【ある継母のメルヘン】27話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

• 兄ジェレミーがはしかで倒れたことを自分のせいだと責めていたエリアスは、騎士エヴァレットに悩みを打ち明けた
• エヴァレットは自らの過去を語り、「変わろうと思えば変われる」とエリアスを力強く励ました
• エリアスの成長を見届けた一方、高熱にうなされるジェレミーは、シュリーに「本気で恨んでいたわけではない」と素直な気持ちを告白し、母として彼女に甘えた

【ある継母のメルヘン】第27話をネタバレありでわかりやすく解説する

長男ジェレミーを襲った病魔「はしか」。シュリーと家族の懸命な看病の末、ついに彼は峠を越えます。安堵に包まれるノイヴァンシュタイン家に、思いがけない見舞い客が訪れました。それは、帝国の次期皇帝、テオバルト皇太子その人。彼の訪問は、家族に新たな気づきと、陽だまりのように温かい時間をもたらすのでした。

峠を越えて、人の温もりに触れる

ジェレミーの容態は峠を越え、シュリーはようやく胸をなでおろしました。意識がはっきりとしてきたジェレミーは、「神様に会えたら、もう僕を苦しめないでくれって伝えてください」と、憎まれ口を叩けるまでに回復しています。

シュリーがたまった業務を片付けるために執務室へ向かうと、そこには山のような見舞いの手紙や贈り物が届いていました。その中で、シュリーの目に留まったのは、**ニュルンベル夫人（ハイデ）**からの見舞い状と、ケシの実キャンディーの小瓶でした。 丁寧な文字で用法まで記された手紙。追悼招宴での意味深な言葉の裏にあった、彼女の優しい人柄に触れ、シュリーは静かに感謝します。

「慰めというものは、時に神よりも、人間から与えられるものなのね…」 人の温もりが、張り詰めていたシュリーの心をじんわりと解きほぐしていきました。

皇太子、突然の見舞い！幼馴染の気兼ねない会話

その時、「皇太子殿下がお見えです！」と、使用人が慌てて部屋に飛び込んできました。シュリーが唖然とする中、当の皇太子は「はしかには以前かかったから大丈夫」と、供も連れずに気さくな様子で屋敷へ上がってきます。

ジェレミーの病室を訪れた皇太子は、病に伏せる親友の姿を見て面白そうに笑います。 「あの血気盛んな君が、病で大人しくしているとはな」 「皇太子のお仕事は、よほど暇なんですね」 ジェレミーも、憎まれ口で応戦します。

「ああ、そうだとも！君も生まれ変わったら皇太子になってみるがいいさ」 幼馴染らしい、気兼ねのない軽口の応酬。その様子を見て、シュリーはジェレミーが心身ともにすっかり元気を取り戻したことを実感し、安堵の笑みを浮かべるのでした。

「ママと一緒が嬉しい」皇太子の気遣が生んだ家族の時間

ジェレミーと皇太子が談笑していると、エリアスと双子たちが部屋にやってきて、一気に辺りが騒がしくなります。特にレイチェルは、久しぶりにシュリーを独占できるのが嬉しいのか、彼女に矢継ぎ早に話しかけました。

「ママと一緒だから嬉しい！」「今日はジェレミー兄様じゃなくて、あたしたちといてくれるから嬉しい！」

その素直な言葉に、シュリーはハッとさせられます。自分がジェレミーの看病にかかりきりになっている間、他の子供たちがどれほど寂しく、不安な思いをしていたか。そのことに、今更ながら気づかされたのです。

その機微を瞬時に察した皇太子が、優しい声でシュリーに言いました。 「ジェレミーのことは私が見ていますから、どうぞ、お子様たちと遊んであげてください」 その完璧な心遣いに、シュリーは心からの感謝を捧げ、他の子供たちとの時間を過ごすことにするのでした。

寄り添い眠る二人の王子へ贈る、母の子守唄

夕刻、シュリーがジェレミーの部屋の様子を見に行くと、そこには信じられないほど、穏やかで美しい光景が広がっていました。 ソファで眠るジェレミーの隣で、皇太子もまた、彼に寄り添うようにして、安らかな寝息を立てていたのです。

シュリーは、そっと二人に毛布をかけながら思います。二人とも幼い頃に母親と死別し、それぞれが帝国と名門家の後継者という重圧を背負っている。彼らが互いを唯一無二の親友とするのは、当然のことなのかもしれない、と。

小さく寝言を言う皇太子の無防備な寝顔は、まるで幼い子供のようでした。その姿に、シュリーの心に母性にも似た温かい感情が込み上げます。彼女は、眠る二人の王子を起こさないよう、静かに、そして優しく子守唄を口ずさむのでした。

【ある継母のメルヘン】第27話を読んだ感想（ネタバレあり）

今回は、ひたすらに優しさと温かさに満ち溢れた、極上の癒し回でしたね。ジェレミーが元気になって、本当に良かったです！

ニュルンベル夫人の心遣いには、彼女の優しい人柄が表れていて、心が温かくなりました。追悼招宴での意味深な態度の裏には、シュリーを気遣う気持ちがあったのかもしれないと思うと、今後の彼女との関係も楽しみになります。

そして、何と言っても皇太子！彼がこれほどまでに気さくで、思いやりに満ちた人物だったとは。ジェレミーとの軽口の叩き合いは、二人の間に流れる固い友情が感じられて、とても微笑ましかったです。シュリーが他の子供たちとの時間を作れるように、さっと配慮してくれた気遣いには、完璧すぎて惚れてしまいそうになりました。

最大の見どころは、やはり最後のシーンでしょう。ジェレミーに寄り添って眠る皇太子の姿は、あまりにも尊く、美しい光景でした。彼らがそれぞれ背負うものの重さと、その中で育まれた友情の深さを感じて、思わず胸が熱くなりました。そんな二人を、シュリーが母親として、優しい子守唄で包み込む。これ以上ないほど感動的で、心が洗われるようなラストシーンでした。試練を乗り越える中で育まれる家族の絆、そして友情の素晴らしさを改めて感じさせてくれる、素晴らしい一話でした。

【ある継母のメルヘン】第27話のネタバレまとめ

• ジェレミーははしかの峠を越え、冗談を言うまでに回復した。シュリーはニュルンベル夫人からの心温まる見舞いの品に感謝した
• そこへ、テオバルト皇太子が突然ジェレミーの見舞いに訪れ、二人は幼馴染らしく、気兼ねない軽口を叩き合った
• 皇太子の心遣いにより、シュリーはジェレミーの看病で寂しい思いをさせていた他の子供たちと、ゆっくりした時間を過ごすことができた
• 夕刻、シュリーが部屋に戻ると、ジェレミーの隣で皇太子が寄り添うように眠っていた。シュリーは、母親のように優しく二人に毛布をかけ、子守唄を口ずさんだ

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コマさん（koma）

野生のライトノベル作家

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社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》