漫画【死ぬまでバズってろ】全話ネタバレ解説|あらすじや感想を最終回までまとめてみた

今回はドラマ化も決定し、SNS時代の光と闇を過激に描いた話題作【死ぬまでバズってろ】の魅力を、最終回までの全話ネタバレありで徹底的に解説していきます。
「一気読みする時間はないけど結末が気になる!」
「これまでの話を時系列でおさらいしたい」
「登場人物たちの関係がどうなったのか知りたい」
そんなあなたのために、この記事では物語の始まりから衝撃のラストまで、全てのあらすじと感想をまとめました。
この記事を読めば、【死ぬまでバズってろ】の全ての物語を、要点を押さえながら短時間で理解できます。
ただし、この記事はタイトル通り完全なネタバレを含みます。これから自分の力で読み進めたい、結末は知りたくないという方は、この先を読むのは控えてくださいね。
準備はよろしいでしょうか?それでは、タパ子の壮絶な物語の軌跡を一緒に振り返っていきましょう。
【死ぬまでバズってろ】ってどんなあらすじ?世界観や登場人物を解説(ネタバレあり)
どんなあらすじ?世界観や設定をわかりやすく解説!
【死ぬまでバズってろ】は、理不尽なアルバイト先で搾取され、過去のトラウマに苦しむ何の変哲もない一人の女性「浅野加菜子」が、ある事件をきっかけに過激な告発系配信者「タパ子」として覚醒し、承認欲求という名の麻薬に溺れていく姿を描いた物語です。「バズる」こと、つまり世間の注目を浴びることの一度きりの快感が忘れられず、より強い刺激を求めて手段を選ばなくなっていく彼女の暴走は、やがて友人関係や自身の倫理観、さらには法さえも崩壊させていきます。
物語の舞台となるのは、SNSがインフラとして人々の生活に深く根付いた現代の東京です。この世界では、いいねの数やフォロワー数が、時としてその人間の価値を決定づけるかのような風潮が蔓延しています。本作は、そんなSNS社会の持つ輝かしい「光」の部分と、底知れない「闇」の部分を、極めてリアルに、そして時に目を背けたくなるほど過激に映し出しているのが最大の特徴と言えるでしょう。たった一本の動画が、名もなき個人を一夜にしてスターダムに押し上げる一方で、別の誰かの人生を社会的に抹殺し、地獄の底へと突き落とすこともあります。この物語は、そんな現代社会の危うさと、それでも人々を惹きつけてやまない魅力が凝縮された作品なのです。
主要な登場人物を紹介
タパ子(浅野 加菜子)
本作の主人公。物語開始時点では、パスタ屋のアルバイトとして安い給料で働き、理不尽な扱いにも声を上げられない「底辺フリーター」でした。しかし、偶然撮影したひき逃げ事件の動画投稿を機に、刺激的なスクープを追い求める告発系配信者「タパ子」としての才能を開花させます。彼女の過激な行動の根源には、元夫から受けたDVによる深いトラウマと、それによって植え付けられた「何者かになりたい」という強烈な承認欲求が存在しています。
渡辺
タパ子が出会う心優しき警察官。物語の序盤では、彼女の数少ない視聴者の一人「綿さん」として、温かいコメントを送る存在でした。タパ子の常軌を逸した行動に眉をひそめ、彼女の良心であろうとしますが、その一方で彼女が抱える過去の傷や純粋さに惹かれていきます。公務員という安定した立場でありながら、実はリハビリ病院を経営する裕福な家庭の出身という意外な一面も持っています。
元夫
タパ子のトラウマを植え付けた元凶。支配的かつ暴力的な性格で、結婚生活においてタパ子の尊厳を徹底的に踏みにじりました。彼の存在が、タパ子が他人に依存することを極度に恐れ、歪んだ形で自立しようとする原因となっています。物語の終盤で、殺人まで犯した凶悪な指名手配犯として彼女の前に再び姿を現し、過去との決着を迫る最後の壁として立ちはだかります。
楠木 速斗(くすのき はやと)
世間から「王子様」として絶大な人気を誇る俳優。タパ子の告発のターゲットとされたことで、当初は敵対関係にありました。しかし、彼自身も年齢を詐称し、人気の凋落に常に怯えるという大きな秘密を抱えています。タパ子とは「人気の維持」という共通の渇望を持つ者同士、後に利害の一致から奇妙な共闘関係を築くことになります。
【死ぬまでバズってろ】最終回まで全話ネタバレ・あらすじ解説
1話ネタバレはこちら
物語は、主人公・浅野加菜子が理不尽な待遇に耐えながらパスタ屋で働く、希望のない日常から始まります。心身ともに疲れ果て、惨めな現実に絶望していたある夜、彼女は「タパ子」と名乗り、承認欲求を満たすためだけにライブ配信を行っていました。その配信の最中、彼女は偶然にも飲酒運転による悪質なひき逃げ事故を目撃し、その決定的な瞬間を動画に収めることに成功します。この映像を世に出すべきかタパ子は一瞬ためらいますが、「バズりたい」という抑えきれない衝動に突き動かされ、ついに動画をSNSに投稿。この行動が、彼女の人生を永遠に変える引き金となりました。

