【できても、できなくても】ネタバレ解説|あらすじと複雑な人間関係

ずっちー

漫画『できても、できなくても』のネタバレ情報を探していませんか。不妊症という重いテーマを軸に、登場人物たちの複雑な人間関係がドロドロと描かれるこの作品は、多くの読者の感想を呼んでいます。

この記事では、物語の序盤から最新話までの詳細なあらすじを紹介し、主人公を取り巻く人々の思惑や今後の結末の予想までを深く掘り下げて解説します。

この記事で分かること
  • 作品の主要な登場人物とその相関図
  • 序盤から描かれる主人公の過酷な運命
  • 複雑に絡み合う恋愛模様の今後の展開
  • 読者の感想からわかる作品の魅力と見どころ

【できても、できなくても】序盤ネタバレと主要人物

  • 主人公・桃生翠が背負う過酷な運命
  • 残酷な現実を招く不妊症と婚約破棄
  • 元カレ・日向井の自分勝手な言動
  • 翠を追い詰める後輩OL・滝沢の嫉妬
  • 翠を支える年下の建築士・月留真央

主人公・桃生翠が背負う過酷な運命

物語の主人公である桃生翠(ものうすい)は、32歳の真面目な女性です。彼女は若くして両親を亡くし、その後は母親代わりとして妹の琳(りん)を大学卒業まで一人で育て上げてきました。自分のことよりも常に家族を優先してきた彼女の人生は、妹を無事に嫁がせたことで、ようやく自分の幸せへと舵を切れるはずでした。

しかし、長年の苦労が報われるかと思われた矢先、彼女の運命は残酷な形で暗転します。翠のキャラクターは、か弱い印象を与えながらも、芯の強さで困難に立ち向かおうとする健気さが特徴です。

言ってしまえば、彼女の献身的な性格や、不幸を呼び込んでしまうかのような境遇が、周囲の男性たちの「守ってあげたい」という気持ちを刺激し、物語の複雑な人間関係を生み出す要因の一つになっていると考えられます。彼女がこれからどのように自身の運命と向き合い、幸せを掴んでいくのかが、この物語の大きな見どころとなります。

残酷な現実を招く不妊症と婚約破棄

翠の人生が大きく狂い始めるきっかけは、結婚を約束した恋人からの勧めで受けたブライダルチェックでした。恋人は勤めていた会社の次期社長・日向井であり、将来の跡継ぎを望む彼の家柄を考えれば、ごく自然な流れだったのかもしれません。しかし、そこで翠は自身が「不妊症」であるという、あまりにも残酷な事実を突きつけられます。

この診断結果は、二人の関係に決定的な亀裂を生みました。跡継ぎを重視する日向井は、翠が妊娠しにくい体であると知るやいなや、あっさりと婚約の解消を告げます。

さらに不幸は重なり、この極めてプライベートな情報が社内に広まってしまいます。翠は同情や好奇の視線に耐えきれず、長年勤めた会社を退職せざるを得ない状況に追い込まれました。結婚、仕事、そして子供を持つという未来の可能性まで、翠は不妊症という診断によって、一瞬にして全てを失ってしまったのです。この出来事は、彼女の心に深く暗い影を落とし、物語は絶望の淵からスタートします。

元カレ・日向井の自分勝手な言動

翠に不妊症が判明した途端、婚約を破棄した元カレの日向井は、物語における最初の障壁として登場します。会社の次期社長という立場でありながら、その内面は極めて自己中心的で、他者への配慮に欠ける人物として描かれています。

一度は翠を捨てたにもかかわらず、彼は自身の感情の赴くままに再び彼女の前に現れます。そして、「不妊症のことは気にしないから、また付き合ってほしい」「子供ができないのだから、むしろ都合がいいだろう」といった、常識では考えられない無神経な言葉で復縁を迫りました。

彼の言動は、翠が受けた心の傷をさらに深くえぐるものです。自分の一方的な感情で翠の人生を振り回し、彼女の尊厳を傷つけることに何のためらいも見せません。この身勝手で粘着質なキャラクターが、物語序盤のドロドロとした展開を加速させ、読者の怒りを買う存在となっています。

翠を追い詰める後輩OL・滝沢の嫉妬

日向井と同様に、翠を精神的に追い詰めるのが、元職場の後輩である滝沢です。彼女は以前から日向井に好意を寄せており、翠が彼の婚約者であった頃から、強い嫉妬の感情を抱いていました。翠が婚約破棄されたことを知ると、その後釜に座ろうと日向井に積極的にアプローチを始めます。

