【灼灼風流】27話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 劉衍と対峙した皇太后は、追い詰められ、雲妃殺害や拒馬河の戦いの陰謀など、これまでの罪を全て自白しました。
  • 母と弟の板挟みとなった皇帝・劉俱は、心労のあまり吐血し、劉衍の腕の中で崩御してしまいます。
  • 柔嘉公主は再会した薛笑棠を、「裏切り者」として自らの手で刺殺しました。
  • 柔嘉公主こそが、母の復讐のために長年計画を練ってきた真の黒幕の一人であることが判明し、皇太后は絶望の淵に突き落とされました。

【灼灼風流】第27話をネタバレありでわかりやすく解説する

皇帝崩御という未曾有の国難。そして、聖女の仮面の下から現れた、恐るべき復讐者・柔嘉公主。第27話では、残された者たちが悲しみに暮れる間もなく、南宸の次期皇帝の座を巡る、新たな権力闘争の火蓋が切られます。公主の野望を阻止するため、劉衍が打った起死回生の一手とは。

全ては復讐のために――公主の告白

絶望と錯乱の中で泣き叫ぶ皇太后。その前に、氷のように冷たい表情の柔嘉公主が、自らの長年にわたる復讐計画の全貌を語り始めます。

済善堂を隠れ蓑にして張り巡らせた情報網。劉衍と皇太后を食い合わせるために、わざと袁成明の墓を建てさせたこと。薛笑棠を駒として利用し、皇太后自身の口から罪を告白させたこと。その全てが、母を殺されたあの日から始まった、彼女のシナリオ通りだったと。

しかし、彼女は続けます。「父上までが亡くなるのは誤算でした。父上は、あなたが殺したのです」。皇帝の死の責任までも皇太后に押し付け、彼女を精神的に追い詰めていくのでした。

「欲しいのはあなたの心だ」――沈驚鴻の悲痛な叫び

一方、柔嘉公主は腹心である沈驚鴻に、自らの真の目的を打ち明けていました。「民が安心して暮らせる世を作る。そのためには、私が帝位に就かねばならない」。女帝になるという、あまりにも大胆な野望。そして、彼女はその計画の要として、皇帝の筆跡を完璧に模倣できる彼に、偽の遺言書の作成を命じます。

「成功の暁には、あなたを丞相に任じましょう」という彼女の言葉に、沈驚鴻は悲痛な表情で訴えます。

私が欲しいのは、そのような地位ではない。私が欲しいのは、あなたの心だけだ

しかし、公主は「情は災いを招くだけ。私の心など、あなたには無用です」と、彼の純粋な想いを冷たく突き放すのでした。愛さえも、彼女にとっては野望を叶えるための道具に過ぎなかったのです。

二つの遺言書と定王の切り札

皇帝崩御後、重臣たちが集う朝議の場で、先帝の遺言書が開封されます。そこには、第二皇子・劉瑜を新皇帝に指名すると記されていました。長男である第一皇子・劉琛を差し置いての指名に、場は「捏造だ!」という怒号に包まれ、騒然となります。

その混乱を静めるように、一人の男が静かに進み出ました。劉衍です。

「お待ちいただきたい。陛下は、もう一部の遺言書を、万が一の時のためにと私に託されていた」

彼が懐から取り出した、もう一つの遺言書。そこには、正統な後継者として、第一皇子・劉琛に帝位を継がせると、はっきりと記されていました。先帝は、自らの死後に起こりうる内紛と遺言書の偽造を予期し、最も信頼する弟に、真の遺言を託していたのです。

北涼の間者の仕業――混乱の収拾

二つの異なる遺言書の出現に、朝廷はさらなる混乱に陥ります。この絶好の機会を、劉衍は見逃しませんでした。彼は高らかに宣言します。

これは、皇室の内紛ではない!南宸を内部から崩壊させようと企む、北涼の間者の仕業に違いない!

彼は、偽の遺言書を作成した犯人を外部の敵に仕立て上げることで、皇室の醜聞が天下に知れ渡るのを防ぎ、同時に国内の結束を促したのです。

そして、「帝位の空席は、国を危うくする」と述べ、正統な後継者である劉琛の即位式を速やかに行うよう進言。弟である第二皇子と第三皇子は、謀反の疑いをかけられぬよう、保護の名目のもとに自らの定王府で預かることにしました。

劉衍の見事な政治手腕によって、柔嘉公主の最初の企みは鮮やかに打ち砕かれ、劉琛が新皇帝として即位。しかし、玉座を見つめる公主の野望の炎は、まだ少しも衰えてはいませんでした。

【灼灼風流】27話を読んだ感想(ネタバレあり)

第27話、息もつかせぬ展開に、ただただ圧倒されました。特に、柔嘉公主の恐ろしさには、改めて震えが止まりません。母の復讐という大義名分を掲げながら、その実、自らが権力の頂点に立とうとする彼女の野心は、もはや皇太后をも超える怪物性を感じさせます。愛する人の心さえも、平然と駒として利用する彼女の姿には、底知れぬ恐ろしさを感じました。

一方で、そんな彼女の策略を、一枚も二枚も上回る知略で見事に打ち破った劉衍の姿には、最高にスカッとしました!「二つの遺言書」という展開には驚かされましたが、最後まで弟を信じ、国の未来を託した先帝の想いにも胸が熱くなりました。

そして、今回最も胸が痛んだのは、沈驚鴻です。愛する女性のために、国を揺るがす大罪に手を染めてしまうなんて…。彼の純粋な想いが、最も残酷な形で利用されてしまう展開は、見ていて本当に辛かったです。彼がこの先、どのような道を歩むのか、幸せになってほしいと願わずにはいられません。

慕灼華の出番は少なめでしたが、兄を失い、国の命運を一身に背負うことになった劉衍を、彼女がどう支えていくのか。新皇帝が誕生し、新たな体制となった南宸で、二人がどう生きていくのか、最終章に向けて目が離せません!

【灼灼風流】27話のネタバレまとめ

  • 柔嘉公主は、自らが長年練り上げてきた復讐計画の全貌を皇太后に明かし、精神的に追い詰める。
  • 彼女は女帝になるという野望のため、沈驚鴻に命じて偽の遺言書を作成させ、皇位継承に介入しようと企む。
  • 朝議で第二皇子を後継者とする偽の遺言書が公開されるが、劉衍が先帝から託されたもう一つの本物の遺言書を提示する。
  • 劉衍の機転により、偽の遺言書は北涼の間者の仕業とされ、第一皇子・劉琛が新皇帝として無事即位し、柔嘉公主の最初の企みは阻止される。
  • 沈驚鴻は、公主に利用されていると知りながらも、彼女への想いを断ち切れず、偽造に加担してしまう。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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