悪役令嬢

【ある継母のメルヘン】23話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 宴の喧騒の中、シュリーは息子ジェレミーの自分本位な態度に母親として頭を悩ませていた
  • 一息ついていたところをテオバルト皇太子に誘われ、二人きりでバルコニーで話をした
  • 皇太子は、シュリーがこれまで一人で背負ってきた苦労を労い、「誰もいない場所では悲しんでもいい」と優しい言葉をかけた
  • 最後に皇太子は、シュリーに「他人とは思えない」という謎めいた言葉を残して去っていった

【ある継母のメルヘン】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する

皇太子との語らいで束の間の癒しを得たシュリーは、再び戦場であるパーティー会場へと戻ります。彼女には、この追悼招宴で成し遂げなければならない、ある重要な目的がありました。それは、社交界で最も影響力を持つ「貴婦人」たちを味方につけること。未来の記憶と巧みな話術を武器に、シュリーの華麗なる社交術が炸裂します!

社交界での孤立、シュリーの狙いは「貴婦人」派閥

パーティー会場に戻ったシュリーは、自らの立場を冷静に分析していました。若き未亡人である彼女の立場は非常に曖昧で、新婚の同年代、未婚の令嬢たち、そして男性貴族、どのグループにも属することができません。下手すれば、ただ孤立してしまうだけです。

そこでシュリーが狙いを定めたのが、子を持つ**「年配の貴婦人」**たちのグループでした。彼女たちは、社交界における世論を動かす中心人物。彼女たちの心を掴むことこそが、ノイヴァンシュタイン家の安泰に繋がる最も確実な道だと、シュリーは考えたのです。

謙虚な姿勢で心を掴む、シュリーの社交術

シュリーは、意を決して貴婦人たちの輪の中へ入っていきます。当たり障りのない料理の話題から会話を始めると、夫人たちは品定めするような鋭い視線を彼女に向けました。

年長者の夫人が料理とシュリーの采配を褒めると、シュリーはすかさず、深く頭を下げてこう言いました。 「わたくしなど、まだまだ未熟者ですわ。こうして皆様にお褒めいただけるのも、ご参列くださった皆様のおかげです」 その謙虚な姿勢と、満面の笑みでの感謝の言葉に、張り詰めていた会場の空気はふわりと和らぎます。

しかし、その穏やかな雰囲気は長くは続きませんでした。一人の夫人が、待ってましたとばかりに切り出したのです。 「ところで夫人、妙な噂を耳にいたしましたわ…」

悪評を逆手に取る!涙の演技と見事な世論操作

夫人が口にした「妙な噂」とは、屋敷を追い出された叔母ルクレツィアが、あちこちで涙ながらに吹聴しているシュリーの悪評でした。会場の誰もが興味津々だったその話題に、シュリーは見事な切り返しを見せます。

まず彼女は、「全ては私の未熟さが招いたこと」と自らの非を認めることで、夫人たちの同情を買いました。そして、声を落とし、目に涙を浮かべながら(もちろん演技ですが)、真相を語り始めたのです。

「父を亡くし気落ちしている子供たちのためにと、伯爵夫人にお願いしたのです。ですが、あまりに厳格なご指導で…」 「私のことをよく思っていないのは存じておりました。ですが、そのために子供たちまで傷つけることは、どうしても許せなかったのです…!」

「子供たちが傷つけられた」という言葉、そしてあの評判の悪いヴァレンティノも同席していたという事実。この二つの情報で、貴婦人たちはすぐに事の真相――つまり、子供たちが虐待まがいの仕打ちを受けていたのではないか――を察したのでした。

母親パワー炸裂!その時、2階から響く不穏な物音

シュリーの涙の訴えは、貴婦人たちの心の琴線に触れました。 「なんてこと!」「親以外の部外者が子供を叱るなんて!」「あなたは何も間違っていないわ!」 会場のあちこちで**「母親パワー」**が炸裂し、夫人たちは一気にシュリーの熱烈な支持者へと変わります。彼女たちは、シュリーの若さで血の繋がらない子供たちを育てる苦労に心から同情し、「今度何かあったら、私たちが力を貸すわ」とまで約束してくれたのです。

シュリーの狙いは見事に成功しました。しかし、彼女が目的を達成し、安堵の息をついた、まさにその時でした。 ガシャーン!という大きな物音と共に、会場の2階から喧嘩が起こったという騒ぎ声が響き渡ります。

(まさか…) シュリーの脳裏に、最悪の予感がよぎります。 (ジェレミーが、あの子と…!?)


【ある継母のメルヘン】第23話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回のシュリーは、もはやただの健気なヒロインではありません。狡猾な政治家も顔負けの、見事な戦略家でしたね!読んでいて本当にスカッとしました。

貴婦人たちを味方につけるための一連の作戦は、あまりにも完璧すぎて鳥肌が立ちました。まず自分の非を認めて同情を引き、子供への深い愛情を語って共感を呼び、最終的には自分たちの力を貸したいとまで思わせる。この人心掌握術は、まさに芸術の域です。1度目の人生で「ずる賢く、卑怯に」なると決意した彼女の面目躍如といったところでしょう。

夫人たちの「母親パワー」が炸裂するシーンは、読んでいてとても面白かったです。どこの世界でも、お母さんたちは子供のこととなると強くなるものなのだなと、なんだか微笑ましくなってしまいました。

しかし、ようやく目的を達成したと思った矢先に、新たな騒動の予感!2階での喧嘩、十中八九ジェレミーとノラの第2ラウンドでしょう。せっかく貴婦人たちの評価がうなぎ上りになったのに、ここで息子が問題を起こしたら元も子もありません。シュリーの心労はまだまだ続きそうですね。ハラハラする展開に、次回が待ちきれません!

【ある継母のメルヘン】第23話のネタバレまとめ

  • 追悼招宴で、シュリーは社交界で最も影響力を持つ「年配の貴婦人」たちのグループを味方につけることを狙った
  • 叔母ルクレツィアが流した悪評を逆手に取り、「子供たちを傷つけられたため、追い出してしまった」と涙ながらに語り、夫人たちの同情と共感を得ることに成功した
  • 夫人たちはシュリーの味方になることを約束し、シュリーは社交界における強力な後ろ盾を手に入れた
  • しかし、目的を達成した直後、会場の2階から喧嘩騒ぎの物音が聞こえ、シュリーはジェレミーが何か問題を起こしたのではないかと嫌な予感を覚えた

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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