【感想】 全ての始まりとなった第1話は、現代社会に生きる多くの人が抱えるであろう、承認欲求や現実からの逃避願望を見事に描き出していました。誰にでも起こりうる日常の不満が、SNSというツールと結びつくことで、人生を大きく狂わせていく。その最初のステップが生々しく、共感と同時に恐怖を感じさせます。この時点ではまだ、彼女がこれほど過激な道を突き進むことになるとは、誰も想像できませんでした。
2話ネタバレはこちら
ひき逃げ事件の動画で一躍時の人となったタパ子でしたが、その熱狂は長くは続かず、フォロワー数の伸び悩みという新たな壁に直面します。一度味わった「バズ」の快感が忘れられない彼女は、次なる刺激を求めて視聴者に企画を相談し、「悪事を暴く」という告発系配信者としての活動方針を固めました。早速、SNSで情報提供を呼びかけますが、寄せられるのは個人的な恨みつらみばかり。そんな中、ついに「盗撮犯」に関する有力なタレコミが舞い込み、彼女は自ら現場へ赴き、執念で犯人を特定。その突撃の様子を撮影・投稿し、再び世間の注目を集めることに成功します。

【感想】 このエピソードでは、「バズ」が麻薬的な中毒性を持つことが巧みに描かれています。一度目の成功体験に味を占め、早くも次の刺激を求めてしまうタパ子の姿は、現代の多くの配信者の姿と重なる部分があるかもしれません。偶然の産物だった最初のバズから、自らの意志でスキャンダルを追い求める告発者へと変貌を遂げたことで、物語は一気に危険な領域へと足を踏み入れました。
3話ネタバレはこちら
盗撮犯を告発したタパ子の前に、以前のひき逃げ事件で逮捕されたアナウンサーの娘・麻子が現れます。彼女は父の罪を認めつつも、家族への誹謗中傷に苦しんでいると涙ながらに訴えました。自分がその元凶であると知られたらどうなるか、タパ子は内心パニックに陥ります。心配した渡辺の助言もあり、タパ子は麻子との関係を断つためにアルバイトを辞めることを決意し、正体を隠すための準備を開始。しかし、そのバイトの最終日、新人として現れたのは、なんとタパ子に心酔し、ファンになったという麻子本人でした。

【感想】 自分の行いが、意図せぬ形で現実世界に影響を及ぼし、目の前の人間を苦しめている。そんな状況に直面したタパ子の焦りがひしひしと伝わってきました。物語の都合の良い展開ではなく、むしろ皮肉な形で因果応報が描かれるのが本作の魅力です。ファンだと慕ってくる麻子の純粋さが、タパ子の罪悪感をより一層際立たせる、非常に巧みな構成だと感じました。
4話ネタバレはこちら
麻子に正体を隠したまま、彼女が持つ芸能界の人脈を利用しようと画策するタパ子。祝杯をあげる中で、渡辺に自らのDV被害の過去を打ち明け、「インターネットのダークヒーローになる」と宣言します。そんな矢先、アナウンサーの不倫を告発する衝撃的な動画がDMで送られてきました。渡辺は、麻子の気持ちを考えろと必死に止めますが、タパ子は「ニュースなんてただの生活音」「Win-Winじゃん」と冷徹に言い放ち、動画を投稿。その結果、フォロワーは急増しますが、麻子は心を病み、タパ子のもとには殺害予告まで届きます。そして物語の最後に、その動画がAIによる巧妙なフェイクだったことが発覚するのでした。

【感想】 この回で、タパ子の倫理観は完全に崩壊したと言えるでしょう。「ニュースは一過性の刺激でしかない」という彼女の持論は、情報が高速で消費される現代社会の真理を突いており、恐ろしくも説得力がありました。正義を掲げながらも、その実、友人の心を平気で踏みにじる彼女の姿は、承認欲求の怪物そのもの。そして、真実を追求するはずの告発者が、嘘の情報に踊らされるという結末は、最高の皮肉でした。
5話ネタバレはこちら
自分が拡散したフェイク動画騒動が沈静化し、最悪の事態を免れたタパ子。しかし、何も知らない麻子は、タパ子の前で動画を投稿した配信者への怒りを露わにします。罪悪感を抱くどころか、タパ子は麻子から新たに紹介された芸能人御用達のBARでの誕生日会に、次なるネタへの期待を膨らませていました。そのパーティーで、ついに本物の人気俳優・楠木速斗と遭遇。彼こそが求めていた「大物」だと確信したタパ子は、彼が別のタレントと個室でキスをする決定的瞬間を盗撮することに成功します。

