【ばけばけ】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 父・司之介は、一攫千金を狙ってウサギの転売ビジネスを始めました。
- 祖父・勘右衛門は猛反対するものの、父を想うトキの涙の訴えにより、一家は司之介を応援します。
- 商売は当初大成功し、松野家はかつてないほどの裕福で明るい時間を取り戻しました。
- 成功に気を大きくした司之介は、さらに借金をして事業を拡大しようとします。
- トキは借金のかたに売られていく人々の中に、父のビジネスパートナーである金成の姿を目撃。その夜、司之介は家に帰ってきませんでした。
【ばけばけ】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する
束の間の幸福から一転、父・司之介が姿を消し、再び暗雲が立ち込めた松野家。第4話は、家族の再生への祈りと、あまりにも残酷な現実が描かれる、涙なしには見られない回となりました。
10日間の沈黙と父との再会
司之介(岡部たかし)が姿を消してから、10日の月日が流れていました。家族は不安を募らせながらも、必死に彼を探し回ります。学校へ行く道すがらも父の姿を探すトキ(福地美晴)。道端で亡くなっている浮浪者を見つけ、それが父ではないことに「良かった」と安堵の息を漏らす姿は、彼女がどれほど追い詰められているかを物語っています。
その日も父を探し歩いていたトキは、橋の上から宍道湖のほとりに、浮浪者のような格好をした父の姿を見つけます。トキの姿に気づき、逃げ出そうとする父。しかし、トキは必死に追いかけ、その体に抱きつきました。
帰るよ。何があったかなんて関係ない。生きてるだけで、十分だけん。
何があっても、ただ生きていてくれればいい。少女の魂からの叫びは、父の心を強く揺さぶります。
父が仕掛けた残酷な罠
そこへ母のフミ(池脇千鶴)も駆けつけ、「あなたがいないと美味しくないのよ。大好きなしじみ汁がちっとも」と涙ながらに訴えます。二人の言葉に、司之介はついに家に帰ることを決意しました。しかし、彼の口から続いたのは、耳を疑うような言葉でした。
しじみ汁をたべて、あ~言えればそれでよいか。父が帰って、4人で楽しく暮らせるればそれでよいか。
トキが「うん」と頷いたのを見計らい、司之介はこう続けます。
それでは、明日から働いてくれるか。
それは、トキの優しさを利用した、あまりにもずる賢い問いかけでした。「でも、学校が…」と戸惑うトキに、司之介は非情な現実を突きつけます。「ない。学校はもうない。すまない。うさぎがはじけた。」
ウサギの相場が暴落し、一生かかっても返せないほどの莫大な借金を背負ってしまったのです。教師になるというトキの夢は、父の失敗によって無残にも打ち砕かれ、あまりのショックに彼女はその場で意識を失ってしまいました。
食卓に並んだ「しめこ汁」の正体
その日の夕食、食卓には謎の肉が入った「しめこ汁」が並びました。祖父の勘右衛門(小日向文世)が「なんの汁じゃ」と尋ねると、フミは静かに「うさぎです」と答えます。それは、トキたちがかわいがっていたウサギ、「ウ左衛門」の肉でした。食べるものにすら困るほど、松野家は困窮してしまったのです。
悲しいことがあると、母に怪談話を聞いて心を落ち着かせるトキ。その夜も、静かにお話を聞きながら、厳しい現実から目をそむけるように眠りにつくのでした。
海の向こうの絶望と、未来へのカウントダウン
場面は遠く離れたアメリカ・シンシナティへ。のちにトキの運命の人となるレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)もまた、人生のどん底にいました。新聞記者の仕事を失い、餓死寸前の彼は、「私の人生にはこの遺書を読む友人の1人すらいない」と遺書を書き、拳銃で自らの命を絶とうとします。しかし、銃には弾が入っておらず、死ぬことすらできませんでした。
日本の松江で世をうらむ少女と、アメリカで絶望する青年。物語は、眠りにつくトキと、打ちひしがれるヘブンを交互に映し出します。そして画面には、一筋の希望を示すように、こんな言葉が現れました。
「2人が出会うまで5612日」
【ばけばけ】4話を観た感想(ネタバレあり)
今回は本当に、感情を揺さぶられっぱなしの15分間でした。前半の、トキちゃんが「生きてるだけで十分」と泣きながらお父さんに訴えるシーンは、朝から涙腺が崩壊しました。家族の無事を何よりも願う彼女の純粋な心に、胸が熱くなります。
だからこそ、その後の司之介さんの「じゃあ働いてくれるか」という言葉には、感動が一気に冷めて、怒りすら覚えました。もちろん、彼が追い詰められていたのは分かります。でも、娘の優しさにつけ込むような言い方はないだろうと。本当にずるい、そして弱い人だなと感じました。でも、それが岡部たかしさん演じる司之介という人間の、どうしようもない人間らしさなのかもしれません。
そして、今回のハイライトは、何と言っても「しめこ汁」。ウサギの肉だと分かった瞬間の衝撃は忘れられません。あれはただの食事ではなく、松野家が経験した束の間の夢と、その残骸を家族みんなで飲み込むという、あまりにも象徴的なシーンでした。悲しすぎます。
しかし、このドラマがすごいのは、絶望のどん底で終わらせないところです。最後のヘブンさんの登場と、「2人が出会うまで5612日」というカウントダウン。これには鳥肌が立ちました。今はこんなに辛くても、この二人が出会う未来が約束されている。そのことが分かっているだけで、視聴者は希望を持って物語を見続けることができます。この地獄のような日々が、未来の幸せに繋がるための試練なのだと信じたいです。
【ばけばけ】4話のネタバレまとめ
- 失踪から10日後、トキは浮浪者のようになった父・司之介を発見し、涙ながらに家に連れ帰る。
- 司之介は、ウサギの商売に失敗し莫大な借金を背負ったことを告白。トキに学校をやめて働くよう非情な宣告をする。
- 食費にも困るようになった松野家は、ペットとしてかわいがっていたウサギを「しめこ汁」にして食べる。
- 一方、アメリカでは未来のトキの夫となるヘブンも、仕事を失い自殺を図るほど絶望の淵にいた。
- 物語の最後に「2人が出会うまで5612日」と表示され、未来への希望が示唆された。
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