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【夜勤事件】ネタバレ考察|エンディング分岐や伏線を完全解説

ずっちー

「夜勤事件」の結末が気になって検索されたのではないでしょうか。インディーズゲーム制作チームChilla’s Art(チラズアート)が手掛けたこの人気ホラーゲームは、深夜のコンビニバイトという極めて日常的な舞台設定の中に、じわじわと忍び寄る非日常的な恐怖を巧みに織り交ぜることで、多くのプレイヤーを魅了し続けています。

特に、リアルなグラフィックと環境音が織りなす没入感は高く、数多くのゲーム実況者によってプレイされたことで爆発的な知名度を獲得しました。

しかし、そのストーリーは一本道ではなく、不可解な怪奇現象や意味深な登場人物、そして散りばめられた多くの謎によって構成されており、全てのエンディング分岐や伏線、物語の真の結末を一度のプレイで完全に理解するのは非常に難しいかもしれません。

この記事では、夜勤事件の物語の導入から結末に至るまでの詳しいあらすじ、プレイヤーの選択によって大きく変化するマルチエンディングの全容、そしてクリア後もプレイヤーたちの間で議論が交わされる謎や伏線について、ネタバレを交えながら徹底的に解説していきます。断片的な情報を整理し、物語の全体像を深く理解するための一助となれば幸いです。

この記事で分かること
  • 物語の詳しいあらすじと怪奇現象の内容
  • 主要な登場人物たちの知られざる結末
  • 3種類あるエンディングへの具体的な分岐条件
  • ゲームクリア後の考察や伏線に関する情報

【夜勤事件】ネタバレ|物語のあらすじと登場人物

  • 主人公を襲う怪奇現象の数々
  • 物語の鍵を握るビデオテープの存在
  • 主要な登場人物とその顛末
  • 先輩の舟橋卓矢はどこへ消えたのか
  • 物置小屋で発見されるマネージャー

主人公を襲う怪奇現象の数々

本作の物語は、ごく普通の女子大生である主人公「田鶴結貴乃」が、生活費か学費のためか、時給1300円という深夜帯ならではの高額な給料に惹かれ、とあるコンビニで夜勤のアルバイトを始めるところから静かに幕を開けます。彼女に与えられた仕事は、商品の品出し、賞味期限のチェック、レジでの接客対応、そしてゴミ捨てといった、誰もが想像するごく一般的なコンビニ業務です。しかし、そのありふれた日常は、勤務を重ねるにつれて少しずつ、しかし確実に歪み始め、彼女の身の回りでは次々と科学では説明のつかない不可解な現象が頻発するようになります。

最初のうちは、客の気配がないにもかかわらず自動ドアが執拗に開閉を繰り返したり、誰もいない店内に突然おびただしい数のお札が散乱したりといった、どこか不気味ではあるものの、まだ現実感の範疇とも言える現象が中心です。ところが、勤務が2日、3日と続くうちに、その異常性は加速度的に増していきます。深夜の静寂を破るように防犯カメラに謎の人影が映り込み、生気のない子供が店の前をうろつき始め、怪奇現象は次第に主人公の精神を蝕んでいきます。

そして運命の3日目の勤務日、主人公はいつものように出勤しますが、カウンターから一歩足を踏み出すと、そこには見慣れたコンビニの光景はありませんでした。店内は荒れ果て、まるで異世界にでも迷い込んだかのような禍々しい雰囲気に包まれていたのです。この段階から、プレイヤーをじわじわと追い詰める雰囲気重視の恐怖演出は、より直接的でショッキングなものへと変貌し、逃げ場のない深夜のコンビニという閉鎖空間で、プレイヤーに強烈な緊張感と恐怖を与えることになります。

物語の鍵を握るビデオテープの存在

「夜勤事件」のストーリーを語る上で絶対に欠かすことができないのが、物語全体の核心を貫く謎の「ビデオテープ」の存在です。全ての始まりは、勤務初日のことでした。主人公は、黒い猫のマークが特徴的な配送業者から、自分宛にコンビニへ届けられた一つの荷物を受け取ります。訝しみながらも荷物を開封した彼女が目にしたものこそ、全ての元凶であり、呪いの連鎖を象徴する1本目のビデオテープなのです。

その日の勤務を終え、自宅に戻った主人公は、好奇心か、あるいは何かに導かれるように、自宅のビデオデッキでそのテープを再生します。すると、VHS特有のノイズが走る画面に、形容しがたい不気味な映像が映し出されました。この呪われたテープを再生してしまったことを皮切りに、主人公はコンビニでの勤務を続ける中で、まるで定められていたかのように次々と新たなビデオテープを入手していくことになります。