滝沢の翠に対する敵意は常軌を逸しており、その行動は陰湿です。翠と日向井の婚約が破談になった原因が不妊症であることを、意図的に周囲に言いふらしました。

さらに、翠が新しい職場で再スタートを切った後も、偶然を装って現れては、真央や同僚たちの前で翠を誹謗中傷します。自分の恋愛を成就させるためなら、他人を貶めることも厭わない滝沢の存在は、翠にとって大きな脅威であり、彼女の行く先々に暗い影を落とす厄介なキャラクターです。

翠を支える年下の建築士・月留真央

人生のどん底にいた翠の前に現れ、希望の光となるのが、親友エリカの従姉弟である月留真央(つきどめまお)です。彼は翠より6歳年下の26歳ですが、一級建築士として活躍する、仕事のできる落ち着いた青年です。

二人の最初の出会いは、翠が妹の結婚式で自暴自棄になり、酔いつぶれていた夜でした。親友のエリカから頼まれた真央は、翠を介抱し、一夜を共に過ごします(ただし、関係は未遂に終わります)。その後、エリカの計らいで父親が経営する建築事務所で働くことになった翠は、真央が職場の同僚であり、しかもアパートの隣人であったことを知りました。

真央は、深く傷ついている翠の事情を察し、常に優しく彼女をフォローします。彼の包容力とさりげない気遣いは、人間不信に陥っていた翠の心を少しずつ癒していきます。年下でありながら頼りがいのある真央は、翠にとって単なる同僚以上の、特別な存在へと変わっていくのです。

【できても、できなくても】ネタバレ解説!複雑な恋模様

  • 真央に想いを寄せる同僚・水野菜々
  • 新たな希望となるセミナー講師・広瀬
  • 複雑に絡み合う人間関係の今後の行方
  • 各話のあらすじから今後の展開を考察
  • 読者の感想と評価から見る作品の魅力

真央に想いを寄せる同僚・水野菜々

物語が進むにつれて、翠と真央の関係は周囲にも影響を与え始めます。その中心にいるのが、真央の同僚である水野菜々(みずのなな)です。彼女は癒し系の雰囲気を持つ女性ですが、見た目に反して芯が強く、はっきりと物を言う一面も持っています。

ナナは、過去のある出来事がきっかけで真央に助けられて以来、ずっと彼に片思いをしていました。翠と真央が親しくなっていく様子を目の当たりにし、彼女は複雑な心境を抱えることになります。

一方で、翠はナナの真央に対する深い想いを知ってしまいます。自分を支えてくれる真央に惹かれ始めている気持ちに気づきながらも、ナナの恋を応援したいという思いから、翠は意図的に真央と距離を置こうと葛藤します。このナナの存在が、翠と真央の関係に新たな障害をもたらし、物語にさらなる切なさを加えています。

新たな希望となるセミナー講師・広瀬

真央との関係に悩む翠の前に、新たな男性として現れるのが、セミナー講師の広瀬です。関西への出張中、新幹線で偶然隣の席になったことがきっかけで出会い、その後、出張先で参加したセミナーの講師が広瀬本人であったことから、二人の縁は深まっていきます。

広瀬の価値観や考え方に深く共鳴した翠は、珍しく自分から食事に誘うなど、積極的に彼と関わろうとします。実は、広瀬もまた「子供を作る、作らない」という価値観の違いから妻と離婚した過去を持っていました。

不妊症が原因で婚約を破棄された翠と、子供を持たない選択をしたことで離婚に至った広瀬。二人は互いの境遇に深く共感し、悩みを打ち明けることで急速に距離を縮めます。翠にとって、広瀬は恋愛対象としてだけでなく、自分の悩みを唯一共有できる貴重な理解者となっていきます。真央とは異なる魅力を持つ広瀬の登場は、翠の心に新たな選択肢をもたらし、恋愛模様をさらに複雑化させます。

複雑に絡み合う人間関係の今後の行方

『できても、できなくても』の大きな魅力は、主人公・翠を取り巻く複雑な人間関係にあります。物語は、単なる恋愛ストーリーに留まらず、それぞれの登場人物が抱える過去やコンプレックス、そして切実な想いが交錯する愛憎劇の様相を呈しています。

ここで、主要な登場人物たちの関係性を一度整理してみましょう。

人物名翠との関係特徴
桃生 翠主人公不妊症に悩む32歳。真面目で健気な性格。
月留 真央年下の同僚・隣人翠を支える26歳の一級建築士。翠に惹かれている。
日向井元婚約者会社の次期社長。翠に執着する自己中心的な性格。
滝沢元職場の後輩日向井に好意を寄せ、翠を激しく敵視する。
広瀬セミナー講師翠と価値観が合う新たな男性。離婚歴がある。
水野 菜々真央の同僚長年、真央に片思いをしている。