【感想】 失敗から何も学ばず、さらに危険な賭けに出るタパ子の姿に、SNS依存の恐ろしさを改めて感じました。心配してくれる渡辺の言葉も、もはや彼女の耳には届きません。自分を信じてくれる麻子の善意を、ただのステップとしか考えない非情さ。彼女がスクープを手に入れた瞬間の恍惚とした表情は、もはや人としての温かみを失い、バズという獲物だけを狙う狩人のようでした。
6話ネタバレはこちら
タパ子は撮ったばかりのキス写真を渡辺に見せびらかしますが、彼は「盗撮」という犯罪だと一喝し、投稿を阻止します。しかし、タパ子はパーティーで大麻が使用されていた疑惑を思い出し、そちらをネタに動画を投稿して再び大きなバズを獲得しました。その成功の裏で、渡辺からの真剣な告白を寝ていて聞き逃してしまいます。人気配信者として順風満帆に見えましたが、些細なフォロワー数の減少に追い詰められ、ついに「ネタが無いなら自分で作ればいい」という危険な思想に至るのでした。

【感想】 「ネタが無いなら自分で作ればいい」という一言は、タパ子がただの告発者から、事件を創り出す扇動者へと変貌を遂げた、本作の大きな転換点です。そして、そんな彼女の狂気と対比されるように描かれる渡辺の純粋な愛情が、あまりにも切なかったです。彼の告白が届かないシーンは、二人の進む道がもう交わることはないのかもしれない、と予感させる悲しい場面でした。
7話ネタバレはこちら
タパ子を情報流出の犯人だと疑っていた楠木は、彼女の正体を暴くための罠を仕掛けます。しかし、その楠木自身も年齢を詐称し、人気の凋落に怯えるという人間的な弱さを抱えていました。楠木との会食に、タパ子はBARのオーナーを同席させることで危機を回避。さらに、オーナーの機転の利いた弁護により、楠木は「タパ子は自分の熱烈なファンだ」と誤解し、彼女への疑いを解いてしまいます。絶体絶命のピンチを切り抜けたタパ子は、不敵な笑みを浮かべ、次なる反撃の一手を画策するのでした。

【感想】 タパ子と楠木の息詰まる心理戦が非常に面白い回でした。敵役だった楠木の意外な過去や弱さが描かれたことで、キャラクターに深みが増し、物語が一層魅力的になりました。そして、絶体絶命の状況を協力者の力で切り抜けるタパ子のしたたかさ。彼女はもはや、ただ運が良いだけの素人ではありません。目的のためなら嘘も演技も厭わない、本物のプレイヤーへと変貌を遂げていました。
8話ネタバレはこちら
タパ子は楠木の自宅マンションに潜入し、彼が29歳であることを証明するパスポートの撮影に成功します。しかし、その場で楠木に気づかれ、二人は非常階段で激しい追いかけっこを繰り広げることになりました。追い詰められた楠木は、若さが絶対的な価値を持つ芸能界での苦悩を絶叫。その魂の叫びに、同じく嘘で自分を固めてきたタパ子は奇妙な共感を覚えます。二人は敵対関係を超えて和解し、楠木はタパ子に年齢詐称のネタを提供。タパ子は、その動画でチャンネル登録者数50万人を目前にする大成功を収めました。

【感想】 非常階段での二人の対峙シーンは、本作屈指の名場面だと思います。単なる暴露合戦ではなく、「嘘をつき続けることの苦しみ」を共有する二人の魂のぶつかり合いでした。敵同士だった二人が互いの弱さを認め合い、奇妙な共犯関係になる展開は、予測不能で非常に引き込まれました。タパ子が手に入れたのは、単なるバズネタではなく、自分と同じ痛みを持つ仲間だったのかもしれません。
9話ネタバレはこちら
楠木との一件から3ヶ月後、タパ子は人気配信者として成功を収め、新しいマンションに引っ越していました。そのお祝いに訪れた渡辺とのディナーで、彼が裕福な家庭の出身であることが判明します。恵まれた彼と、虐げられてきた自分。過去を比較する中で、タパ子は自らの力で成功するという決意を新たにしました。その帰り道、渡辺はついにタパ子に真剣な愛を告白。しかし、彼女は過去のトラウマから「他人に人生を委ねる」ことを恐れ、彼の告白を断ってしまいます。

