【ある継母のメルヘン】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 貴族議員会で、シュリーは「追悼招宴」を自ら主催することを宣言し、有力貴族たちの参列の約束を取り付けた
- その夜、1度目の人生の最期の悪夢にうなされるが、心配して駆けつけた4人の子供たちの優しさに触れ、家族の絆を実感する
- シュリーは子供たちに感謝し、初めて家族「全員」で買い物に出かけることを約束した
【ある継母のメルヘン】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する
約束通り、初めて家族全員で首都の街へ買い物に出かけたシュリーたち。賑やかで楽しい時間の裏で、シュリーは自分に向けられる謎の執拗な視線を感じ取っていました。その視線の正体は、彼女の過去を知る、あまりにも意外な人物だったのです。
注目を集めるノイヴァンシュタイン家の初めてのお出かけ
首都の街に降り立ったノイヴァンシュタイン家の子供たちは、まさに衆の目を引く存在でした。はしゃぎ回る双子に、気取った態度で澄ましているジェレミーとエリアス。どこから見ても完璧な容姿の美少年美少女たちは、道行く人々の視線を釘付けにします。
(この子たちの本当の姿を見たら、可愛いなんて言ってられないでしょうに…)
そんなことを内心で毒づいてしまう自分に、シュリーは思わず苦笑します。夫と出かけたことはあっても、それは常に緊張を伴うものでした。子供たちとの、こんなにも自由で騒がしい外出は、シュリーにとっても初めての経験だったのです。
「なぜわざわざ服を買いに来たんだ?」というエリアスの問いに、シュリーは**「お父様のための追悼招宴のためよ」**と説明します。それを聞いたジェレミーは、「つまらないから武器を見に行きたい」と提案。シュリーは兄弟の希望を汲み、二手に分かれて行動することにしました。
ブティックでの不穏な視線
シュリーと双子は、格式高いメリシャのブティックを訪れます。双子の採寸中、シュリーはレースの見本帳を眺めていました。その時、ふと窓の外からの視線を感じます。しかし、振り返ってもそこには誰もおらず、気のせいだと思うことにしました。
その頃、街角では一人の男が「見つけた」と不気味な笑みを浮かべていました。シュリーが感じた視線は、気のせいなどではなかったのです。
剣を奪われたジェレミーと、母としての諭し
しばらくして、ジェレミーとエリアスが不機嫌な顔でブティックに合流しました。エリアスがおもしろおかしく語ったところによると、武器商で事件があったようです。
ジェレミーがまさに手に取ろうとしていた見事な剣を、どこからともなく現れた見知らぬ少年に目の前で買われてしまったのです。**「商品は、先に代金を支払った者のものです」**という正論でやり込められ、プライドの高いジェレミーは屈辱を味わったのでした。
機嫌を損ね、採寸を拒否するジェレミー。そんな彼に、シュリーは静かに、しかし威厳を持って語りかけます。 「騎士を目指す者として、それしきのことで感情を露わにしてはいけません」 そして、父であるヨハンのための招宴に、成長した姿にふさわしい、しっかりとした服で臨むことの大切さを説きました。母として、そして当主としての言葉に、ジェレミーは何も言い返すことができず、黙って採寸に向かうのでした。
視線の正体は…2年ぶりに再会した実の兄
全ての採寸を終え、一行がブティックを後にした時、シュリーは再びあの視線を感じ、それが勘違いではなかったことを確信します。 彼女は騎士のエヴァレットに子供たちを託すと、「もし戻らなかったら探しに来て」と言い残し、一人雑踏の中へ消えていきました。
人気のない路地裏に入り、シュリーは静かに呼びかけます。 「そこにいるのは分かっていますわ。出てきなさい」 そして、彼女はその視線の主の名前を口にしました。 「ルーカス…!」
物陰から現れたのは、痩せたみすぼらしい姿の青年。2年ぶりに会う、シュリーの実の兄でした。侯爵家に嫁ぐ際に、事実上縁を切ったはずの実家。その兄が、なぜ今、首都に現れたのか。彼の登場は、シュリーの新たな人生に、次なる波乱を呼び込む不吉な前兆のようでした。
【ある継母のメルヘン】第16話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、家族のほのぼのとした日常と、忍び寄る不穏な影が巧みに交錯する、緩急の効いた回でしたね。冒頭の、子供たちが街ではしゃいだり喧嘩したりする様子は本当に微笑ましくて、彼らがようやく本当の家族の時間を過ごせているんだなと、こちらまで嬉しくなりました。
ジェレミーが剣を少年に買われてしまうエピソードも面白かったです。いつもは完璧な彼が見せた、年相応の悔しそうな表情が少し可愛らしく感じました。そして、そんな彼をシュリーが母親として、また当主として諭すシーンは、二人の間に新しい、そしてより深い関係性が築かれつつあることを感じさせてくれて、とても良かったです。
しかし、楽しいお出かけの裏でずっと付きまとっていた謎の視線…その正体が、まさかシュリーの実の兄だったとは!貧しい実家は、彼女を侯爵家に嫁がせたことで大金を得たはず。なぜ今になって、こんなみすぼらしい姿で現れたのでしょうか。お金の無心か、それとも何か別の目的があるのか…。彼の登場が、シュリーの過去を再び掘り起こし、新たな火種とならないか、心配でなりません。
【ある継母のメルヘン】第16話のネタバレまとめ
- シュリーは子供たち全員を連れ、追悼招宴の服を仕立てるために初めて家族で首都へ買い物に出かけた
- 楽しい買い物の最中、シュリーは誰かからの執拗な視線を感じ、不審に思っていた
- 武器商でジェレミーが屈辱的な体験をし機嫌を損ねるが、シュリーは母親として彼を諭し、当主としての心構えを説いた
- 買い物の後、シュリーは視線の主を路地裏に呼び出す。そこに現れたのは、2年ぶりに再会した彼女の実の兄、ルーカスだった
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