【灼灼風流】37話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ついに公認の仲となった慕灼華と劉衍は、人目をはばからず、幸せな時間を過ごし始めました。
  • 柔嘉公主は、皇帝・劉琛と劉衍の間に不和を生じさせるための策略を巡らせ、兄弟の絆に亀裂が入り始めます。
  • 北涼の王女・耶沐蓁が、沈驚鴻に「5年前の拒馬河の戦いで三万の将兵を見殺しにした真の黒幕は、柔嘉公主だ」という衝撃の事実を告げました。
  • 公主の策略通り、皇帝・劉琛は劉衍への不信感を募らせ、彼に謹慎を命じてしまいます。

【灼灼風流】第37話をネタバレありでわかりやすく解説する

柔嘉公主の策略が、ついに南宸の根幹を揺るがす最大の危機を引き起こします。第37話では、国を守り続けた英雄・劉衍が、謀反というありもしない罪を着せられ、天牢へと投獄されるという衝撃の展開が描かれます。絶体絶命の窮地に立たされた彼と、彼を救うために奔走する慕灼華。二人の愛と、国の未来が、今、試されます。

「権力のためなら何でも犠牲にするのか」――沈驚鴻の拒絶

自らが信じた正義の果てに、友の死と絶望があった。沈驚鴻は、柔嘉公主の元を訪れ、苦悩に満ちた声で問い詰めます。「帝位に就くためなら、何をやってもいいというのですか」。

しかし、公主は冷たく言い放ちます。「大業のためには、小さな犠牲はつきものよ」。その言葉に、沈驚鴻は完全に心を決しました。理想を失い、権力の魔物と化した彼女とは、もう同じ道を歩めない、と。

「もし私がいなくなったら…」――不安の吐露

謹慎中の劉衍の体は、限界に近づいていました。皇帝との言い争いは、彼の心を深く傷つけ、持病の咳はますますひどくなるばかり。慕灼華は、そんな彼を懸命に看病しながら、「陛下との関係は、もっと慎重になるべきです」と諭します。

その言葉に、劉衍は弱々しく笑い、ふと本音を漏らしました。 「もし、私がいなくなったら…お前は、どうする?

それは、自らの死期を悟った男の、あまりにも切ない問いでした。慕灼華は、込み上げる涙を必死にこらえ、努めて明るく答えます。「殿下がいなくても、私は逞しく生きていきますわ。ご心配なく」。その強がりの裏にある深い愛情を、劉衍は静かに受け止めていました。

仕組まれた告発と天牢への道

そして、運命の朝議の日。柔嘉公主と手を組んだ周氏をはじめとする貴族たちが、まるで示し合わせたかのように、一斉に劉衍を弾劾し始めます。「兵の私物化」「俸禄の着服」、そして極めつけは、「先帝崩御の日に、定王は密かに兵を動かしておりました!これは謀反にございます!」という、でっちあげの罪状でした。

叔父が兄の死に関与していたかもしれない。その言葉に、若き皇帝・劉琛は激しく動揺し、怒りに我を忘れます。慕灼華が「どうかご冷静に!調査もせずに罰するのですか!」と必死に訴えるも、もはや彼の耳には届きません。ついに、皇帝は叔父である劉衍を天牢に投獄するよう、非情な命令を下してしまうのでした。

慕灼華が駆けつけた時には、時すでに遅し。しかし、捕縛される劉衍の姿に、悲壮感はありませんでした。彼は一切の抵抗を見せず、自らの潔白を主張することもなく、ただ従容として縄につきます。その潔い姿は、彼の無実を何よりも雄弁に物語っていました。

暴走する兵と定王の檄

英雄・劉衍投獄の報は、瞬く間に国中に広まり、彼が手塩にかけて育て上げた蒼梧軍の兵士たちを激怒させます。主君を救うため、彼らは武器を手に取り、都へと進軍を開始。南宸は、国を二分する内乱勃発の危機に瀕するのでした。

事態を重く見た沈驚鴻は、皇帝に進言します。「この騒ぎを鎮められるのは、定王殿下、ただ一人にございます」。

天牢から城壁の上へと連れ出された劉衍。眼下には、怒りと悲しみに満ちた兵士たちの姿がありました。彼は、最後の力を振り絞り、彼らに向かって檄を飛ばします。

聞け!我らの使命は、この南宸の安寧と、そこに暮らす民を守ることだ!私一人のために、国を乱すことは、断じて許さん!皆、持ち場へ戻れ!

その魂の叫びに、兵士たちは涙ながらに武器を収め、静かに撤退していくのでした。絶体絶命の状況にあっても、国と民を第一に思う。それこそが、彼が真の英雄である所以でした。

【灼灼風流】37話を読んだ感想(ネタバレあり)

第37話は、あまりにも理不尽な展開の連続で、見ていて本当に悔しく、胸が詰まりました。柔嘉公主の策略が、ここまで人の心を巧みに操るとは…。そして、あれほど叔父を信頼していたはずの劉琛が、いとも簡単に讒言を信じてしまったことには、若さゆえの脆さとはいえ、正直がっかりしてしまいました。

しかし、そんな絶望的な状況の中で、劉衍の態度は終始一貫して、あまりにも立派で、気高く、そして美しかったです。潔く罪を受け入れ、自らを救おうと駆けつけた兵たちを逆に諌める。その姿は、まさに国の守護神そのもの。彼の高潔な精神に、改めて深く感動しました。

慕灼華が、ただ嘆き悲しむのではなく、冷静に「証拠を探すしかない」と前を向く姿も頼もしかったですね。彼女なら、きっとこの絶望的な状況を覆す一手を打ってくれるはず。そう信じさせてくれる力強さがありました。

そして、沈驚鴻。彼がようやく、柔嘉公主の本当の恐ろしさと、劉衍の真の偉大さに気づき始めたように見えました。彼が最後にどちらの「正義」を選ぶのか。それが、今後の物語の大きな鍵を握っていることは間違いありません。

【灼灼風流】37話のネタバレまとめ

  • 柔嘉公主の策略により、朝議で大臣たちが一斉に劉衍を弾劾。先帝崩御に関与したという、ありもしない謀反の罪まで着せられる。
  • 皇帝・劉琛は讒言を信じ、激怒のあまり叔父である劉衍を天牢に投獄するよう命じてしまう。
  • 慕灼華は、劉衍の無実を証明するため、悲しみをこらえ、冷静に証拠探しに奔走する。
  • 劉衍投獄の報を聞いた蒼梧軍の兵士たちが、主君を救うために都へ進軍。国は内乱の危機に瀕する。
  • 劉衍は城壁の上から、自らの言葉で兵士たちを説得し、見事に騒ぎを鎮める。その高潔な姿に、沈驚鴻は心を揺さぶられる。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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