これらのビデオテープは、単なるプレイヤーを驚かせるための恐怖演出の小道具ではありません。物語の深層に隠された忌まわしい過去や、コンビニに巣食う怨念の正体に迫るための、極めて重要なアイテムとして機能します。特に、物語の終盤で手に入れることになる4本目のビデオテープの扱い方は、主人公の運命、ひいては物語の結末そのものを大きく左右する最後の鍵を握っています。プレイヤーは、この呪われたテープとどう向き合うのか、自身の生死を賭けた重大な選択を迫られることになるのです。

主要な登場人物とその顛末

「夜勤事件」には、登場人物の数は少ないながらも、それぞれが強烈な個性を放ち、物語に不気味な彩りと深みを与えています。

田鶴結貴乃(たづる ゆきの)

本作の主人公であり、プレイヤーの分身となる女子大生。高い時給という現実的な理由で夜勤バイトを始めますが、それがきっかけで想像を絶する恐怖体験に巻き込まれてしまいます。彼女が物語の岐路で下す行動選択が、そのまま物語の結末へと直結します。バッドエンドでは呪いの犠牲となり霊に襲われ、グッドエンドでは自らが呪いのビデオテープを次の誰かに送りつけることで連鎖を継続させ、バイトを辞めて辛くも日常へと生還します。

舟橋卓矢(ふなはし たくや)

主人公のバイトの先輩にあたる男性。少し空気が読めず、軽薄とも取れる言動が目立ちますが、主人公に仕事の引継ぎを行う重要な役割を担います。しかし、物語が進行すると4日目の勤務から忽然と姿を現さなくなり、その後の消息は一切不明となります。

鶴川俊朗(つるかわ としろう)

主人公が働くコンビニのマネージャー。作中で一度も生きた姿を見せることはなく、いつもバックヤードのノートに業務指示を書き残すだけの謎めいた存在です。物語の中盤、店舗裏にひっそりと佇む物置小屋の中で、無残な死体となって主人公に発見されます。

この他にも、何かを知っているかのような意味深な言葉を呟くホームレスの男性や、主人公の身を案じてお守りを手渡してくれる謎の黒服の女性、そして「娘の家を返せ」と叫ぶ不気味な老婆など、様々な人物が主人公と僅かな時間だけ関わり、物語の不穏な雰囲気を一層高めています。

先輩の舟橋卓矢はどこへ消えたのか

物語の序盤、主人公と勤務を交代する形で登場し、チュートリアル的な役割も担っていた先輩の舟橋卓矢。親しげに話しかけてくる彼の存在は、不気味なコンビニの中での数少ない人間的な要素でした。しかし、彼は4日目の勤務から何の予告もなく、一切登場しなくなります。作中では、彼がなぜ来なくなったのか、どこへ消えてしまったのかについて、明確な説明は一切行われません。

マネージャーのように遺体で発見されるわけでもなく、ただ忽然と物語からフェードアウトしてしまうため、彼の安否は完全にプレイヤーの想像に委ねられています。主人公と同様に怪奇現象に巻き込まれて命を落としてしまったのか、それともこのコンビニに潜む尋常ならざる危険をいち早く察知して自らの意志で逃げ出したのか、プレイヤーの間では様々な憶測が飛び交っています。

この多くを語らない、いわゆる「不在の恐怖」を煽る演出が、プレイヤーの不安と恐怖を一層効果的に掻き立てる要素の一つとして機能しています。舟橋の不可解な失踪は、主人公が完全に孤独無援の状態に陥ったことを意味し、このコンビニに渦巻く闇の深さを静かに、しかし雄弁に物語っているのかもしれません。

物置小屋で発見されるマネージャー

勤務3日目、主人公は店内で拾った鍵を使い、これまで固く閉ざされていた店舗裏の物置小屋の扉を開けることができるようになります。しかし、ドアノブに手をかけた際、彼女は「何かが私を止めようとしているみたい」と、超自然的な力によって侵入を阻まれているかのような感覚を覚えます。それでも意を決して中へ入った彼女が発見したのは、言葉を失うほどに衝撃的な光景でした。そこに横たわっていたのは、無残な姿で息絶えているマネージャー、鶴川俊朗の遺体だったのです。

いつもバックヤードのノートに几帳面な文字で指示を残すだけで、一度も姿を見せなかったマネージャーのあまりにも悲惨な結末は、このコンビニで起きている怪奇現象が、単なる気のせいや心霊現象などという生易しいものではなく、現実に人の命を奪う危険な呪いであることをプレイヤーに強く、そして残酷に印象付けます。

