復讐モノ

漫画【セコケチ義妹がすべてを失った話】20話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 賢一は、使い込まれた遺産の返済は求めない代わりに、家を出て二度と姿を見せないことを義家族への最終通告として突きつけました。
  • 追い詰められた浩二は賢一に責任転嫁しますが、賢一はそれを一蹴。義母には、年金で暮らせる地方の施設を提案し、現実を突きつけました。
  • 賢一の実の親が遺した財産が、義父によって使い込まれていたことを知った浩二は、愕然とします。
  • すべてのケジメをつけた賢一は、最後に「俺はもう安田賢一であることをやめる」と宣言し、過去の家族と完全に決別し、令美と娘との新しい人生を歩むことを決意しました。

【セコケチ義妹がすべてを失った話】第20話をネタバレありでわかりやすく解説する

「俺はもう安田賢一であることをやめる」。夫の力強い独立宣言で、長きにわたる義家族との戦いに、ついに終止符が打たれます。第20話は、すべての清算を終え、それぞれのキャラクターがたどる末路と、令美と賢一が手にした新しい未来を描く、物語の感動の最終回です。

婿養子という最終手段

賢一が放った言葉の真意、それは、安田家との養子縁組を解消し、令美の家に婿養子として入るという、彼の最終的な決断でした。もはや「母さん」とは呼ばず、「安田さん」と呼び方を改めた賢一。その冷徹なまでの線引きに、義母は愕然とします。

財産ゼロの家に残された者たち

賢一は続けます。「養子縁組を解消するからには、当然、安田家の相続権も抹消する」「これで安田家の財産はすべて浩二のものになるんだから、いいじゃないか」。その言葉に、一瞬、浩二の顔が輝きます。しかし、その隣で事の重大さに気づいた加恵が絶叫しました。

「このバカ!この家に相続できるような財産が残ってると思ってんの!?」

そうです。この家の唯一にして最大の財産であった「家」そのものが、そもそも賢一個人のもの。彼が安田家から籍を抜くということは、この家も安田家の財産ではなくなるということ。彼らに残されたのは、借金こそないものの、資産もゼロという厳しい現実だけでした。

地獄絵図―醜い責任のなすりつけ合い

すべての望みが絶たれた瞬間、これまでかろうじて保たれていた家族の化けの皮が、完全にはがれ落ちます。令美と賢一がその場を去ると、残された義母、浩二、加恵の三人は、醜い責任のなすりつけ合いを始めました。

「お前のせいだッ!」「この疫病神!恩知らず!」と加恵を罵る義母。「あんたの使い込みが原因じゃん!」と反論し、義母に手を上げる加恵。そして、「あんな頭のおかしい女の娘なんて家に入れるんじゃなかった!」と、今さらながらに後悔を叫ぶ浩二。そこにあったのは、もはや家族とは呼べない、欲望と憎しみが渦巻く地獄絵図でした。

それぞれの末路、そして新しい始まり

数ヶ月後。賢一と令美は、すべてのしがらみから解放され、新しい家で穏やかな生活を始めていました。

  • 義母は、賢一が探し出した地方の施設に入居。
  • 浩二は、不倫相手にも逃げられ、加恵との離婚が成立。一人で慰謝料と養育費を払い続けることになりました。
  • そして加恵は、行く当てもなく、あのゴミ屋敷のような実家に戻り、昼も夜もバイトに明け暮れる日々を送っていました。彼女が最も逃げ出したかった母親のもとへ帰り着くという、皮肉な結末を迎えたのです。

すべてを失った義妹。そして、多くのものを失いながらも、本当の愛と家族の絆を手に入れた令美と賢一。物語は、新しい家で幸せそうに微笑む三人の姿で、静かに幕を閉じます。

【セコケチ義妹がすべてを失った話】20話を読んだ感想(ネタバレあり)

まさに完璧な最終回でした。これまでの物語で溜まりに溜まった鬱憤を、最後の最後で綺麗にすべて洗い流してくれたような、爽快感と感動に満ちた結末だったと思います。

特に印象的だったのは、賢一の「安田賢一をやめる」という決断です。それは単に籍を抜くという手続き上の話ではなく、彼が長年背負わされてきた「養子」という名の呪縛から、自らの意志で魂を解放する儀式のように見えました。令美への愛が彼に本当の強さを与えたのだと思うと、胸が熱くなります。

そして、残された三人が繰り広げる醜い罵り合いは、まさに地獄絵図。金や見栄といったものでしか繋がっていなかった家族の、当然の末路でしょう。加恵が、自分が最も嫌っていた母親の元へ帰るしかないという結末は、最高の皮肉であり、これ以上ないほどの「ざまあみろ」だと感じました。

この物語は、理不尽な目に遭い続けた主人公が、最後には悪を断罪し、本当の幸せを手に入れるという王道のカタルシスを与えてくれました。同時に、「家族とは何か」「本当の豊かさとは何か」を深く考えさせられる、素晴らしい作品だったと思います。

【セコケチ義妹がすべてを失った話】20話のネタバレまとめ

  • 賢一は、安田家との養子縁組を解消し、令美の家に婿養子に入ることを宣言。これにより、義弟夫婦と義母との法的な関係を完全に断ち切りました。
  • 賢一が籍を抜くことで、家の所有権も完全に賢一個人のものとなり、義家族には相続できる財産が一切ないことが確定しました。
  • 希望を失った義母、浩二、加恵は、互いを罵り合い、責任をなすりつけ合う醜い争いを繰り広げ、家族関係は完全に崩壊しました。
  • 数ヶ月後、義母は施設へ、浩二は離婚して慰謝料地獄へ、そして加恵は最も嫌っていた実家へ戻るという、それぞれが自らの行いの報いを受ける結末を迎えました。
  • 令美と賢一は、すべてのしがらみから解放され、新しい家で娘と共に、穏やかで幸せな新しい生活を始めました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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