翠を中心に、彼女を支えようとする真央と、同じ痛みを持つ理解者である広瀬との間で、恋愛の三角関係が形成されつつあります。一方で、元カレの日向井と後輩の滝沢は、翠の人生をかき乱す存在として執拗に関わってきます。さらに、真央を一途に想うナナの存在が、物語に切ない影を落としています。

これらの人間関係が今後どのように変化し、誰が誰と結ばれるのか、あるいは誰も結ばれないのか、予測のつかないドロドロとした展開から目が離せません。

各話のあらすじから今後の展開を考察

物語は13話まで進み、人間関係はさらに複雑さを増しています。特に大きな転機となったのが、ナナが元カレのストーカーに襲われる事件です。この事件で、真央はナナを守れなかった自分を責め、彼女に対してある「苦渋の決断」をします。この決断が、翠と真央の関係にどのような影響を与えるのかが、今後の大きな焦点となります。

また、広瀬は翠に対する嫌がらせを続ける滝沢を毅然とした態度で撃退し、翠にとってのヒーロー的な存在感を増しています。翠の心が真央と広瀬の間でどう揺れ動くのか、注目が集まります。

これまでの流れを踏まえると、以下のような展開が考えられます。

  • 真央は責任感からナナと付き合うことを決意するが、翠への想いを断ち切れない。
  • 翠は広瀬との関係を深めることで心の安定を得ようとするが、真央のことが忘れられない。
  • 日向井と滝沢の妨害がさらにエスカレートし、翠たちを巻き込む大きなトラブルに発展する。

いずれにしても、登場人物たちがそれぞれの想いを抱えながら、過酷な現実に立ち向かっていくヒューマンドラマが、より一層深く描かれていくことは間違いないでしょう。

読者の感想と評価から見る作品の魅力

この作品は、そのセンシティブなテーマと衝撃的な展開から、読者の間で様々な感想や評価を呼んでいます。レビューを見ると、「1話目からかなり重い」「主人公が可哀想で見ていられない」といった、物語序盤の過酷な描写に対する意見が多く見られます。

しかし、物語が進むにつれて、「真央くんが優しくてかっこいい」「翠ちゃんには絶対に幸せになってほしい」といった、登場人物への感情移入や応援のコメントが増えてくるのが特徴です。特に、翠を献身的に支える真央の人気は高く、彼の言動に胸をときめかせる読者が多いようです。

一方で、「ヒロインが少し八方美人に見える」「デモデモダッテしていてイライラする」というように、悩み葛藤する翠の姿に、もどかしさを感じるという厳しい意見も見受けられます。

これらの多様な感想は、本作が単なる恋愛漫画ではなく、不妊という現実に直面した女性の心の機微や、複雑な人間関係をリアルに描いているからこそ生まれるものだと考えられます。読者が強く感情を揺さぶられる点こそが、この作品の最大の魅力と言えるのかもしれません。

【できても、できなくても】ネタバレまとめ

この記事では、漫画『できても、できなくても』のネタバレを含むあらすじや登場人物、今後の展開について詳しく解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。

  • 本作は不妊症という重いテーマを扱う大人のラブストーリー
  • 主人公の桃生翠は婚約破棄と失職で人生のどん底から始まる
  • 元カレ日向井の自己中心的で粘着質な言動が翠を苦しめる
  • 元後輩の滝沢は嫉妬心から翠に対して執拗な嫌がらせを続ける
  • 人生に絶望した翠の前に年下の建築士・月留真央が現れる
  • 真央は隣人であり同僚として翠の心の支えとなっていく
  • 翠は真央に惹かれ始めるが、彼を想う同僚ナナの存在を知る
  • 翠はナナの気持ちを思い、真央との間に距離を置こうと悩む
  • 新たに出会ったセミナー講師の広瀬は翠と同じ悩みを抱える理解者
  • 広瀬も子供に関する価値観の違いで離婚した過去を持つ
  • 翠を巡る真央と広瀬の三角関係が物語の新たな軸となる
  • 主要登場人物たちの感情が複雑に絡み合う愛憎劇が見どころ
  • 過酷な現実の中でも希望の光を探すヒューマンドラマとして描かれる
  • 読者からは「重いが引き込まれる」「登場人物に感情移入する」との感想が多い
  • 今後のドロドロな展開と翠が下す人生の選択から目が離せない
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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