悪役令嬢

【ある継母のメルヘン】24話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 追悼招宴で、シュリーは社交界で最も影響力を持つ「年配の貴婦人」たちのグループを味方につけることを狙った
  • 叔母ルクレツィアが流した悪評を逆手に取り、「子供たちを傷つけられたため、追い出してしまった」と涙ながらに語り、夫人たちの同情と共感を得ることに成功した
  • 夫人たちはシュリーの味方になることを約束し、シュリーは社交界における強力な後ろ盾を手に入れた
  • しかし、目的を達成した直後、会場の2階から喧嘩騒ぎの物音が聞こえ、シュリーはジェレミーが何か問題を起こしたのではないかと嫌な予感を覚えた

【ある継母のメルヘン】第24話をネタバレありでわかりやすく解説する

華やかな追悼招宴の裏で勃発した、少年たちの喧嘩騒ぎ。その原因は、亡き父ヨハネスと、母であるシュリーへの許しがたい侮辱でした。息子が本気で怒っていることを察したシュリーは、もはやただの少女ではありません。母として、そしてノイヴァンシュタイン家の当主として、愛する家族を守るため毅然と立ち向かいます。

喧嘩の真相、父と母への許しがたい侮辱

シュリーの嫌な予感は的中していました。2階で起こっていた喧嘩の中心にいたのは、やはり長男のジェレミー。しかし、それは彼の子供っぽい癇癪などではありませんでした。 少年たちが集まる輪の中で、ジェレミーの耳に飛び込んできたのは、心無い噂話でした。

「ヨハネス侯爵も耄碌したものだ。あんな田舎娘を後妻に迎えるとは」 「あの女は、侯爵がもう長くないと分かっていたから結婚したに違いない」

尊敬する亡き父を侮蔑し、母であるシュリーを金目当ての悪女だと嘲笑う。それは、ジェレミーにとって決して許すことのできない、二重の侮辱だったのです。

ジェレミーの記憶、父との温かい約束

侮辱の言葉に、ジェレミーの脳裏には遠い日の父との記憶が蘇っていました。 多忙な父ヨハネスを、執務室の前で健気に待ち続けた幼い日。仕事が一段落した後、二人で庭を散歩しながら交わした会話。

「騎士になって、父上のように陛下をお守りしたいです。そして、母上や弟たちのことも、僕が守ります」 そう誓った幼い息子に、父は**「お前を誇らしく思う」**と言って、優しく頭を撫でてくれました。

父への深い敬愛と、家族を守るという固い誓い。それこそが、ジェレミーのアイデンティティの根幹をなすものでした。だからこそ、父と母を同時に貶める言葉は、彼の心の最も深い場所にある逆鱗に触れたのです。

「もう一度聞かせて頂けますか?」母として、当主としての戦い

シュリーが喧嘩の現場に駆けつけると、エリアスと双子が殺気立つジェレミーを必死に押さえつけていました。そこへ、殴られた少年の親が血相を変えて現れ、「ささいな言いがかりで息子が殴られた!」とシュリーを怒鳴りつけます。

偶然その場に居合わせ、騒動に巻き込まれたノラは、事情を知りながらも気まずそうに黙り込んでいました。 大人たちが騒ぎ立てる中、シュリーは静かに、しかし凛とした声で場を制します。 「これは単なる子供の喧嘩ではございませんわね」

彼女は、怒鳴り散らす相手の親の前に進み出ると、鋭い視線で問い詰めました。 「あなた様が仰る、うちの子が手を出すきっかけとなった『ささいな言いがかり』とやらを、この場でもう一度、わたくしに聞かせていただけますか?」

その言葉に、相手の親子は顔面蒼白になります。自分たちが口にした下劣な噂話を、公衆の面前で繰り返せるはずがありません。シュリーは、彼らが何も言えないことを見越した上で、「ジェレミーに非があれば謝罪いたします」と言い放ちました。それは、息子への絶対的な信頼を示す、母として、そして当主としての見事な戦い方でした。

氷のように冷たい手と、庭から響く謎の音

シュリーの圧倒的な気迫の前に、相手の親子はすごすごと引き下がるしかありません。シュリーは、謝罪の手紙すら不要だと、彼らをきっぱりと突き放しました。

騒動が収まり、疲労困憊のシュリーに、エリアスが「ジェレミーならテラスにいる」とドヤ顔で教えに来ます。 テラスで一人佇むジェレミーを見つけたシュリーは、彼の怒りに共感を示しながらも、事を荒立てることの危険性を優しく諭そうとしました。そして、彼の手にそっと触れた瞬間、シュリーは息を呑みます。

(なんて冷たい…!) 真冬の氷のように冷え切ったジェレミーの手に、シュリーは驚愕します。慌てて彼を暖かい室内へ促した、その時でした。 バシッ! 静まり返った夜の庭から、何かを鋭く叩きつけるような、謎の音が響き渡ったのです。


【ある継母のメルヘン】第24話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回のシュリー、本当にかっこよかったです!息子が侮辱されたと知るやいなや、即座に状況を的確に把握し、相手を完璧な理論で追い詰めていく。まさに「鉄血の女」の片鱗を見せた、鳥肌ものの名場面でした。

そして、ジェレミーの回想シーンには胸が熱くなりました。彼がどれほどお父様を敬愛し、家族を大切に思っているかがひしひしと伝わってきて、彼の怒りに心から共感しました。普段はツンツンしていますが、彼の根っこにあるのは、家族を守りたいという優しくて強い責任感なのですね。

そんな息子を、今度はシュリーが守り抜きました。彼女はもう、子供たちの後ろに隠れるか弱い母親ではありません。彼らの前に立ち、どんな敵からも守り抜く盾となる、本物の当主であり、本物の母親でした。

しかし、最後の展開が気になります。ジェレミーの手はなぜあんなに冷たかったのでしょうか。激しい怒りで血の気が引いていたのでしょうか。そして、庭から聞こえた謎の音!まさか、我慢の限界に達したノラが、誰かと決闘でもしているのでは…?せっかくのシュリーの華麗な活躍が、新たな騒動で霞んでしまわないか、心配でたまりません!

【ある継母のメルヘン】第24話のネタバレまとめ

  • 追悼招宴の2階で起きた喧嘩の原因は、ジェレミーが、亡き父ヨハネスと母シュリーを侮辱する噂話を聞き、激昂したためだった
  • ジェレミーには、父を深く敬愛し、家族を守ると誓った幼い日の温かい記憶があった
  • シュリーは現場に駆けつけ、相手の親に侮辱の内容を公の場で繰り返すよう問い詰めるという毅然とした態度でジェレミーを守り、相手を退散させた
  • 騒動の後、シュリーはテラスにいたジェレミーの手に触れ、その氷のような冷たさに驚愕する。その直後、庭から謎の鋭い音が聞こえてきた

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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