【灼灼風流】21話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 慕灼華は師・商老師の前で劉衍への恋心を認めましたが、官吏としての夢との間で葛藤していることを打ち明けました。
  • 劉衍も、彼女の夢の障害にはならないと固く誓います。
  • 慕灼華の妹・八妹妹の決死の直訴により、荘一族の悪事が暴かれ断罪されました。
  • 慕灼華はその功績を認められ、ついに礼部郎中に昇進します。
  • 劉衍は彼女の努力と才覚を称え、その全てを受け入れる深い包容力を見せ、二人の信頼関係はより一層強固なものとなりました。

【灼灼風流】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する

礼部郎中として新たなキャリアをスタートさせた慕灼華。第21話では、官吏としての彼女の成長と、劉衍への想いを自覚し始める一人の女性としての彼女の姿が、甘く切なく描かれます。男女が想いを伝え合う「同心節」を前に、彼女が選んだ贈り物とは…。

新たな職務と拭いきれない疑念

礼部郎中として初出仕の日。慕灼華は、かつて翰林院で彼女を嘲笑した同僚・方志遠と再会します。しかし、もはや彼の目に侮蔑の色はありません。「かつての自分は狭量だった」と非礼を詫びる彼に対し、慕灼華は「見解の違いに過ぎません」と寛大に受け入れます。彼女の人間的な成長と、官吏としての器の大きさが示される一幕でした。

しかし、平穏な日常の裏で、宮廷の闇はまだ晴れていません。荘文峰と荘自賢が「自害した」という公式発表に、慕灼華も劉衍も強い疑念を抱いていました。「決して自殺ではないはず」。二人は、その背後にいるであろう真の黒幕の存在を確信し、江南へ密かに調査の者を遣わすなど、真相究明への意志を新たにするのでした。

「なぜ彼に贈るのか」――恋心の自覚

やがて、男女が贈り物を交換し、想いを伝え合う「同心節」の日が近づいていました。柔嘉公主から宮中で開かれる宴への招待状を受け取った慕灼華。侍女の郭巨力は、目を輝かせて尋ねます。「殿下には何を贈るのですか?」。

その言葉に、慕灼華の心は揺れます。なぜ、彼に贈らなければならないのか。自分は官吏としての道を歩むと決めたはず…。そう自問自答しながらも、彼女の頭に浮かぶのは、劉衍の喜ぶ顔ばかり。これまで必死に「心を乱される」と避けてきた存在が、いつの間にか心を占める大きな存在になっていることに、彼女は気づき始めていました。

それぞれの片想い

その頃、沈驚鴻は柔嘉公主の元を訪れていました。そこで彼が目にしたのは、亡き婚約者・薛笑棠の肖像画を、愛おしそうに、そして悲しそうに指でなぞる公主の姿でした。彼女の心が、今もなお過去に囚われていることを痛感し、彼は静かにその場を去ります。自身の想いが届くことのない現実を前に、彼は弓の練習に没頭し、自らの手を傷つけても気づかないほど、深く心を痛めるのでした。

才能で勝ち取った特別な笛

劉衍への贈り物を探して街に出た慕灼華は、彼が笛を好むことを思い出し、都一番と評判の楽器店を訪れます。そこで彼女は、「独幽」と名付けられた一本の美しい笛に心を奪われました。

しかし、時を同じくして、孫家の令嬢・孫紜紜もその笛を欲しがり、二人は競り合うことになります。孫紜紜が「一万貫出すわ!」と金に物を言わせるのに対し、店の主人は静かに首を振ります。「この笛は金ではお売りできません。この世で最も価値のあるものと交換いたします」。

その言葉に、慕灼華は一瞬考えた後、毅然として告げました。

分かりました。私の才能で支払いましょう

江南の蝗害を救った探花としての名声、そしてその場で即興で詠んだ見事な詩。彼女の才覚に感服した店主は、喜んで「独幽」を彼女に託したのでした。金や権力ではなく、自らの知性と才能で道を切り開く。彼女の生き様そのものが凝縮されたような、痛快な一幕でした。

贈られた笛と受け取られなかった笛

同心節の宴。その席で、皇太后が孫紜紜を劉衍の妃候補として考えていることが、周囲の会話から明らかになります。その孫紜紜は、劉衍に「霊犀」という名の笛を贈ろうとしますが、彼は「そのお気持ちだけ、受け取っておこう」と、やんわり、しかしきっぱりとそれを拒絶します。

その直後、慕灼華が劉衍の元へ。彼女は、手作りの菓子と、そして苦労して手に入れた「独幽」を、少し照れながら彼に差し出します。劉衍は、静かにそれを受け取ると、穏やかな笑みを浮かべました。

誰からの贈り物も受け取らなかった彼が、自分の贈り物だけは受け取ってくれた。その事実に、慕灼華の心は静かな喜びと、確かな手応えで満たされるのでした。

【灼灼風流】21話を読んだ感想(ネタバレあり)

第21話、慕灼華の官吏としての成長と、一人の女性としての可愛らしさの両面が見られて、非常に満足度の高い回でした!かつて自分を馬鹿にした同僚と和解する姿には、彼女の器の大きさを感じてじーんときましたね。

そして、同心節の贈り物選び!劉衍のことを考えながら、あれこれ悩む姿は、恋する乙女そのもので、見ていてとても微笑ましかったです。これまで必死に彼を「避けていた」彼女が、自ら「贈る」という行動に出た。この大きな心の変化に、こちらも嬉しくなってしまいました。特に、お金ではなく「才能で支払う」と言って笛を手に入れるシーンは、彼女らしくて最高にかっこよかったです!

一方で、沈驚鴻の切ない片想いには胸が痛みました…。彼の想いが報われる日は来るのでしょうか。柔嘉公主の心の傷が、少しでも癒えることを願わずにはいられません。

ラストの宴のシーンも良かったですね。他の女性には目もくれず、慕灼華の贈り物だけを特別に受け取る劉衍。これ以上ないくらい、分かりやすい愛情表現じゃないですか!二人の心がゆっくりと、しかし確実に近づいていることが伝わってきて、次回の展開がますます楽しみになりました。

【灼灼風流】21話のネタバレまとめ

  • 礼部郎中となった慕灼華は、かつて対立した同僚とも和解し、新たな職務を順調にスタートさせる。
  • 荘一族の「自害」に疑問を抱き、劉衍と共に真相究明の意志を固める。
  • 男女が贈り物を交換する「同心節」を前に、慕灼華は劉衍への贈り物を選ぶ中で、彼への特別な想いを自覚していく。
  • 楽器店で、金ではなく自らの「才能」を対価に、最高級の笛「独幽」を手に入れる。
  • 宴の席で、劉衍は他の女性からの贈り物を全て断るが、慕灼華からの笛だけは喜んで受け取り、二人の絆が深まる。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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