悪役令嬢

【ある継母のメルヘン】25話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 追悼招宴で起きた喧嘩の原因は、ジェレミーが父ヨハネスと母シュリーを侮辱されたためだった
  • シュリーは現場に駆けつけ、相手の親に侮辱の内容を問い詰めるという毅然とした態度でジェレミーを守り、相手を退散させた
  • 騒動の後、シュリーはテラスにいたジェレミーの氷のように冷たい手に驚愕した
  • その直後、庭から謎の鋭い音が聞こえ、不穏な余韻を残していた

【ある継母のメルヘン】第25話をネタバレありでわかりやすく解説する

波乱万丈の追悼招宴も、ついに幕を閉じます。シュリーは当主として、そして母として大きな一歩を踏み出し、社交界の重鎮からも認められ始めました。しかし、宴の喧騒が去った後、ノイヴァンシュタイン家には新たな試練が訪れます。長男ジェレミーが、突然高熱を出して倒れてしまったのです。

謎の音の正体?そして宴の終わり

前回のラスト、庭から響いた謎の鋭い音。シュリーがバルコニーから下を覗き込むと、そこにはニュンベル公爵一家の姿がありました。公爵が息子ノラの頬を叩いているように見え、肩を落とすノラの姿に、シュリーは先ほどの喧嘩が原因かと心を痛めます。

そこへ、ジェレミーが「最後のダンスが始まります」と呼びに来ました。シュリーは後ろ髪を引かれながらも、主催者としての最後の役目を果たすため、その場を後にします。 紆余曲折あった追悼招宴が終わり、シュリーは決意を新たにしていました。これは、2度目の人生の単なるスタートではない。これから始まる、過去の運命に対する挑戦なのだ、と。

招待客たちの思惑と、バイエルン夫人の温かい言葉

翌朝、招待客たちが次々と帰路につきます。 馬車の中では、ハインリッヒ公爵が娘のオハラに「次のパーティでは、必ずジェレミー殿下の最初のダンスの相手を務めるのだ」と厳しく命じていました。昨夜のジェレミーのそっけない態度を思い出し、オハラは俯きながらも、父の言葉に「はい」と答えるしかありません。彼女の未来は、家のための政略の駒として、すでに定められているかのようでした。

一方、シュリーは社交界の重鎮であるバイエルン夫人を見送っていました。シュリーが心からの感謝を伝えると、夫人は穏やかに微笑み、シュリーの成長を称えました。 「初めて議会でお会いした時は、不安げで、長くは続かないだろうと思っていましたわ」 夫人は正直な第一印象を語った後、こう続けます。

「でも、今のあなたからは、どんな困難も乗り越えてみせるという強い意志が感じられる。そんなあなたに、手を差し伸べずにいられる者などおりましょうか」 その言葉は、ただのお世辞ではない、シュリーの内面にある強さを見抜いた上での、心からの称賛と支援の約束でした。

社交界に広がる期待「楽しみな少女」

バイエルン夫人と別れた後、別の有力貴族であるシュヴァイク伯爵が夫人に声をかけます。 「夫人があのように笑われるのを初めて見ました。よほど、あの方がお気に召したようですな」 「ええ、とても楽しみな少女ですわ」

伯爵もまた、「私まで気になってきた」と豪快に笑います。シュリーの評判は、彼女が意図した通り、社交界のトップ層に着実に、そして好意的に広まり始めていたのです。

安堵も束の間、ジェレミーがはしかで倒れる

追悼招宴を無事に成功させ、社交界での足がかりも掴んだシュリー。しかし、安堵したのも束の間、ノイヴァンシュタイン家に激震が走ります。 長男ジェレミーが、はしかで高熱を出し、倒れてしまったのです。

「まだはしかにかかっていない他の子供たちと、使用人は絶対にジェレミーに近づけないで!」 シュリーは即座に的確な指示を出します。その冷静な判断力は、すでに立派な当主のものでした。

双子たちが不安そうな顔で見守る中、次男のエリアスは一人、蒼白な顔で立ち尽くしていました。 「俺のせいだ…。俺が、寒いバルコニーに兄上を閉じ込めたから…」 兄が倒れたのは自分のせいだと、彼は自分自身を責め、深く落ち込んでいたのです。1度目の人生では考えられなかった、兄を心から思う彼の優しさと責任感。それは、この家族が確かに変わり始めていることの、切ない証でもありました。


【ある継母のメルヘン】第25話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、追悼招宴の成功という大きな達成感と、ジェレミーが倒れるという新たな試練が描かれる、まさに緩急の効いた回でしたね。

バイエルン夫人の言葉には、本当に感動しました。彼女はただのお世辞を言うのではなく、シュリーの内面にある強さや不屈の意志をちゃんと見抜いて、評価してくれている。こんなに頼もしい味方が現れるなんて、シュリーがこれまで一人で頑張ってきたことが報われた瞬間だと感じ、胸が熱くなりました。シュヴァイク伯爵も興味を示しているようですし、シュリーの社交界デビューは文句なしの大成功と言えるでしょう。

その一方で、ジェレミーがはしかで倒れてしまったのは本当に心配です。この時代の子供の病気は、現代とは比較にならないほど命に関わることもあるでしょうから、全く気が抜けません。

そして、そんな兄を「自分のせいだ」と責めるエリアスの姿には、胸が締め付けられました。以前の彼なら、ジェレミーが倒れても知らんぷりだったかもしれません。家族を思いやり、その痛みや責任を感じるまでに成長した彼の姿に、涙が出そうになりました。シュリーは、病気で苦しむ息子と、罪悪感に苛まれるもう一人の息子に、これからどう向き合っていくのでしょうか。母親としての彼女の真価が問われる、次なる試練の始まりですね。

【ある継母のメルヘン】第25話のネタバレまとめ

  • 波乱万丈だった追悼招宴は無事に終わり、シュリーは「過去の運命への挑戦」の始まりだと決意を新たにした
  • 宴の帰り際、社交界の重鎮であるバイエルン夫人は、シュリーの意志の強さを称賛し、今後の支援を約束した
  • シュリーの評判は他の有力貴族にも好意的に広まり、彼女への注目度が高まっていた
  • しかし、宴が終わった直後、長男ジェレミーがはしかで倒れてしまう。次男エリアスは、兄が倒れたのは自分のせいだと深く落ち込んでいた

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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