【ある継母のメルヘン】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 追悼招宴の場で、ジェレミーとノラは「泥棒」「ウスノロ」と互いを罵り、一触即発の状態になった
- シュリーは、1度目の人生で二人が「宿敵」であったことを思い出し、ニュンベル公爵と共に息子たちを無理やり謝罪させた
- そこへテオバルト皇太子が現れ、ノラが皇太子の従兄弟であることが判明。しかしノラは皇太子に不遜な態度をとった
- 最後に、皇太子がジェレミーのことを「僕の幼馴染」と呼び、二人が親しい間柄であったという新たな事実が明らかになった
【ある継母のメルヘン】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する
宿敵ノラとの再会で荒れる息子ジェレミーに頭を悩ませるシュリー。子供たちの喧騒から離れ、一人息をついた彼女に、テオバルト皇太子が声をかけます。初対面のはずの皇太子からかけられた、思いがけず温かい言葉。それは、これまで誰にも理解されず、ただがむしゃらに走り続けてきたシュリーの心を、静かに溶かしていくのでした。
母の悩みと、エリアスを乗せるささやかな策略
華やかな宴の喧騒の中、シュリーの心は重く沈んでいました。宿敵ノラを前にしたジェレミーの自分本位な態度、そして幼馴染であるはずの皇太子にさえ見せた無愛想な顔。父親の追悼招宴という大切な場でさえこれでは、先が思いやられます。
そんな母親の悩みをよそに、会場の隅では次男のエリアスがぽつんと一人で佇んでいました。シュリーは彼に声をかけ、「双子を見ていてちょうだい」と頼みます。「ジェレミー兄上が見ればいい」とぶっきらぼうに返すエリアスに、シュリーは悪戯っぽく笑いかけました。 「あなたの方が、双子と遊んであげるのがお上手でしょう?」 その一言で、エリアスはまんざらでもない顔つきになり、素直に双子のもとへ向かいます。反抗期の息子を上手におだてて動かす。シュリーは、知らず知らずのうちに、母親としてのスキルを身につけ始めていました。
皇太子と二人きり、バルコニーでの語らい
子供たちのことから少しだけ解放され、シュリーが息をついたその時、「一杯お付き合いいただけないか」と穏やかな声がかかります。テオバルト皇太子でした。 そろそろ帰る時間だから、とこっそり抜け出してきたという皇太子に誘われ、二人はワインを手に、静かな夜のバルコニーへと向かいます。
皇太子は、父である皇帝が、亡きヨハネス侯爵(シュリーの夫)のことを時々思い出しては、その功績を讃えていると語ります。そして、今日の追悼招宴も、偉大なヨハネス侯爵に相応しい、素晴らしい会だとシュリーの労をねぎらうのでした。
孤独な皇太子と、その剣となるはずだった息子
シュリーは、1度目の人生の記憶と知識を元に、目の前にいる麗しい皇太子の、孤独な境遇を思い返していました。 彼は、現在の皇后の実子ではなく、物心つく前に実の母親と死別しています。そして、厳格な皇帝の元、唯一の肉親として帝王学を叩き込まれてきました。
そんな孤独な皇太子の学友として、父親同士が引き合わせたのが、ジェレミーだったのです。 1度目の人生で、ジェレミーが**「皇太子の剣になる」**ことを望み、当然のように皇室騎士団の道を選んだ背景には、この幼い頃に育んだ固い絆がありました。本来その役目を担うべき従兄弟のノラが、ああいった問題児であることも、ジェレミーが皇太子にとって唯一無二の存在である理由の一つでした。
「悲しんでもいい」皇太子の言葉がシュリーの心を溶かす
物思いに耽るシュリーの顔を、皇太子が心配そうに覗き込みます。 「大丈夫ですか?」 彼は、シュリーが亡き夫を思い出しているのだと勘違いしたようでした。
そして、皇太子は思いがけず、優しい言葉を紡ぎ始めます。 「成人式も迎えていないあなたが、これまで大変な苦労をされてきたと聞いています」 「ただ、やるべきことをやってきただけですわ」と静かに答えるシュリーに、彼は自らの経験を重ね合わせるように、静かに語りかけました。
「私も大切な人を失い、皇太子としての本分を尽くすために必死だった時がありました。ですが、その都度感じる苦痛が、当たり前になることは決してなかった」 そして、彼はシュリーの瞳を真っ直ぐに見つめ、こう告げたのです。 「ですから、誰もいない場所では、悲しんでもいいのですよ」
その言葉は、ずっと気を張り詰め、誰にも弱音を吐けなかったシュリーの心に、温かく沁み渡りました。 最後に、皇太子は「初対面のはずなのに、不思議と他人とは思えない」という謎めいた言葉を残して去っていきます。一人残されたシュリーは、彼の言葉に酔ってはいけないと気を引き締め直しますが、その頬は確かに、少しだけ緩んでいたのでした。
【ある継母のメルヘン】第22話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、シュリーの心がほんの少しだけ救われる、優しさに満ちた回でしたね。テオバルト皇太子、なんて素敵で、そして大人な男性なのでしょうか。すっかりファンになってしまいました。
宴の喧騒の中で、ジェレミーの子供っぽい態度に頭を悩ませるシュリーの姿は、すごく共感できました。そんな彼女が、次男のエリアスを上手におだてて双子の面倒を見させるシーンは、彼女の母親としての確かな成長が感じられて、とても微笑ましかったです。
そして、皇太子とのバルコニーでの会話。彼は、シュリーの侯爵夫人という立場や、その美しさだけでなく、彼女がこれまでたった一人で背負ってきた苦労や悲しみを、ちゃんと見て、理解してくれていました。特に**「悲しんでもいいのですよ」**という言葉は、ずっと気を張ってきたシュリーにとって、どれほど救いになったことでしょう。彼女の心を包み込むような皇太子の優しさに、読んでいるこちらまで胸が熱くなりました。
1度目の人生では、シュリーと皇太子がどのような関係だったのかは分かりませんが、今回のこの出会いは、彼女にとってこれから大きな心の支えになるに違いありません。ジェレミーとの幼馴染という関係も、今後の物語に大きく関わってきそうです。最後の「他人とは思えない」という皇太子の言葉も意味深で、もしかして彼も何か特別な力を持っている…?などと、色々な想像が膨らんでしまいますね。
【ある継母のメルヘン】第22話のネタバレまとめ
- 追悼招宴の最中、シュリーは息子ジェレミーの自分本位な態度に母親として頭を悩ませていた
- 一息ついていたところをテオバルト皇太子に誘われ、二人きりでバルコニーで話をした
- シュリーは、孤独な皇太子にとって、ジェレミーが幼馴染として大切な存在であったことを思い出す
- 皇太子は、シュリーがこれまで一人で背負ってきた苦労を労い、「誰もいない場所では悲しんでもいい」と、自らの経験を交えて優しい言葉をかけた
- 最後に皇太子は、シュリーに「他人とは思えない」という謎めいた言葉を残して去っていった
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