【感想】 渡辺の告白とタパ子の拒絶は、本当に胸が締め付けられる展開でした。ようやく訪れた幸せのチャンスを、自ら手放してしまったタパ子。彼女の決断は、過去のDV夫から受けた心の傷がいかに深いかを物語っています。「誰かに幸せにしてもらう」のではなく、「自分の力で幸せを掴む」ことを選んだ彼女の生き様は、歪んでいながらも、一つの強さの形なのかもしれません。
10話ネタバレはこちら
渡辺と別れたタパ子の元に、「200%バズります」という謎のタレコミが届きます。指示通り渋谷のスクランブル交差点へ向かった彼女は、通り魔に刺されるという悲劇に見舞われました。しかし、彼女はその惨状すらもバズのチャンスと捉え、自ら顔を晒してチャンネル登録を呼びかけます。この事件で登録者数は100万人を突破。しかし、人気が落ち着き始めると、彼女は新たなネタを求めて「ゴミ屋敷」の無断清掃配信を行いますが、その家の関係者として現れた渡辺に住居侵入の現行犯で逮捕されてしまいました。

【感想】 自らが刺されるという最大の悲劇を、最大のバズに変えるタパ子の狂気には、もはや言葉もありません。彼女の行動原理は、もはや常人には理解できない領域に達しています。そして、唯一の理解者だったはずの渡辺に逮捕されるという皮肉な結末。天国と地獄を行き来する彼女の人生は、一体どこへ向かうのか。息をのむ展開の連続でした。
11話ネタバレはこちら
釈放されたタパ子の前に、殺人犯にまでなっていたDV夫が現れます。恐怖から東京を捨てて逃げようとした彼女ですが、新幹線の駅で偶然にも楠木と再会。「逃げるよりぶちのめす方が似合う」という楠木の言葉に奮起したタパ子は、逃亡をやめて元夫への反撃を決意しました。彼女は元夫を追跡する様子をライブ配信し、新たなバズを生み出そうとしますが、無謀なカーチェイスの末に、乗っていたタクシーは交通事故を起こしてしまいます。

【感想】 絶望の淵に立たされたタパ子を救ったのが、敵であったはずの楠木だったという展開が非常に熱かったです。彼の言葉は、タパ子自身が忘れかけていた「戦う」という彼女の本質を思い出させてくれました。そして、ただ逃げるのではなく、自らの手で過去と決着をつけ、その様すらコンテンツに変えようとする彼女の覚悟。最後の交通事故というクリフハンガーも含め、物語がクライマックスに向けて一気に加速していくのを感じました。
12話ネタバレはこちら
交通事故から奇跡的に生還したタパ子は、心配して駆けつけた渡辺と合流します。彼女の固い決意を知った渡辺は、自らのバイクで元夫の追跡を手伝うことを決意。追い詰められた元夫はビルに逃げ込みますが、タパ子は警察用バイクでビルのガラスを突き破って突入し、直接対決に挑みます。最後は、ライブ配信の「弾が切れている」という匿名のコメントを信じ、自撮り棒で元夫を打ち倒し、見事勝利を収めました。

【感想】 まさにアクション映画さながらの、本作最大の見せ場でした。渡辺が「助ける」のではなく、タパ子の意志を尊重して「共犯者」になることを選んだシーンには胸が熱くなります。そして、匿名のコメントを信じて命を懸けるという、あまりにも無謀で、あまりにもタパ子らしい決着の付け方。インターネットの力を借りて、現実の暴力を打ち破ったこの瞬間は、最高のカタルシスでした。
13話(最終話)ネタバレはこちら
元夫との激闘から時が経ち、タパ子のチャンネルは勢いを失い、アンチから罵倒される日々を送っていました。そんな彼女の前に渡辺が現れ、二人が恋人として順調に関係を育んでいたことが明かされます。「有名じゃなくなっても好きでいてくれる?」という彼女の不安に、渡辺は「当たり前じゃん」と答え、無条件の愛を伝えました。彼の愛に救われたタパ子は、「バズは手段」と悟り、「自分が生きたいように生きる」という答えを見つけ、物語はハッピーエンドを迎えます。

【感想】 全ての過激な出来事の果てに待っていた、あまりにも優しく、心温まる結末に深く感動しました。承認欲求の怪物と化していたタパ子が、最終的に一人の人間としての幸せを掴むことができて本当に良かったです。彼女を最後まで信じ、その全てを受け入れた渡辺の存在こそが、この物語の真の救いだったのだと感じます。刺激的ながらも、最後には「本当の幸せとは何か」を問いかけてくる、素晴らしい作品でした。


