるから1週間時間をちょうだい?」と、具体的な期間を提示します。 タクマの裏切りで傷心し、他に頼る人もいない莉子は、この言葉を信じるしかありませんでした。「もう一度だけツトムさんを信じてみようかな…」。彼女は、この危険な約束を受け入れてしまうのです。
完璧な妻・芳子の仮面
場面は変わり、ツトムの自宅。そこには、妻の芳子と二人の娘たちがいました。 父親であるツトムが帰ってこないことを寂しがる娘たちに、芳子は「あかりたちのために お仕事頑張ってるんじゃないかしら」と優しく諭します。 しかし、その裏では娘たちに厳しく勉強を教えていました。
「あなたたちの将来のためだから ちゃんと言うこと聞いてね」 「そう、あなたたちの人生は絶対に間違えさせない」
完璧な家庭を守るため、子供の人生すらもコントロールしようとする芳子。彼女もまた、見えないプレッシャーの中で必死に戦っていることがうかがえます。
最悪の知らせ、そして病院へ
時間は現在に戻ります。莉子はツトムが用意したホテルに滞在しながら、彼からの連絡を待っていました。 そんなある日、仕事の休憩中にスマートフォンを確認すると、見知らぬ番号から7件もの不在着信が入っていました。そして、再びその番号から着信が。 電話の相手は、病院からでした。
「○○病院ですが 椿タクマさまの…」
タクマの名前を聞いた瞬間、莉子の血の気が引きます。彼がただ事ではない状況に陥っていることを、彼女は悟るのでした。
記憶喪失の彼からのプロポーズ
急いで病院に駆けつけた莉子。医師から告げられたのは、タクマが頭を強く打った影響で、記憶に抜けがあり、日常生活に支障が出る可能性があるという衝撃の事実でした。 病室に入ると、頭に包帯を巻いたタクマが、意外にも明るい表情で彼女を迎えます。
「いや〜目が覚めてびっくりしたよ これが。見知らぬ天井かって」 彼は、階段から落ちたこと自体を「全然…覚えてないんだ…」と言います。ただ、事故の直前、「莉子に会いたいって強く思ってたのは覚えてる」と、彼女への想いを口にするのでした。 その言葉に、莉子の心は罪悪感で押しつぶされそうになります。
そして、タクマは莉子の手を握り、まっすぐな瞳で告げました。
「莉子…俺と結婚しよう」
頭を打ったことで、自分の才能のなさと向き合い、夢を諦める決心がついたというタクマ。「これからは普通に働いて普通に暮らして莉子の横にいる人生がいい」「もう音楽はやめるよ」。 それは、7年間莉子が待ち望んでいた、誠実な愛の言葉でした。 しかし、その時、病室のドアが開き、ミカが顔を覗かせます。 莉子は、裏切り者の彼氏からのプロポーズと、その浮気相手である親友の登場という、最悪の状況に追い込まれるのでした。
【悪いのはあなたです】9話を読んだ感想(ネタバレあり)
第9話は、登場人物それぞれの業が深く描かれ、息苦しくも目が離せない回でした。ツトムさんの「死んだ恋人」の話は、彼のサイコパスな言動を正当化するための、あまりにも都合の良い美談に聞こえてしまい、彼の底知れない恐ろしさを再認識させられました。彼の涙は、果たして本物だったのでしょうか。
一方で、妻・芳子さんの教育ママとしての一面が描かれたことで、物語に新たな深みが生まれました。彼女もまた「完璧な家庭」という偶像を守るために必死で、夫の裏切りに気づいていない姿が痛々しいです。
そして、何よりも衝撃的だったのは、タクマさんの変化とプロポーズです。記憶を失ったことで、彼はある意味「リセット」され、莉子さんがずっと望んでいた誠実な青年へと生まれ変わりました。しかし、そのきっかけがツトムさんとの乱闘の末の事故であるという皮肉。莉子さんにとっては、まさに悪夢のような状況です。彼女がどちらを選んでも、待っているのは茨の道でしょう。ミカさんの登場で、事態はさらに混沌としてきました。莉子さんの選択から、ますます目が離せません。
【悪いのはあなたです】9話のネタバレまとめ
- 数日前の回想で、ツトムが「亡くなった恋人との思い出を残せなかった後悔」を理由に、莉子を録画した行為を正当化していたことが明かされる。
- ツトムは莉子に「1週間待ってくれたら妻と別れる」と約束する。
- 一方、ツトムの妻・芳子は、夫の不在が続く家庭で、子供たちに過剰な教育を施していた。
- 現在、莉子は病院からの電話で、タクマが事故に遭ったことを知らされる。
- タクマは階段から落ちた衝撃で記憶の一部を失っており、事故の経緯を覚えていなかった。
- 事故をきっかけに改心したタクマは、音楽をやめて莉子と普通の人生を送ることを決意し、彼女にプロポーズする。
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