漫画【初恋芸人】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 売れない芸人の佐藤賢治は、出演したライブで観客の市川理沙と出会う。
  • 自分のネタを「最高に面白かった」と褒めてくれた市川さんに心を奪われる。
  • 連絡先を聞けずに別れてしまうが、佐藤の元に市川さんから一通のメールが届くところで物語は終わった。

漫画【初恋芸人】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

第1話のラストで届いた、ヒロイン・市川さんからのメール。この一通が、主人公・佐藤賢治の日常を大きく揺るがすことになります。

予期せぬメールとこぼれたラーメン

ライブの翌日、佐藤は自宅でカップラーメンをすすりながら、スマートフォンを眺めていました 。先輩芸人である山形ツチノコからの労いのメッセージに「こちらこそよろしくお願いします」と律儀に返信し、新たな仕事の依頼が来ていないかとメールの受信トレイを開きます

すると、そこに信じられない文字が目に飛び込んできました。

件名「市川理沙です

あまりの衝撃に、佐藤は「どえええええ!?」と素っ頓狂な声を上げ、手にしていたカップラーメンを盛大にひっくり返してしまいます 。彼の日常が、この瞬間から非日常へと変わっていくことを象徴するような、コミカルながらも劇的なシーンです。

心に響く応援のメッセージ

こぼれたラーメンを片付けながらも、佐藤の動揺は収まりません 。彼は「何かの見間違い…」と自分に言い聞かせ、震える指でメールを開封します

そこに綴られていたのは、彼の心を救い上げるような、温かい言葉の数々でした。

『ここだけの話ですけど』『ライブ、佐藤さんのネタが一番面白かったです』

さらに、追い打ちをかけるように「『また佐藤さんのネタを観てみたいです』『これからも応援していますね!』」という、ファンからのこれ以上ない応援メッセージが続きます 。自分の芸を、存在そのものを肯定してくれる言葉のシャワーに、佐藤の感情は爆発。彼は涙を流しながら「ウッキャーーッッ!!」と叫び、喜びを全身で表現するのでした 。

戸惑いながらの返信、そして沈黙

天にも昇る気持ちの佐藤でしたが、次に彼を襲ったのは「返信をどうするか」という大きな問題でした。感謝の気持ちを伝えたいものの、気持ちが空回りしてしまい、何度も文章を書き直します

「楽しんでいただけたのなら幸いです」という一文を考えた際には、「幸い」と「災害」の響きが似ているため、「『貴女に会えて災害でした』なんて言ったら殴られてしまいます」と、芸人ならではの独特すぎる心配まで始めてしまいます

考えに考え抜いたメールをようやく送信したものの、待てど暮らせど市川さんからの返信はありません 。時間の経過と共に、あれだけ高揚していた佐藤の心は、「…返事 来ないなぁ…やっぱり こんなもんか…」と、再び沈んでいくのでした 。

デートの誘いと後輩芸人への相談

佐藤がすっかり諦めかけたその時、彼のスマートフォンが通知を知らせます 。画面には「市川理沙」の名前が 。恐る恐るメールを開くと、そこには食事の誘い、つまりデートのお誘いが書かれていたのです。

25年間彼女なしの彼にとって、これはあまりにも衝撃的な出来事でした 。パニックになった佐藤は、後輩芸人の須藤に助けを求めます。しかし、同じく恋愛経験が豊富とは言えない須藤からは、「宗教とか新手の勧誘じゃないですか?」と、全く参考にならない、むしろ不安を煽るだけのアドバイスが返ってくるのでした 。

人生初のデート、高鳴る鼓動

後輩からの余計な助言に不安を抱えつつも、佐藤は勇気を出して市川さんとの約束の場所へ向かいます。そして、待ち合わせ場所に現れた市川さんの姿に、彼は心を完全に射抜かれてしまいます。

かわいすぎるっっ!!!

彼の心の叫びがすべてを物語っています。これは紛れもなく「人生初めてのデート」 。佐藤の鼓動は、経験したことのないほど高まっていくのでした 。

募る疑念と遠慮の壁

二人が食事に訪れたのはファミレスでした 。市川さんが「こちらから誘ったんですから」「ご馳走するのは当然のことですよ!」と優しく微笑むも、佐藤の頭の中は後輩・須藤の言葉でいっぱいです

彼は意を決して、「何かのセールスにならないですよね?」と、とんでもなく失礼な質問を投げかけてしまいます 。突然の問いに市川さんはきょとんとしていましたが、あまりにも遠慮し続ける佐藤の様子を見て、くすりと笑いながらこう指摘しました。

…佐藤さんって、すごく遠慮するタイプなんですね。

意外な共通点と衝撃の告白

佐藤の極度な遠慮に対し、市川さんは意外な言葉を続けます。

そういうところ、私と似てます。」 。この一言で、二人の間にあった見えない壁が少しだけ取り払われたように見えました。

しかし、話は予想外の方向へと進みます。彼女は、ふと寂しげな表情を浮かべ、衝撃的な事実を打ち明けたのです。

友達がいないんです。

そして、まっすぐに佐藤の目を見て、彼女は尋ねました。「デート」を期待していた佐藤にとって、あまりにも予想外の言葉を。

佐藤さん、私と友達になってくれませんか?

この問いかけが意味するものとは何なのか。読者の想像を掻き立てる形で、第2話は幕を閉じます。

漫画【初恋芸人】2話を読んだ感想(ネタバレあり)

前半、市川さんからのメールに一喜一憂する佐藤くんの姿が、本当に愛おしくてたまりませんでした。たった一通のメールで床を転げ回るほど喜び、返信が来ないだけで世界の終わりのように落ち込む。その純粋すぎる反応に、読んでいるこちらも思わず笑顔になってしまいます。

そして、人生初のデートでの挙動不審っぷりには、共感しかありません。後輩の余計な一言に振り回されて、ありえない質問をしてしまうあたり、彼の人の良さと恋愛経験の乏しさがにじみ出ていて、とても微笑ましかったです。

しかし、物語は単なる甘いラブコメでは終わりませんでした。ラストの市川さんの「友達になってくれませんか?」というセリフには、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。あれだけ可愛い人が「友達がいない」という告白をする。彼女もまた、見た目とは裏腹に、何か心に抱えるものがあるのかもしれない、と感じさせます。

これは、単に男女が恋に落ちる物語ではないのかもしれません。自信がなく、人付き合いが苦手な二人が、お互いの孤独を埋め合いながら、ゆっくりと関係を築いていく。そんな、より深く、優しい物語の始まりを予感させる素晴らしい引きでした。二人の関係が「友達」からどう変化していくのか、目が離せません。

漫画【初恋芸人】2話のネタバレまとめ

  • 佐藤は市川さんからのメールに歓喜し、悩み抜いた末に返信する。
  • 一度は返信がなく落ち込むが、市川さんからデートに誘われる。
  • 人生初のデートに臨むも、後輩の言葉から市川さんを疑い、過剰に遠慮してしまう。
  • 市川さんはそんな佐藤に「私と似てます」と告げ、自分には友達がいないことを打ち明ける。
  • 最後に、市川さんは佐藤に「私と友達になってくれませんか?」と問いかける。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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