【灼灼風流】28話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 慕灼華の祖父の遺書と薛笑棠の告白により、劉衍の母・雲妃の死の真相と、5年前の拒馬河の戦いの黒幕が皇太后であることが確定しました。
  • 全ての証拠を掴んだ劉衍は、薛笑棠を生き証人として皇太后との直接対決に臨みました。
  • 追い詰められた皇太后でしたが、まだ奥の手を隠している様子で、物語は最終局面に突入していました。

【灼灼風流】第28話をネタバレありでわかりやすく解説する

長年の宿敵であった皇太后を追い詰め、全ての因縁に決着がつくかに見えた矢先、定王・劉衍にあまりにも残酷な運命が宣告されます。第28話は、自らの余命を悟った彼が、愛するがゆえに下す、最もつらく悲しい「別れ」の決断を描く、涙なしには見られないエピソードです。

「穏やかに暮らせ」――皇子たちへの最後の温情

新皇帝の世を盤石にするため、劉衍は謀反の疑いがあった弟の二皇子・劉瑜と三皇子を自らの屋敷に呼び寄せ、最後の采配を下します。彼らを天牢に入れなかったのは、皇太后派による私刑から守るためだったと真意を明かし、「お前は義理人情に薄く、帝位につけば劉琛を殺していただろう」と二皇子の本性を見抜いた上で、彼らの野心を完全に断ち切ります。

そして、「今後はそれぞれの領地に赴き、穏やかに暮らせ」と、最大限の温情をかけるのでした。しかし、その言葉を言い終えた瞬間、彼の体は限界を超え、激しく喀血し倒れてしまいます。診察した太医が下した診断は、「油尽灯枯(命の灯火が尽きようとしている)、もはや回天の術なし」という、非情な余命宣告でした。

「恨まれる方が、懐かれるよりいい」

慕灼華が血相を変えて駆けつけますが、劉衍は気丈にも「大丈夫だ」と嘘をつき、彼女を冷たく追い返してしまいます。彼女の背中を見送りながら、彼は静かに、しかし固い決意を固めていました。「今こそ、去る時だ」と。

「なぜ真実をお話しにならないのですか!」と食い下がる側近たちに、彼は静かに首を振ります。

何も告げずに残して逝くより、いっそ恨まれる方が彼女のためだ。朽ち木のような私が、彼女の輝かしい未来を縛るわけにはいかない

それは、彼女の幸せだけを願う、彼の最後の、そして最大の愛情表現でした。彼は自らの全財産を慕灼華の名義に移すよう手配すると、彼女に最も嫌われるための、最も残酷な別れの準備を始めるのでした。

涙の告白と断ち切られる糸

その頃、宮廷では柔嘉公主が、体が麻痺し言葉も話せなくなった皇太后を世話しながら、自らの勝利を誇示していました。しかし、劉衍が遺言書偽造の件を嗅ぎまわっていると知ると、彼女は一転して窮地に。長年自分に仕えてきた叔父(内官)に「もし露見すれば、私は終わりです」と涙ながらに助けを求め、全ての罪を彼になすりつけ、自害へと追い込むのでした。彼女の野望の前では、長年の忠誠心さえも無価値だったのです。

一方、慕灼華は、朝議に劉衍の姿が見えないことに、日に日に不安を募らせていました。彼を訪ねても会うことはできず、明らかに避けられていると感じる日々。そんなある日、屋敷に帰った彼女は、庭の文机の上に、一通の手紙が置かれているのを見つけます。

それは、劉衍からの、あまりにも一方的で、冷たい別れの言葉が綴られた手紙でした。

「達者で暮らせ」――あまりにも冷たい別れの言葉

「そなたは官吏として大成するだろう。私は私の道を行く。二度と会うことはない。達者で暮らせ」

その無慈悲な言葉を、慕灼華は何度も何度も読み返します。二人が心を通わせたあの夜も、共に過ごした時間も、全てが幻だったのか。手紙を握りしめ、涙に暮れる慕灼華。しかし、彼女はただ悲しみに打ちひしがれるだけの女性ではありませんでした。新皇帝との会話の中で、彼が静養のために「越州」へ向かったという情報を聞き出すと、彼女はすぐさま決意を固めます。真実を確かめるために、彼を追って越州へ向かう、と。

【灼灼風流】第28話を読んだ感想(ネタバレあり)

第28話、あまりにも切なくて、涙が止まりませんでした…。劉衍の自己犠牲の愛は、確かに崇高で美しいのかもしれませんが、あまりにも残酷すぎます。「恨まれる方がいい」なんて、そんな悲しい決断をしないでほしかった。慕灼華の気持ちを思うと、胸が張り裂けそうです。

何も知らされずに、あんな冷たい手紙一本で一方的に別れを告げられるなんて、どれほど辛いことか。それでも彼を信じ、真実を確かめるために、すぐに彼を追いかけようと決意する慕灼華の強さには、改めて心を打たれます。彼女ならきっと、劉衍の固く閉ざした心の扉をこじ開けてくれるはずだと信じたいです。

柔嘉公主の非情さにも、今回は改めてゾッとしました。自分のために長年尽くしてくれた叔父でさえも、平然と犠牲にするなんて…。彼女の野望の先に、本当に民の幸せがあるのか、疑問を感じずにはいられません。

ドラマでよくある展開だと分かってはいても、「残り少ない命なら、愛する人と一緒に過ごせばいいじゃないか!」と思わず叫んでしまいました。でも、それを選ばないのが劉衍という男の不器用な愛情なのでしょうね。二人のすれ違いが、本当にもどかしい回でした。

【灼灼風流】28話のネタバレまとめ

  • 劉衍は体内の毒が悪化し、太医から「回復の見込みはない」という非情な余命宣告を受ける。
  • 彼は自らの死期を悟り、慕灼華の輝かしい未来を縛らないために、彼女に嫌われることで別れようと決意する。
  • 劉衍は全財産を慕灼華に譲る手配をし、冷たい別れの手紙を残して、都を去る準備を進める。
  • 柔嘉公主は、遺言書偽造の罪を叔父になすりつけ、彼を自害に追い込むことで、自らの罪を隠蔽する。
  • 慕灼華は、劉衍の真意を知らないまま、彼を追って越州へ向かうことを決意する。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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