【兄だったモノ】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 亡くなった兄・騎一郎の恋人だった聖に会うため、主人公の鹿ノ子は広島へ向かう。
- 聖は両親によって兄の葬式への参列を拒まれており、さらに彼自身も死期が近いことを鹿ノ子に告げる。
- 鹿ノ子は「理解ある妹」を演じていた。その真の目的は、両親への復讐と、聖を「怪物」と呼び利用することだった。
【兄だったモノ】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する
衝撃のラストで幕を閉じた第1話。物語は、鹿ノ子の日常である学校の場面から静かに再開します。友人たちとの何気ない会話の中に、彼女の計画の断片が見え隠れしていました。
友人との会話で語られる「好きな人」
広島へ行く本当の理由
学校の昼休み、友人から「でもなんで広島に行くの?」と尋ねられた鹿ノ子 。彼女は少し照れたような、しかし決意を秘めた表情でこう答えます。 「好きな人に 会いに行くの」 もちろん、これは友人たちに向けたカモフラージュの言葉です。しかし、彼女の言う「好き」という感情が、どのような意味を持っているのか、読者としては勘ぐってしまいます。
携帯電話を持っていない鹿ノ子は、友人たちに公衆電話を使うことを勧められます 。そして、その「好きな人」がどんな人物なのか問われると、彼女は意味深な笑みを浮かべて一言、こう表現しました。 「執念深い人」 この言葉は、聖の兄・騎一郎への愛情の深さを指しているのか、それとも鹿ノ子が彼に対して抱いている別の感情の表れなのでしょうか。
再び、聖への接触
公衆電話からの連絡
学校からの帰り道、鹿ノ子は公衆電話ボックスへと足を運びます 。一度はためらうものの、意を決して聖の家の電話番号を押すのでした。 電話に出た聖に、鹿ノ子は「そちらに行ってもいいですか?」と尋ねます 。聖は彼女からの連絡を心から喜び、快く訪問を承諾します。
二人は訪問の日時を、兄・騎一郎の月命日である25日に決めました 。そして、聖は鹿ノ子の旅費を負担することも申し出ます 。全てが計画通りに進んでいることに、鹿ノ子は静かに喜びを感じているようでした。
忍び寄る不穏な影
しかし、電話を切った直後、事態は一変します。
「……俺も 鹿ノ子ちゃんが…」 受話器から聞こえてきたのは、途切れ途切れになった聖のものではない、不気味な声でした 。 同時に、聖の背後には得体の知れない黒い影が出現し、鹿ノ子がいる公衆電話ボックスのガラスには、無数の不気味な手が張り付いていたのです。
この作品が持つホラー要素が、初めて姿を現した瞬間でした。 異変に気づいた聖が慌てて電話をかけ直してきたことで、怪異は一旦収まります。彼は鹿ノ子を安心させるように、得意料理であるオムライスを作って待っていると告げるのでした 。
疑惑のオムライス
兄と聖、そっくりな二人
聖からの電話を受け、鹿ノ子はふと呟きます。
「だって私とお兄ちゃん そっくりなんだから」 自分と兄が似ているから、きっとオムライスも好きだろう、と彼女は考えたのです 。この言葉は、後のシーンで重要な意味を持つことになります。
母が知る「兄の味覚」
その日の夜、自宅で母が作ったオムライスを食べながら、鹿ノ子は何気なく尋ねます。 「お兄ちゃんて 好き嫌いなんてなかったわよね」 母は「そうよ?」と即答します 。騎一郎は好き嫌いなく何でも食べる子だった、というのが母親の認識でした 。
しかし、鹿ノ子の記憶の中では、聖はオムライスについてこう語っていました。 「甘ったるいケチャップライスが苦手」 母の言葉と、聖の言葉。二つの間には、明らかな矛盾が存在します。鹿ノ子の心に、一つの疑念が芽生えました。
本当の兄は どちらがよく 知っていただろう
家族である母か、恋人であった聖か。兄の本当の姿を知っていたのは、一体どちらだったのか。物語は新たな謎を提示し、次話へと続きます。
【兄だったモノ】2話を読んだ感想(ネタバレあり)
第2話、とんでもない方向に舵を切ってきましたね…。第1話のラストで鹿ノ子ちゃんの復讐劇が始まるのかと思いきや、まさかのホラー展開!公衆電話のシーンは、ページをめくる手が思わず止まってしまうほどの不気味さでした。あの黒い影は一体何なのでしょうか。聖さん自身から発せられているのか、それとも全く別の存在なのか、謎が深まるばかりです。
そして、最後に提示された「オムライスの謎」。これがまた秀逸でした。 単なるホラーや復讐譚ではなく、ミステリーの要素まで加わってきましたね。「本当の兄を知っていたのは誰か?」という問いは、この物語の根幹に関わる重要なテーマになりそうです。鹿ノ子ちゃんの計画も、この新たな事実によって大きく変わってくるのではないでしょうか。 ただ怖いだけでなく、物語の核心に迫る伏線が巧みに張られていて、ますますこの作品から目が離せなくなりました。
【兄だったモノ】2話のネタバレまとめ
- 鹿ノ子は友人に「好きな人に会いに行く」と伝え、広島へ行く準備を進める 。
- 公衆電話で聖と連絡を取り、兄の月命日に訪問することを約束する 。
- 電話を切った直後、鹿ノ子の周りで超常現象が発生し、聖の背後に不気味な黒い影が現れる。
- 母親との会話から、兄の「オムライスの好き嫌い」について、母と聖の認識が異なっていることが判明する 。
- 鹿ノ子は「本当の兄を知っていたのは誰か」という新たな疑問を抱く 。
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