【灼灼風流】38話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 柔嘉公主の策略により、朝議で大臣たちが一斉に劉衍を弾劾。謀反という濡れ衣を着せられました。
  • 皇帝・劉琛は讒言を信じ、叔父である劉衍を天牢に投獄するという苦渋の決断を下します。
  • 慕灼華は、劉衍の無実を証明するため、悲しみをこらえ、冷静に証拠探しに奔走し始めました。
  • 劉衍投獄の報に激怒した蒼梧軍が都へ進軍しますが、劉衍自らが彼らを説得し、内乱の危機を回避しました。

【灼灼風流】第38話をネタバレありでわかりやすく解説する

英雄の、あまりにも早すぎる最期。第38話は、この物語における最大の悲劇、定王・劉衍の死が描かれます。柔嘉公主の非情な策略がついに一線を越え、慕灼華は愛する人を失い、絶望の淵へと突き落とされます。衝撃と悲しみに満ちた、涙なくしては見られないエピソードです。

「欲しいのは権力」――毒酒をあおる英雄

「皇帝陛下より、賜死の酒を賜った」。柔嘉公主は、その言葉と共に、一献の毒酒を手に天牢の劉衍を訪れます。もはや、慈愛に満ちた聖女の面影はどこにもありません。

劉衍は、死を前にしても、その瞳の光を失ってはいませんでした。彼は静かに、最後の問いを投げかけます。「拒馬河の戦いで、薛笑棠に北涼の密偵の情報を伝えたのは、お前だな」。

公主は、悪びれる様子もなく、堂々とそれを認めます。「私が欲するのは、母の復讐などという小さなものではありません。この天下を統べる、絶対的な権力です」。

全てを悟った劉衍は、静かに毒酒の杯をあおりました。彼は、自らの死さえも、彼女の野望を暴くための布石と考えていたのかもしれません。

慟哭――雨に濡れた亡骸

その頃、慕灼華は、劉衍を救う最後の望みを懸け、皇姑祖の元を訪れていました。「どうか、誅邪剣をお貸しください!」。彼女の必死の懇願に、皇姑祖は自らの杖に隠していた伝説の剣を託します。

一縷の望みを胸に、慕灼華は大理寺へと馬を走らせます。しかし、彼女がそこに到着した時、目の前に広がっていたのは、あまりにも残酷な光景でした。

冷たい雨が降りしきる中、白い布をかけられ、静かに横たわる劉衍の亡骸。信じられない、と駆け寄る慕灼華。彼女は冷たくなった彼の体を抱きしめ、天を裂くような、悲痛な叫び声を上げるのでした。

その傍らで、柔嘉公主が勝ち誇ったように嘲笑います。「剣を手にしたところで、もう遅い。この勝負、勝ったのは私ですわ」。そのあまりに非情な姿を、物陰から見ていた男がいました。沈驚鴻です。彼の目に浮かんでいたのは、かつて愛した女性への、完全な決別と軽蔑の色でした。

夢の中の再会と復讐の誓い

「罪人に、手厚い葬儀は不要」。兄の死に心を痛めながらも、非情な皇帝を演じなければならない劉琛は、叔父を粗末に埋葬するよう命じます。その報を聞いた孫紜紜は、完全に正気を失い、叶うことのなかった婚礼のための赤い嫁衣を身にまとい、狂ったように街をさまようのでした。

一方、慕灼華は、悲しみのあまり三日三晩、飲まず食わずで部屋に閉じこもります。やがて、彼女はふらふらと劉衍の屋敷を訪れ、彼が贈ってくれた玉佩を握りしめました。そして、二人が共に過ごした思い出の林へと向かうと、そこには、幻のように、優しく微笑む劉衍の姿がありました。

あなたがいなくても生きていけると思ったのは、間違いでした…」。

涙ながらに本心を告白する慕灼華。それは儚い夢でしたが、彼女の心を再び奮い立たせるには十分でした。「必ず、あなたの無実を証明し、冤罪を晴らします」。彼女は、涙を拭い、劉衍の、そして自らの尊厳を取り戻すための、静かなる復讐を誓うのでした。

新たな戦いの始まり

執剣から、柔嘉公主と内通していた貴族たちの名簿を受け取った慕灼華は、一連の弾劾が全て、劉衍を陥れるために周到に計画された罠であったことを悟ります。

そして、彼女の推測通り、公主は劉衍の死を利用し、都に「忠臣を殺した暴君」という噂を流し始めました。皇帝・劉琛の権威を失墜させ、自らが玉座に就くための、次なる策略は、すでに始まっていたのです。

【灼灼風流】38話を読んだ感想(ネタバレあり)

第38話、あまりにも衝撃的で、悲しすぎて、見終わった後、しばらく言葉を失いました。まさか、本当に劉衍が死んでしまうなんて…。慕灼華が雨の中、彼の亡骸を抱きしめて泣き叫ぶシーンは、涙なしには見られませんでした。彼女の慟哭が、今も耳から離れません。

柔嘉公主の非情さには、もはや怒りを通り越して、寒気すら覚えます。自らの野望のためなら、叔父の命さえも平然と奪う。彼女をここまで怪物に変えてしまったのは、一体何だったのでしょうか。

しかし、このままでは終わらないはずです。悲しみの淵から立ち上がり、復讐を誓った慕灼華の瞳には、以前よりも強く、そして鋭い光が宿っていました。ここからが、彼女の本当の逆転劇の始まりなのだと信じたいです。「ドラマでありがちな仮死状態であってほしい」と心のどこかで願いつつも、彼女が劉衍の無念を晴らし、公主の野望を打ち砕いてくれることを、固唾をのんで見守りたいと思います。沈驚鴻も、ついに公主の本当の姿を目撃しました。彼が慕灼華の力となってくれることを期待せずにはいられません。

【灼灼風流】38話のネタバレまとめ

  • 柔嘉公主は「皇帝の命令」と偽り、天牢にいる劉衍に毒酒を飲ませ、殺害する。
  • 慕灼華は皇姑祖から「誅邪剣」を授かるが、一足遅く、劉衍の死に直面し慟哭する。
  • 沈驚鴻が、劉衍の亡骸の前で嘲笑う柔嘉公主の姿を目撃し、彼女との完全な決別を決意する。
  • 悲しみの淵から立ち直った慕灼華は、劉衍の無実を証明し、真の黒幕である柔嘉公主に復讐することを固く誓う。
  • 柔嘉公主は、劉衍の死を利用して「皇帝は暴君だ」という噂を流し、自らが帝位に就くための次なる策略を始める。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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