彼の直接的な死因は作中で詳しく語られることはありませんが、状況から察するに、彼もまた主人公と同様に呪いのビデオテープに関わり、その犠牲者となってしまった可能性が極めて高いと考えられます。このマネージャーの死体発見という出来事を境に、物語はエンディングに向けて取り返しのつかない坂道を転がり落ちるように加速していくことになります。

【夜勤事件】ネタバレ|全エンディングの分岐と結末

  • 3種類のエンディングへの分岐条件
  • ビデオを「見る」「捨てる」の結末
  • ビデオを「送る」場合の結末
  • ゲーム内に散りばめられた謎や伏線
  • 2026年公開予定の実写映画化情報

3種類のエンディングへの分岐条件

「夜勤事件」のエンディングは、物語の最終盤、全ての怪奇現象を乗り越えた主人公が入手する4本目のビデオテープを、帰宅後にどう扱うかによって最終的に決定されます。自宅のアパートに戻った主人公、そしてプレイヤーの前には、運命を左右する3つの選択肢が提示されることになります。

  1. ビデオデッキに入れて、その呪われた内容を最後まで「見る」
  2. 机の上に置かれた段ボール箱にテープを入れ、次の誰かに「送る」
  3. 呪いとの関わりを断ち切るように、部屋のゴミ箱にテープを「捨てる」

これら3つの行動の一つ一つが、それぞれ全く異なる結末へと物語を導いていきます。ただし、前述の通り、物語の結末は大きく分けて2つのパターンに大別されます。この選択は、単なるゲームの攻略手順ではなく、極限状態に置かれたプレイヤー自身の倫理観や恐怖への向き合い方を試す、最後の問いかけとも言えるでしょう。

選択肢結末の概要エンディングの種類
ビデオを「見る」就寝中に謎の霊に襲われる。最後のビデオの内容が再生される。バッドエンド
ビデオを「捨てる」就寝中に謎の霊に襲われる。ビデオの内容は再生されない。バッドエンド
ビデオを「送る」バイトを辞めて日常に戻る。呪いの連鎖は続く。グッドエンド

ビデオを「見る」「捨てる」の結末

物語の最後に手に入れた4本目のビデオテープを、好奇心から「見る」か、あるいは恐怖から「捨てる」を選択した場合、残念ながら物語は同じ絶望的なバッドエンドへと到達します。

いずれかの選択を終えた後、心身ともに疲弊した主人公は自室のベッドで眠りにつきます。しかし、安息の時間は訪れません。彼女が眠る寝室のドアがゆっくりと開き、そこから長い髪を振り乱した女性のような禍々しい霊が侵入し、主人公に襲いかかったところで画面は暗転し、物語は唐突に終わりを迎えます。これは、主人公が呪いの連鎖から逃れることができず、先に命を落としたマネージャーと同様の悲惨な運命を辿ってしまったことを強く示唆する、救いのない結末です。

「見る」と「捨てる」という2つの選択肢における唯一の違いは、最後のビデオテープに記録された映像がプレイヤーに開示されるかどうかという点に尽きます。「見る」を選んだ場合は、主人公が霊に襲われる直前に問題の映像が挿入されますが、「捨てる」を選んだ場合はそのシーンがカットされ、直接エンディングとなります。最終的な結末自体に何ら変化はないため、これら2つは実質的に同じバッドエンディングとして扱われています。呪いに対して積極的に関わろうとすること(見る)も、見て見ぬふりをすること(捨てる)も、どちらも死への道であったということです。

ビデオを「送る」場合の結末

数ある選択肢の中で、唯一、主人公が物理的に生還できるルートが、ビデオテープを段ボール箱に詰め、見知らぬ誰かに「送る」という選択です。この行為は、自らが助かるために、呪いを次のターゲットに意図的に引き継がせることを意味します。

この非情とも言える行動を選択すると、主人公は呪いのビデオテープを郵便でどこかへ送り、新たな犠牲者を生み出すことで呪いの連鎖を継続させます。その後、彼女は何事もなかったかのように忌まわしいコンビニのアルバイトを辞め、平穏な日常を取り戻したかのような穏やかな描写で物語は幕を閉じます。

これは一般的にグッドエンドとされていますが、その内実は非常に複雑です。見方を変えれば、主人公は自己保身のために、呪いの連鎖を断ち切るのではなく、悪意をもって加担したとも解釈できます。助かった彼女の心に罪悪感や恐怖が残り続ける可能性も否定できません。明確なハッピーエンドではない後味の悪さを残すこの結末は、ジャパニーズホラー特有の「終わらない恐怖」を見事に体現しており、プレイヤーに倫理的な問いを投げかける、非常に深く考えさせられるエンディングと言えるでしょう。

