【灼灼風流】29話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 劉衍は体内の毒が悪化し、太医から余命宣告を受けました。
  • 彼は自らの死期を悟り、慕灼華の未来を縛らないために、彼女に嫌われることで別れようと決意します。
  • 劉衍は全財産を慕灼華に譲る手配をし、冷たい別れの手紙を残して都を去る準備を進めました。
  • 慕灼華は、劉衍の真意を知らないまま、彼を追って越州へ向かうことを決意します。

【灼灼風流】第29話をネタバレありでわかりやすく解説する

愛するがゆえに、あまりにも残酷な別れを決意した劉衍。そして、その真意を知らぬまま、ただ彼を信じて追いかける慕灼華。第29話では、すれ違い続けた二人の心が、土砂降りの雨と美しい夕陽の下で、ついに一つになります。涙なくしては見られない、感動のクライマックスです。

「理由があるはず」――雨に打たれ待ち続ける想い

劉衍を追って、はるばる越州までやってきた慕灼華。しかし、彼女を待っていたのは、「色恋沙汰に疲れた」という、あまりにも冷たい拒絶の言葉でした。彼は屋敷の門を固く閉ざし、慕灼華を中に入れようとしません。

しかし、慕灼華は引き下がりませんでした。「突然そんなことを言うなんて、何か理由があるはずだわ」。彼の言葉の裏にある苦悩を、彼女は直感で感じ取っていたのです。彼女は、降りしきる冷たい雨の中、ただひたすらに門の前で彼が出てくるのを待ち続けました。朝から晩へ、そして夜へ。その一途な姿は、どんな言葉よりも雄弁に、彼女の揺るぎない想いを物語っていました。

降り続く雨に打たれ、ついに彼女の体が限界を迎え、崩れ落ちそうになったその瞬間。固く閉ざされていた屋敷の扉が開き、劉衍が彼女の体を強く、そして優しく抱きとめたのでした。

「もし本当に嫌なら、なぜ助けたのですか?」

意識を取り戻した慕灼華のそばには、彼女を懸命に看病する劉衍の姿がありました。しかし、彼はまだ素直になれません。「侍女が世話をしただけだ。お前は都に帰れ」と、あくまで冷たい態度を崩さないのです。

だが、今の慕灼華は、もう彼の嘘に惑わされはしませんでした。部屋に充満する強い薬の匂い。彼自身のやつれた表情。彼女は、彼が重い病に侵されていることを確信します。「いつも一人で抱え込むのですね」。彼の本質を突くその言葉に、劉衍は動揺を隠せません。そして、慕灼華は真っ直ぐに彼の瞳を見つめ、問い詰めました。

もし本当に私が嫌なら、なぜ雨の中から助けてくれたのですか?

その言葉は、彼が築いた最後の心の壁を、打ち砕くのに十分でした。

公主の野心と沈驚鴻の役割

その頃、都では、劉衍が不在となったことを好機と捉えた柔嘉公主が、本格的に動き始めていました。母の墓前で「誰にも私の道は邪魔させない」と、女帝への野望を新たにした彼女は、腹心である沈驚鴻を呼び出し、貴族の権力を削ぐための朝廷改革案を進言するよう指示します。それは、劉衍が守ろうとした国の安定を、自らの野望のために揺るがす、危険な賭けでした。

「今度は私が守る番」――夕陽の誓い

越州の屋敷。追い詰められた劉衍は、ついに自らの病状を告白します。「もう先は長くない。お前の貴重な時間を、私のような者で無駄にするな」。

しかし、その弱々しい言葉を聞いた慕灼華は、これまでに見せたことのない力強い光をその瞳に宿し、宣言しました。

勝手に決めつけないで!これまでずっと、私は貴方に守られてきました。今度は、私が貴方を守る番です!

それは、もはや守られるだけの存在ではない、彼と対等なパートナーとして、共に未来を歩むという彼女の覚悟の表れでした。その言葉に、劉衍の心は完全に解き放たれます。「そなたのために去ったのに、余計に苦しめる結果となった…」。彼は自らの過ちを認め、「たとえ明日死ぬことになっても、今日を後悔したくない。そばにいてほしい」と、初めて素直な想いを口にするのでした。

夕陽が部屋を暖かく照らす中、二人は全ての障壁を乗り越え、深い口づけを交わします。それは、新たな始まりを誓う、再生の口づけでした。慕灼華の不退転の決意のもと、劉衍の本格的な治療が始まります。彼女の卓越した鍼灸術と、都から駆けつけた趙院使の協力により、彼の体を長年蝕んできた毒は、ついにその身から取り除かれていくのでした。

【灼灼風流】29話を読んだ感想(ネタバレあり)

第29話、文句なしの神回でした!これまでのすれ違いやもどかしさが、全てこの瞬間のためにあったのだと納得できる、最高の展開でしたね。雨の中、びしょ濡れになりながらも劉衍を待ち続ける慕灼華の姿には、彼女の一途な想いの強さが表れていて、涙腺が緩みっぱなしでした。

そして、「今度は私が守る番です!」という彼女の宣言!かっこよすぎます!守られるだけのか弱いヒロインではなく、愛する人と共に立ち向かい、自らの手で運命を切り開いていく。これこそが、私たちが慕灼華というキャラクターを愛する理由なのだと、改めて感じました。

夕陽の中での口づけシーンは、映像も相まって本当に美しく、二人の心がようやく完全に結ばれたことに、心から「よかったね…!」と声をかけたくなりました。劉衍の毒があっさり解毒されていく展開には、少し「ご都合主義かな?」と思わなくもなかったですが、これまでの二人の苦難を思えば、このくらいの奇跡は許されて当然ですよね!

一方で、柔嘉公主の野望が本格的に動き出し、都の情勢はますます不穏に。二人が手に入れた幸せな時間が、長く続くことを願わずにはいられません。

【灼灼風流】29話のネタバレまとめ

  • 劉衍を追い越州へ向かった慕灼華は、一度は冷たく突き放されるも、雨の中で待ち続け、倒れそうになったところを劉衍に助けられる。
  • 慕灼華は劉衍が重い病に侵されていることを看破し、「今度は私が貴方を守る」と力強く宣言する。
  • 劉衍もついに本心を明かし、二人は夕陽の下で口づけを交わし、共に未来を歩むことを誓う。
  • 慕灼華の懸命な治療と趙院使の協力により、劉衍の体を長年蝕んできた毒は、ついに取り除かれる。
  • 都では、柔嘉公主が女帝になるという野望のため、沈驚鴻を利用して朝廷改革を仕掛け始める。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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