【灼灼風流】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 宴の席で酒に酔った劉衍は、慕灼華に衝動的に口づけをし、ついに秘めていた想いを表に出しました。
  • しかし翌朝、劉衍は昨夜のことを「覚えていない」と嘘をつき、慕灼華を深く落胆させます。
  • 北涼の王子・耶沐憬が柔嘉公主に求婚しますが、沈驚鴻が見事な弓術を披露してその申し出を毅然と退けました。
  • 柔嘉公主は、死んだはずのかつての婚約者・薛将軍に酷似した、顔に傷を負う謎の男と出会います。

【灼灼風流】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する

思わぬ口づけから一夜明け、気まずい空気が流れる慕灼華と劉衍。第16話では、官吏としての使命感と、日に日に募る恋心との間で揺れ動く、慕灼華の切ない葛藤が描かれます。一方、北涼との外交、そして国内で発生した未曾有の災害が、彼女を新たな試練の舞台へと導いていきます。

「裏切り者は薛笑棠だ」――北涼王子との危険な取引

劉衍と慕灼華は、北涼の王子・耶沐憬の弱点である妓楼通いを利用し、彼との直接交渉に臨みます。耶沐憬は、劉衍が5年前に受けたはずの「淵羅の毒」から回復していることに探りを入れますが、劉衍は「南宸に名医は数多いる。失望したかな?」と余裕の笑みでかわします。

心理戦で追い詰められた耶沐憬に対し、慕灼華は畳みかけます。「定王殿下の体調は万全。第一皇子は北涼に対し敵意を隠さない。あなたは焦っているはずだ」。北涼国内の世継ぎ問題という彼の痛い所を突き、ついに耶沐憬は取引に応じました。5年前、拒馬河の戦いで南宸を裏切り、北涼に情報を流した人物の名を明かす、と。

そして、彼の口から告げられたのは、信じがたい名前でした。

「私に情報を流したのは、薛笑棠だ」

薛笑棠――それは、柔嘉公主のかつての婚約者であり、人望厚き驃騎将軍として、戦場で散ったはずの英雄の名でした。

「心を乱されるから」――距離を置く決意

北涼との衝突は回避できたものの、劉衍の心は重く沈んでいました。敬愛していた薛将軍が裏切り者だったという事実に、彼は深い衝撃を受けます。慕灼華は、それが南宸の内乱を誘うための耶沐憬の嘘かもしれないと分析し、傷心の劉衍を必死に励ましました。

しかし、彼に見つめられると、慕灼華の心は激しく波立ちます。先夜の口づけが、熱を帯びて蘇る。このままではいけない。官吏として大成するという夢を叶えるまで、恋にうつつを抜かすわけにはいかない。

後日、劉衍は彼女に問いかけます。「なぜ、最近私を避けるのだ」。その真っ直ぐな問いに、慕灼華は動揺を隠しながら、悲痛な決意を口にするのでした。

「殿下は洪水や猛獣ではございませんが、私の心を乱しますので

それは、彼への想いを認めた上での、苦しい決別宣言でした。

昇進の喜びと江南への道

北涼の王子・耶沐憬は、本国の世継ぎ争いに決着をつけるため、急遽帰国の途につきます。南宸に残された妹の耶沐蓁は、あの日の神業のような弓術を見て以来、沈驚鴻に密かな恋心を抱いていました。

その後、宮廷では新たな人事が発表されます。これまでの功績が認められ、沈驚鴻は正五品の戸部郎中へ、そして慕灼華は礼部主事へと、それぞれ昇進を果たします。官吏としての道を一歩一歩着実に進む喜びに、慕灼華の顔には笑みがこぼれました。

しかし、その喜びも束の間、江南地方で大規模な蝗害(いなごによる農業被害)が発生したという、国を揺るがす凶報がもたらされます。事態を重く見た皇帝は、第一皇子・劉琛を災害救済の責任者として現地へ派遣。そして、その補佐役として、実務能力と革新的な視点を持つ慕灼華と沈驚鴻に白羽の矢を立てたのです。

嫉妬の眼差しと届かない菓子

劉衍は、慕灼華が皇子たちの権力争いに巻き込まれることを危惧し、「これ以上、皇子の講師は引き受けるな」と忠告します。しかし、口づけの一件を「覚えていない」と言われた慕灼華には、その言葉が自分を遠ざけるための口実にしか聞こえません。彼に避けられているのだと、彼女は深く傷ついてしまいます。

そのすれ違いを知らない第一皇子・劉琛は、以前の非礼を詫び、慕灼華の才能を認める言葉をかけます。その素直な態度に、慕灼華も思わず笑顔に。しかし、その楽しげな二人の様子を、物陰から見ていた劉衍は、静かな嫉Gittoの炎に身を焦がしていました。

翌朝、慕灼華は劉衍との関係を修復しようと、手作りの菓子を手に彼の屋敷を訪れます。しかし、門番に「殿下はお会いになれない」と冷たく断られてしまいました。実は、劉衍は内傷が悪化し、床に伏していたのですが、慕灼華はそれを知る由もありません。「完全に拒絶された」と思い込んだ彼女は、届けられなかった菓子を手に、深く落ち込みながらその場を去るのでした。

【灼灼風流】16話を読んだ感想(ネタバレあり)

第16話、あまりにも切なくて胸がキュッとなりました…。慕灼華の恋心が痛いほど伝わってきて、彼女の葛藤に深く共感してしまいました。「心を乱されるから」という理由で、好きな人から距離を置こうとするなんて、なんて健気で、そして悲しい決意なのでしょう。

そして劉衍、あなたもあなたですよ!嫉妬しているのが見え見えなのに、どうして素直になれないのか!口づけを「覚えていない」なんて嘘をつくから、こんなにもどかしいすれ違いが生まれるんじゃないですか!と、思わず画面にツッコミを入れてしまいました(笑)。でも、そんな不器用さこそが彼の魅力でもあるんですよね。劉琛と楽しそうに話す慕灼華を見て、静かにメラメラしている姿は、人間味にあふれていて最高でした。

政治劇としても、薛将軍の裏切りという新たな謎や、江南の蝗害など、スケールの大きな問題が次々と出てきて、物語から目が離せません。官吏として大きな試練に立ち向かう慕灼華の活躍と、すれ違ってばかりの二人の恋の行方。江南という彼女の故郷で、一体何が起こるのか。次回の展開が待ちきれません!

【灼灼風流】16話のネタバレまとめ

  • 劉衍と慕灼華は北涼の王子・耶沐憬との交渉を通じ、5年前の拒馬河の戦いで国を裏切ったのが薛笑棠であるという衝撃的な情報を得る。
  • 慕灼華は、劉衍が「心を乱す存在」であると自覚し、官吏としての道に専念するため、彼と距離を置くことを決意する。
  • 慕灼華はこれまでの功績が認められ礼部主事に昇進するが、江南で発生した蝗害の救済のため、第一皇子・劉琛、沈驚鴻と共に現地へ派遣されることが決まる。
  • 劉衍は劉琛と親しげに話す慕灼華の姿に嫉妬を見せるが、口づけの一件を「覚えていない」と嘘をついたことで、二人の誤解は解けないまま、すれ違いが深まる。
  • 北涼の王女・耶沐蓁は、弓術の腕を見せた沈驚鴻に恋心を抱いていることが示唆される。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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