ゲーム内に散りばめられた謎や伏線

「夜勤事件」は、一度クリアしただけでは到底解明されない多くの謎や伏線が意図的に散りばめられており、それらの意味を考察するのも、このゲームの大きな楽しみ方の一つです。

コンビニが建つ前の事件

作中で登場する老婆が、主人公に対して「この場所は私の娘のいえじゃ!娘の家を返せ!!」と悲痛に叫ぶ場面があります。これに加えて、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に記載されている情報によると、このコンビニが建っている土地では、2009年9月14日に、会社でのパワーハラスメントによってうつ病を患った一家の父親が、我が子と母を殺害した後に自らも命を絶つという、凄惨な一家心中事件があったことが示唆されています。ゲーム内で発生する一連の怪奇現象は、この事件で無念の死を遂げた家族の霊が、その土地に縛り付けられた結果引き起こされている可能性が極めて高いと考えられます。

「4」という数字

物語の中では、不吉な数字とされる「4」が非常に象徴的に登場します。エンディングを決定づける「4」本目のビデオテープ、先輩が姿を消す勤務「4」日目など、死を強く連想させるこの数字が何を意味するのか、多くのプレイヤーによって様々な考察がなされています。例えば、犠牲となったマネージャーも4本目のビデオを見て死に至ったのではないか、あるいは「ビデオを4回見ると死ぬ」という明確な呪いのルールが存在したのではないか、といった仮説が立てられています。

黒服の女性とお守り

勤務中、主人公の前に現れ、「気をつけて」という忠告と共に謎のお守りを手渡してくれる黒服の女性。彼女の正体や目的は物語の最後まで一切明かされることはありません。彼女自身がこの土地に縁のある霊的な存在で、主人公を助けようとしていたのか、あるいは単なる思わせぶりな演出なのか、真相は謎に包まれています。しかし、このお守りの霊的な効力があったからこそ、主人公は他の犠牲者のように即死することなく、エンディングを選択する機会を与えられたのではないか、と考えることも可能です。

2026年公開予定の実写映画化情報

インディーズゲームとして制作されながら、口コミとゲーム実況の人気によって絶大な知名度を獲得した「夜勤事件」ですが、その影響力はゲーム業界の枠を越えることとなりました。本日、2025年9月12日、多くのファンが待ち望んでいた本作の実写映画化が正式に発表されたのです。このニュースは瞬く間にSNSなどを駆け巡り、大きな話題を呼んでいます。

公開は2026年を予定しており、ゲームで描かれた、日常に静かに、しかし確実に侵食してくる独特の不気味な恐怖が、映画というメディアでどのように再構築され、表現されるのか、多くのファンから大きな期待が寄せられています。キャストや監督といった具体的な制作陣の詳細はまだ明らかにされていませんが、今後の続報が待たれるところです。

ゲームの持つ独特の世界観や、プレイヤーの想像力を掻き立てる行間の恐怖を大切にした作品になることを期待しつつ、この新たな展開を楽しみに待ちたいものです。

【夜勤事件】ネタバレまとめと考察

この記事では、人気ホラーゲーム「夜勤事件」のネタバレ情報について、物語の始まりから終わりまでの詳細なあらすじ、運命を分けるエンディング分岐の条件、そしてクリア後もなおプレイヤーの興味を引きつけてやまない様々な謎や考察まで、深く掘り下げて解説しました。これまで解説してきたように、「夜勤事件」は単にプレイヤーを驚かせるだけのホラーゲームではなく、考察の余地を多く残した奥深い物語を持っています。

最後に、本記事で解説した重要なポイントを以下にまとめます。

  • 夜勤事件はチラズアート制作の短編ホラーゲーム
  • 主人公は高時給のコンビニ夜勤で働く女子大生
  • 勤務中に数々の不可解な怪奇現象に遭遇する
  • 物語の鍵は謎のビデオテープ
  • 先輩の舟橋卓矢は物語の途中で行方不明になる
  • マネージャーの鶴川俊朗は物置小屋で遺体で発見される
  • エンディングは3種類存在する
  • 最終的にビデオテープを「見る」「送る」「捨てる」かで分岐
  • 「見る」と「捨てる」は霊に襲われるバッドエンド
  • 「送る」は呪いの連鎖を続けて生き残るエンディング
  • 実質的なエンディングの種類は2つ
  • コンビニの土地は過去に一家心中事件があった場所
  • 作中には多くの未解決な謎や伏線が残されている
  • 低価格ながら雰囲気重視のジャパニーズホラーとして高評価
  • 2026年には実写映画の公開も予定されている
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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