悪役令嬢

【ある継母のメルヘン】15話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 貴族議員会へ向かう朝、子供たちがシュリーに甘えるようになり、「ニセモノ」と呼ばれなくなったことにシュリーは心からの喜びを感じた
  • 帝国の中枢である貴族議員会に、シュリーは当主としての新たな決意で臨んだ
  • 廊下で人とぶつかるが、1度目の人生とは違う相手(リシュリュー枢機卿)であり、未来が変わり始めていることを実感する
  • 亡き夫の親友ニュルンベル公爵と合流し、ついに貴族議員会が開幕。シュリーは議員たちの腹の内を探りながら、堂々とその場に臨んだ

【ある継母のメルヘン】第15話をネタバレありでわかりやすく解説する

ついに始まった貴族議員会。1度目の人生ではただ怯えるだけだったシュリーが、未来の記憶と当主としての覚悟を武器に、大胆な一手で周囲を驚かせます。そして、議会という戦場から帰った彼女を待っていたのは、これまで感じたことのなかった、温かい家族の絆でした。

議会での初陣!シュリーの大胆な一手

貴族議員会の議題は、マンハイムで起きた暴動への対策や、間近に迫った聖誕祭をどうするかといった、国の重要案件ばかり。聖誕祭の開催を巡っては、「帝国のために盛大に祝うべき」「財政難の折に現実的ではない」と意見が真っ二つに割れ、議論は紛糾します。

その時、これまで沈黙を守っていた「沈黙の鐘」の異名を持つリシュリュー枢機卿が、重々しく口を開きました。「聖誕祭は神を讃える行事。行うべきです」と。教会側の最有力者である彼の一言で、議論はさらに複雑化します。

結局、話がまとまらないまま休憩に入ろうとしたその時、シュリーが静かに、しかしはっきりと通る声で発言しました。 「聖誕祭の生誕日は新年の後ですわ。それまでに何か良き方法を考えればよろしいのでは?」

その場にいた誰もが、ノイヴァンシュタイン家の若い未亡人が口を挟むとは思っておらず、一瞬、議場は静まり返ります。それは、彼女がもはやただの飾り物の当主ではないと、帝国の中枢に知らしめた瞬間でした。

追悼招宴の開催宣言、渦巻く議員たちの思惑

休憩時間。シュリーはすぐさま亡き夫の親友、ニュルンベル公爵のもとへ向かいます。そして、葬儀が慌ただしく終わってしまったことを後悔していると切り出し、こう宣言しました。 「わたくしが主催となり、夫のための追悼招宴を開きたいのです」

1度目の人生では、公爵の援助に頼りきりだったこの招宴。それを自らの手で成し遂げると言うシュリーの成長した姿に、公爵は目を細め、喜んで参列を約束します。さらに、「皇帝陛下もきっとお喜びになる」と、皇室の後ろ盾があることを暗に示唆してくれました。

この会話を聞き逃す議員たちではありません。皇帝陛下が関心を持っていると知るやいなや、ハインリッヒ公爵をはじめとする有力貴族たちが、我も我もと参列の意向を示し始めます。シュリーの計画通り、追悼招宴は彼女がノイヴァンシュタイン家の新たな当主であることを、帝国中に知らしめるための華やかな舞台となることが決定したのです。

前世の悪夢と、駆けつけた子供たちの優しさ

議会での第一歩を成功させ、安堵と共に自室のベッドに入ったシュリー。しかしその夜、彼女は悪夢にうなされていました。 激しい雨の中、襲われる馬車、倒れる従者…。それは、1度目の人生の最期、何者かに**「これも運命だ」**と剣を向けられた、あの恐怖の記憶でした。

「いやああああ!」 悲鳴を上げて飛び起きるシュリー。侍女長グウェンの名前を叫ぶと、すぐに扉が開き、グウェンだけでなく、長男のジェレミーと次男のエリアスまでが心配そうな顔で駆け込んできました。

そして、シュリーがベッドの上で気づいたのは、小さな温もり。彼女の上には、双子のレイチェルとレオンが、心配のあまり一緒に眠ってしまっていたのです。 シュリーの悲鳴を聞き、4人の子供たち全員が、夜中に彼女の部屋へ飛んできてくれた。その事実に、シュリーの心は温かいもので満たされていきました。

約束は「全員で」。家族で初めてのお出かけへ

悪夢から覚めた後の寝室は、これまでのノイヴァンシュタイン家では考えられないほど、賑やかで温かい空気に包まれていました。

目を覚ましたレオンの寝顔をジェレミーがからかい、それにレイチェルが「レオンをからかわないで!」と怒る。普段は大人ぶっているレオンの子供らしい一面に、部屋は笑いに包まれます。 シュリーは、夜中に呼び出してしまったことをグウェンに謝り、心配してくれたジェレミーに心からの感謝を伝えました。

そして、シュリーは双子に提案します。 「今日は服を買いにお出かけしましょうか」 その言葉に、ジェレミーとエリアスもそわそわし始めます。「暴れる双子に着せる服があるのか」「俺をのけ者にするな」と、素直になれない言葉を口にしながらも、その顔は「自分も行きたい」と雄弁に語っていました。

その様子を見たシュリーは、満面の笑みで宣言します。 「決まりですわね。買い物は、全員で行くことにしましょう」 バラバラだった家族が、初めて「全員で」出かける約束をした瞬間。それは、新しいノイヴァンシュタイン家の、希望に満ちた始まりの合図でした。


【ある継母のメルヘン】第15話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、シュリーの公私にわたる大活躍が描かれ、爽快感と感動で胸がいっぱいになる、素晴らしい回でした!

まず、議会での堂々とした立ち振る舞い!もはや彼女は「怯える子ウサギ」ではありません。帝国の大物たちを相手に一歩も引かず、追悼招宴の開催を自分のペースでまとめ上げた手腕は見事というほかありません。1度目の人生の無力な彼女を知っているからこそ、この成長ぶりには本当に感動します。

そして、何と言っても子供たちです!シュリーの悪夢を聞きつけて、4人全員が部屋に駆けつけるなんて…。家族の絆が確実に、そして深く育まれていることが伝わってきて、涙が出そうになりました。特に、いつもはツンケンしているジェレミーが一番に駆けつけているのが最高にグッときました。

最後の「全員でお出かけ」の約束は、これからの明るい未来を象徴しているようで、心がぽかぽかと温かくなりました。初めての家族でのお買い物で、一体どんな素敵なエピソードが生まれるのでしょうか。次回のほのぼのとした(であろう)展開が、今から待ちきれません!

【ある継母のメルヘン】第15話のネタバレまとめ

  • 貴族議員会に出席したシュリーは、物怖じしない堂々とした発言で、議員たちに一目置かせた
  • 休憩中、亡き夫の「追悼招宴」を自ら主催することを高らかに宣言し、ニュルンベル公爵や他の有力貴族たちからの参列の約束を取り付けることに成功する
  • その夜、シュリーは1度目の人生の最期の悪夢にうなされるが、目を覚ますと心配した4人の子供たち全員が枕元に集まっていた
  • 子供たちの優しさに触れたシュリーは、彼らに感謝し、初めて家族「全員」で買い物に出かけることを約束した

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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