【灼灼風流】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 慕灼華と劉衍は刺客に襲われ、命懸けの逃避行を繰り広げました。
  • 逃走中に劉衍は負傷した慕灼華を背負い、看病するなど、二人の間に芽生えた絆が描かれます。
  • 劉衍暗殺計画の黒幕が皇太后であることが確定し、彼女が過去に幼い劉衍を殺害しようとした衝撃の事実も明らかになりました。
  • 命の危機を共に乗り越えたことで、慕灼華と劉衍の心の距離は急速に縮まっていきます。

【灼灼風流】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する

命懸けの逃避行を経て、都に戻った慕灼華。第7話では、いよいよ彼女の人生を懸けた大一番、科挙の最終試験である「会試」の火蓋が切られます。厳しい監視の目とライバルたちの敵意に満ちた視線が注がれる中、彼女は己の知識と信念のすべてを答案にぶつけます。一方、彼女を見守る劉衍の心にも、確かな変化が訪れていました。

定王直々の護送と気まずい感謝

会試当日。夜を徹して最後の追い込みをかけていた慕灼華は、うっかり寝過ごしてしまいます。絶体絶命のピンチに、颯爽と現れたのは定王・劉衍その人でした。彼は有無を言わさず慕灼華を自らの馬に乗せ、試験会場へと疾走します。

戦の神と謳われる定王が、一介の受験生を直々に送り届ける――その異様な光景に、会場前の受験生たちはどよめきます。「不正ではないか」と囁かれる中、慕灼華は無事試験会場に滑り込みました。

息を切らしながらも、慕灼華は劉衍に心からの感謝を伝えます。そして、彼女らしい方法でお礼をしようと、こう申し出ました。

「殿下は機能不全との噂を耳にいたしました。お礼に、私が格安で精力強壮剤を処方いたします!」

良かれと思っての発言でしたが、そのあまりに無邪気で無神経な一言に、劉衍の眉間の皺は深くなるばかり。彼は盛大な溜息と共に不機嫌な表情で馬首を返し、一言も発さずに去っていくのでした。「親切心が分からない方ね」と首をかしげる慕灼華と、「お嬢様、言い方の問題です」と呆れる郭巨力。二人の間に流れる、どこか微笑ましいすれ違いの瞬間でした。

注目と嫉妬の渦巻く試験会場

会場に入ると、慕灼華は様々な視線に晒されます。その中には、柔嘉公主のお墨付きとしてすでに名を知られる沈驚鴻からの、健闘を祈るという好意的なものもありました。

しかし、そのほとんどは嫉妬と敵意に満ちたものです。「定王の馬で乗り付けた女」という噂は瞬く間に広がり、特にライバルの文士宗らは、彼女の出自を貶め、侮蔑の言葉を投げかけます。女性であるというだけで向けられる好奇と疑念の目。慕灼華は、これから始まる三日間の過酷な試験だけでなく、この息が詰まるような偏見とも戦わなければなりませんでした。

静かなる戦いと見守る視線

会試が始まり、静寂の中で受験生たちが一斉に筆を走らせます。その頃、劉衍は皇宮で兄である皇帝と対峙していました。彼は、蒼梧軍全滅の件に皇太后が関与している疑いが強いことを示唆しますが、決定的な証拠がない今、軽率には動けないと自重を促します。宮廷の闇は、まだ晴れる気配がありません。

試験会場では、第一問から波乱が起こります。数多の秀才たちが頭を悩ませる中、完璧な答案を提出したのは、沈驚鴻と慕灼華の二人だけでした。その並外れた才能に、試験官たちは驚きを隠せません。

しかし、続く第二問は、慕灼華が最も苦手とする「詩作」。彼女は、かつての師の「主題を正しくとらえ、漢詩のリズムである平仄(ひょうそく)を調えればよい」という教えを胸に、必死に言葉を紡ぎます。

その時、試験官として巡視に訪れた劉衍と、答案に向かう慕灼華の視線が静かに交錯しました。言葉はなくとも、その眼差しは彼女にとって何よりの励ましとなったに違いありません。

信念を貫いた賭けと合格発表の時

三日間にわたる試験の最後を飾るのは、国の未来を問う「政策論」。お題は「辺境の安定」でした。当時の朝廷では、戦争によって国境問題を解決しようとする「主戦派」が主流。それに沿った答えを書けば、合格はより確実になります。

しかし、慕灼華は悩み抜いた末、自らの信念を貫く道を選びます。彼女が答案に綴ったのは、武力による制圧ではなく、周辺国との共存共栄を目指すという、あまりにも革新的で大胆な政策でした。保守的な試験官が読めば、即座に落第とされてもおかしくない、まさに人生を懸けた大きな賭けです。

試験を終え、疲れ切って帰路につく彼女の胸には、「もし主戦派の官吏が採点官だったら、もう終わりだ…」という後悔と不安が渦巻いていました。

そして、運命の合格発表日。平然を装いながらも、心臓は早鐘のように鳴り響きます。結果が張り出された掲示板へ向かうことすらできずにいると、郭巨力が歓喜の声を上げて駆け込んできました。

「お嬢様!合格です!17位で合格なさいました!

努力が報われた瞬間、慕灼華の顔にようやく安堵の笑みが浮かびます。しかし、その吉報は、宮廷の奥深くに潜む新たな敵意をも呼び覚ましていました。劉衍が慕灼華を試験会場へ送った一件を知った皇太后が、彼女の存在を危険視し、身辺調査を命じたのです。慕灼華の戦いは、まだ始まったばかりでした。

【灼灼風流】7話を読んだ感想(ネタバレあり)

慕灼華の人生を懸けた挑戦、その始まりを固唾をのんで見守った第7話でした!三日三晩にわたる過酷な試験の様子がリアルに描かれていて、まるで自分も一緒に試験を受けているかのような緊張感を味わいました。特に、彼女が苦手な詩作に挑む姿や、自らの信念を貫き、合格を危うくするかもしれない革新的な政策論を書き上げた場面では、彼女の不屈の精神に胸が熱くなりました。

そして、劉衍の不器用な優しさにもキュンとしましたね!遅刻しそうな彼女を馬で送り届けるなんて、まるで王子様のよう。その後の「精力強壮剤」のくだりは大笑いしましたが、あの気まずいやり取りこそが、二人の距離が縮まっている証拠のように感じられて微笑ましかったです。試験中に交わされた静かな視線の交流も、ロマンチックでした。

ただ、慕灼華の合格を素直に喜べない不穏な空気も漂っていましたね。皇太后が彼女に目をつけたことで、これからは宮廷の権力争いに本格的に巻き込まれていくことになるのでしょう。第一皇子も主戦派として彼女の答案に怒りを示していたようですし、前途は多難です。それでも、これまでの逆境を乗り越えてきた彼女なら、きっとこの先の困難も乗り越えてくれるはず。彼女の次なる戦いを楽しみに待ちたいと思います!

【灼灼風流】7話のネタバレまとめ

  • 劉衍は会試に遅刻しそうな慕灼華を、人目も気にせず自らの馬で試験会場まで送り届ける。
  • 慕灼華は感謝の印として劉衍に精力強壮剤を勧め、彼の機嫌を損ねてしまう。
  • 試験会場では、慕灼華は女性であることや定王との関係を噂され、嫉妬と敵意の視線に晒される。
  • 彼女は苦手な詩作を乗り越え、政策論では自らの信念に基づき、主流派に逆らう革新的な「共栄策」を論じる。
  • 見事17位で会試に合格。しかしその裏で、皇太后が彼女の存在を危険視し、身元調査を命じる。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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