漫画【初恋芸人】1話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

漫画【初恋芸人】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

物語は、純白のウェディングドレスに身を包んだ美しい女性の姿から始まります 。しかし、これは物語の導入であり、本編はまったく違う場所から動き出します。

売れない芸人の憂鬱な朝

物語の主人公は、散らかり放題の部屋で眠る一人の青年、佐藤賢治です 。彼は25歳の売れない芸人で、その生活は決して華やかなものではありません 。鳴り響くスマホの着信音で目を覚ました彼の日常は、どこか物悲しく、夢を追いかける厳しさを感じさせます

電話の相手は、先輩芸人の「山形ツチノコ」でした 。急遽、来週の水曜に開催するライブへの出演を依頼されます 。この突然の誘いは、うだつの上がらない毎日を送る佐藤にとって、一筋の光のように感じられたのかもしれません。彼は「喜んでやらせていただきます!」と二つ返事で出演を快諾します 。この一言から、彼がどれだけお笑いの舞台に飢えているかが伝わってきます。

ライブ本番と先輩の優しさ

ライブ当日、会場で佐藤を迎えたのは、主催者である山形ツチノコその人でした 。彼は「相変わらず腰が低いな」と佐藤をからかいつつも、「オレは佐藤くんの芸を認めてるからさ」と温かい言葉をかけます

この何気ない一言が、自信を失いかけていた佐藤の心に深く染み渡ります。「ツチノコさんは優しいなぁ」と、彼は先輩の人間性に心を打たれるのです 。佐藤は特撮ヒーローであるウルトラマンエースの「優しさだけは忘れちゃいけない」という言葉を胸に刻んでおり、先輩の姿にヒーローの面影を重ねていたのかもしれません

渾身のネタと客席の反応

いよいよ佐藤の出番です。彼は「怪獣マニア芸人」として、大好きな特撮作品の「ここはヘンだなって思ったこと」をフリップで紹介するネタを披露します

この日のテーマは、多くの人が知る「バルタン星人」 。佐藤は、バルタン星人がたった一枚のフリスビーで地球を征服しようとした、壮大かつどこか滑稽な計画を熱く語ります 。しかし、彼の熱量とは裏腹に、客席の反応はまばら。「クスクス」という小さな笑い声が漏れるだけで、会場が爆笑の渦に包まれることはありませんでした

ネタを終えた佐藤は、「今日もウケなかった…」と舞台袖で静かに落ち込みます 。夢と現実のギャップに、彼の心はすり減っていく一方でした。

運命の出会い、そして初めての言葉

ライブが終わり、失意の底にいた佐藤に、一人の女性が声をかけます 。それが、この物語のヒロイン「市川理沙」でした。彼女はライブの観客で、少し恥ずかしそうにしながらも、真っ直ぐな瞳で佐藤を見つめていました

そして、彼女の口から放たれたのは、佐藤がずっと聞きたかったであろう、魔法のような言葉でした。

「最高に面白かったです…!」

誰にも認められないと思っていた自分の芸を、心の底から褒めてくれた市川さん。この予期せぬ一言に、佐藤は言葉を失い、ただただ驚きの表情を浮かべることしかできませんでした 。それは、彼のモノクロだった世界に、鮮やかな色が灯った瞬間だったのです。

打ち上げでの再会と芽生えた感情

先輩の計らいで、市川さんも交えての打ち上げが始まります 。そこで佐藤は、彼女の名前が「市川理沙」であることを知るのでした 。それは、彼にとって「僕に向かって初めて笑いかけてくれた、女性の名前」として、深く心に刻まれます

打ち上げの席で、二人はお互いにお酒が飲めないという共通点を見つけ、少しだけ距離を縮めます 。市川さんから話しかけられ、緊張で何も面白いことが言えない自分にもどかしさを感じる佐藤の姿は、恋の始まりを予感させます

しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。帰り道、市川さんの後ろ姿を見送りながら、佐藤は「もう会うことはないのかな…」と寂しさを募らせるのでした 。連絡先を聞く勇気も出ないまま、運命の出会いは一夜限りで終わってしまうかに思われました

繋がる想いと新たな一歩

物語のラストシーン。場面は変わり、市川さんの部屋が映し出されます。彼女はパソコンを開き、佐藤賢治のSNSアカウントを検索していました 。そして、新規メール作成画面を開き、宛先に佐藤のアドレスを、件名に「市川理沙です」と打ち込むのです

佐藤が諦めかけていた未来への扉を、市川さん自らが開けようとしていたところで、第1話は幕を閉じます。すれ違ったかに見えた二人の運命が、再び交差しようとするこの終わり方は、読者に大きな期待を抱かせるものでした。

漫画【初恋芸人】1話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話を読んで、まず心を鷲掴みにされたのは、主人公・佐藤賢治の人間臭さです。売れない芸人としての焦りや自己肯定感の低さ、散らかった部屋に象徴される彼の日常は、決して特別なものではなく、多くの人がどこかで共感できる部分ではないでしょうか。

そんな彼が、自分の好きな「特撮」を武器に、不器用ながらも必死に舞台に立つ姿には、思わず「頑張れ!」と声をかけたくなります。客席が静まり返る中、一人で熱弁するシーンは読んでいて胸が苦しくなりましたが 、それだけに、市川さんの「最高に面白かったです…!」という一言が、とてつもない破壊力を持って心に響きました

あの瞬間、きっと佐藤くんの世界は変わったのだと思います。誰か一人でも、自分の全てを肯定して笑ってくれる人がいる。その事実が、どれほどの救いになることか。市川さんという存在は、彼にとってまさに女神であり、ヒーローだったのでしょう。

恋愛に奥手で、連絡先すら聞けない佐藤くんのもどかしさも、非常にリアルで好感が持てます 。だからこそ、最後の市川さんの行動には「よくやった!」とガッツポーズしてしまいました 。これから始まる二人の関係が、どのように進んでいくのか。笑いと、少しの切なさと、たくさんの優しさが詰まったこの物語の続きが、今から楽しみでなりません。

1話のネタバレまとめ

  • 売れない怪獣マニア芸人の佐藤賢治は、先輩芸人・山形ツチノコのライブに出演する 。
  • 渾身のネタを披露するも客席の反応は薄く、佐藤は落ち込んでしまう 。
  • ライブ後、観客の女性・市川理沙から「最高に面白かったです」と声をかけられ、心を動かされる 。
  • 打ち上げで市川さんと再会するも、連絡先を聞けないまま別れてしまう 。
  • 市川さんが佐藤にメールを送ろうとしている場面で物語は終わる

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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