【灼灼風流】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 慕灼華は文錚楼の書生会で目立つことを避け、その戦略眼を見せつけました。
- 才気あふれる青年・沈驚鴻が弁舌で注目を集め、物語の新たなキーパーソンとして登場します。
- 追手に捕まりかけた慕灼華は、機転を利かせて劉衍を盾にし、見事に窮地を脱しました。
- 劉衍は彼女の策略を黙認する形で助け、二人の関係はさらに複雑なものになります。
- 沈驚鴻は恩人である柔嘉公主への忠誠を誓い、彼女が運営する済善堂で教師となることを決意しました。
【灼灼風流】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する
目前に迫った科挙の最終試験「会試」。第5話では、試験勉強に励む慕灼華の日常と、劉衍と共に事件の真相に迫る非日常が描かれます。二人の関係が「協力者」として新たなステージに進む一方で、慕灼華自身の過去にまつわる謎も浮かび上がり、物語はさらに深みを増していきます。
浮雲寺での願掛けと探るような会話
会試まで残すところあと10日。慕灼華は最後の追い込みに集中していました。そんな彼女を心配した侍女の郭巨力は、気分転換と合格祈願を兼ねて、強引に彼女を浮雲寺へと連れ出します。菩薩像の前で熱心に祈る郭巨力の姿に、慕灼華は「これだけ熱心に祈られたら、菩薩様も誰を合格させればいいか迷うでしょうね」と軽口を叩きつつも、その真心に感謝するのでした。
その時、彼女の目に偶然、劉衍の姿が映ります。こんな場所で一体何をしているのか。好奇心に駆られた慕灼華がそっと後を追うと、逆に見つかってしまい、彼から鋭い問いを投げかけられます。
「還陽散の調合法を、いつ誰に教わったのだ」
彼の疑いはまだ晴れていなかったのです。緊張が走る中、慕灼華は動じずに答えます。「記憶をなくしていた母から聞いたのは原料のみで、調合法は知りません」と。そして、彼女はただ問いに答えるだけでなく、「『仙香』という希少な香料が還陽散には使われます。その流通を調べれば、犯人にたどり着く糸口が見つかるかもしれません」と、逆に捜査のヒントを与えるのでした。その大胆不敵な態度に、劉衍は言葉を失います。
母の秘密と劉衍への依頼
会話の流れで、慕灼華は自身の胸の内を劉衍に打ち明けます。母から医術をはじめ、身を立てるための多くの知識を授けられたこと。しかし、その母がどこでそれほどの知識を身につけたのか、出自の一切が謎に包まれていること。
「母の生家について何年も探っておりますが、何も分かりません。もし殿下が調べてくださるのなら、これほど願ってもないことはございません」
彼女は深く頭を下げました。それは、劉衍の権力と情報網を頼るという計算高い行動であると同時に、初めて他人に自身の弱さと願いを見せた瞬間でもありました。この依頼は、二人の関係を単なる「医者と患者」から、秘密を共有する「協力者」へと変える、重要な一歩となったのです。
詩会に集う皇子と公主を待つ才人
その頃、都の詩会では、第一皇子・劉琛が沈驚鴻の才能に注目し、彼の元を訪れていました。一方の沈驚鴻は、柔嘉公主が詩会に来てくれるのを心待ちにしながら、見事な詩を詠み上げ、聴衆を唸らせます。彼の公主への一途な想いと、宮廷内での評価が着実に高まっている様子が描かれます。
ちなみに、ちゃっかり者の郭巨力は、沈驚鴻が詠んだ詩を書き留めた詩集を街で売りさばき、ささやかなお小遣いを稼いでいるのでした。シリアスな展開の中にも、こうしたコミカルなシーンが挟まれるのが本作の魅力の一つです。
白骨が語る真実
劉衍は、還陽散を知る者がいない以上、通常の検視官では雲想月の死の真相にはたどり着けないと判断します。彼は意を決し、慕灼華をあの場所へ連れて行くことにしました。――5年前に亡くなった旧友、袁成明が眠る墓です。
墓を掘り起こし、白骨化した遺体を目の前にしても、慕灼華は医者として冷静でした。彼女はプロの目で遺骨を丁寧に調べ、そこに残されたわずかな痕跡を見逃しません。
「致命傷となるような大きな傷はありません。しかし…」
彼女は、骨に残された微細な傷跡を指し示し、驚くべき殺害方法を解き明かしていきます。それは、かぎ爪のような特殊な器具で被害者の手足を拘束して自由を奪い、脳幹に繋がる急所に的確に鍼を打ち込み、意識を奪った上で高所から突き落として事故に見せかけた、という極めて残虐で計画的なものでした。この発見は、犯人が医術にも精通した人物であることを示唆しており、事件の謎はさらに深い闇へと沈んでいくのです。
【灼灼風流】5話を読んだ感想(ネタバレあり)
第5話は、慕灼華の医者としての卓越した能力が、ついに事件の核心に触れた回でしたね!白骨を前にしても全く動じず、冷静に検視を進めていく彼女の姿は、もはや肝が据わっているというレベルを超えていて、本当にかっこよかったです。鍼を使った殺害方法を突き止めたシーンは、まるで本格的なミステリードラマを見ているようで、鳥肌が立ちました。
そして、劉衍と慕灼華の関係性が少しずつ変化していく様子に、ドキドキが止まりません!劉衍はまだ彼女を疑っているけれど、その能力は認めざるを得ず、頼ってしまう。一方の慕灼華も、彼を利用しようとしつつ、自分の過去を打ち明けてしまう。この二人の間の、疑念と信頼が入り混じった複雑な駆け引きがたまりませんね。
また、慕灼華の母親の出自という新たな謎が提示されたことで、物語に一層の奥行きが生まれたと感じます。彼女の類まれな才能の源流に、一体どんな秘密が隠されているのか、今後の展開が非常に気になります。
沈驚鴻のパートでは、彼が少し公主のストーカーっぽく見えてしまうのが面白いですね(笑)。彼の純粋すぎる忠誠心が、吉と出るか凶と出るか…。そして、ちゃっかり詩集を売っている郭巨力の商魂たくましさには笑わせてもらいました。シリアスな謎解きの中の、良い清涼剤になっています。
【灼灼風流】5話のネタバレまとめ
- 会試を目前に控えた慕灼華は、浮雲寺で偶然劉衍と再会し、還陽散の捜査に関する重要なヒントを与える。
- 慕灼華は自身の母親の出自が謎であることを劉衍に打ち明け、調査を依頼。二人の間に「協力関係」が芽生える。
- 沈驚鴻は詩会でその才能を発揮し、柔嘉公主への忠誠心を新たにする。
- 劉衍は慕灼華を伴い、旧友・袁成明の墓を掘り起こし、遺体を検視させる。
- 慕灼華は、遺体に残された痕跡から、犯人が鍼を用いた特殊な殺害方法を用いたことを突き止め、事件の真相に一歩近づく。
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