【兄だったモノ】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 鹿ノ子は友人に「好きな人に会いに行く」と伝え、広島への訪問計画を進める 。
- 聖との電話中に不気味な声が聞こえ、彼の背後に黒い影が現れるという超常現象が発生する 。
- 兄・騎一郎の好物だったはずのオムライスについて、聖と母の認識が異なっていることが判明 。鹿ノ子は「本当の兄を知っていたのは誰か」という疑問を抱く 。
【兄だったモノ】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
物語は、鹿ノ子が新幹線に乗り、再び広島の地を踏む場面から始まります。彼女のモノローグ(心の声)を通して、過去の記憶と現在の決意が交錯する、切なくも不穏な物語の幕が上がります。
広島という街、そして過去の記憶
輝いて見えた街
鹿ノ子は、広島の駅に降り立ちながら過去を振り返ります。 実家を飛び出した兄が暮らすこの街に初めて来たときは、ただの「つまらない街」としか思えませんでした 。しかし、兄の恋人である聖の存在を知ってから訪れたときは、「あの人がいる街」として、単純に輝いて見えたのです 。 彼女はそんな過去の自分を「傲慢で無邪気で 無知で恋に恋して なんて馬鹿な小娘だったのだろう」と自嘲します 。
回想:兄が見せた別の顔
場面は、鹿ノ子がまだ幼かった頃の回想へと移ります。 兄の家を訪れた彼女が目にしたのは、兄・騎一郎が金髪の女性と親密に抱き合う姿でした 。 「だあれ?」「俺のお友達」という短い会話 。鹿ノ子は、以前会った人物とは違うことに気づきます 。 騎一郎は妹の真面目さをからかいながら、「母さんには内緒な?ばれたらおれが怒られるさ」と悪戯っぽく笑うのでした 。 この回想は、聖だけを愛していたはずの兄に、別の人間関係があったことを示唆しています。
優しい兄と「化け物」の正体
母の祈りと鹿ノ子の憐れみ
時は現在に戻り、鹿ノ子の実家での一コマが描かれます。 母が兄の遺影が置かれた仏壇に手を合わせる姿を、鹿ノ子は冷めた目で見つめていました 。どんなに母が兄を想い、悲しんでも、もはや意味はない。なぜなら、「この家には あの化け物はいない」からです 。 母の愛情が、もはや亡き兄には届かないことを知っている鹿ノ子は、その姿に憐れみを感じているようでした。
美しい記憶が悪夢に変わる時
広島へ向かう新幹線の中、鹿ノ子は眠りに落ち、兄との思い出の夢を見ます 。 思えば、兄はいつも自分を可愛がり、甘やかしてくれました 。両親に内緒で家から連れ出し、花火大会や夕暮れの街など、色々な場所に連れて行ってくれた優しい兄 。記憶の中の兄は、いつも優しい瞳で自分を見ていました 。
しかし、その美しい記憶は突如、悪夢へと変貌します。 「あの化け物は どんな瞳をしていたっけ」 その問いと共に現れたのは、逆さまになったおぞましい「化け物」の姿。それは、紛れもなく兄の顔をしていました。そして、その化け物は鹿ノ子にはっきりと告げます。 「俺から聖を 奪るのか?」 「酷い奴だ」と囁く化け物に対し、鹿ノ子は怯えるどころか、怒りを爆発させます 。
「馬っ鹿じゃないの!」「いつまで聖さんに執着しているのよ 亡霊のくせに!」 あの黒い影、そして「化け物」の正体は、聖に執着し続ける兄・騎一郎の亡霊だったのです。鹿ノ子は、兄の亡霊に支配されることを拒絶し、真っ向から対立する意思を見せるのでした。
【兄だったモノ】3話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、鹿ノ子の過去と、あの「化け物」の正体が明らかになる非常に重要な回でした。 まず衝撃だったのは、兄・騎一郎が女性と付き合っていたという過去の回想シーンです。聖さん一筋だと思っていたので、これは完全に予想外でした。「本当の兄を知っていたのは誰か」という前回の謎が、さらに深みを増しましたね。
そして、何と言ってもクライマックスの悪夢のシーン。優しいお兄ちゃんの記憶からの、あの化け物への変貌は鳥肌モノでした。しかも、その正体が兄の亡霊で、聖さんへの独占欲と執着の塊だったとは…。これはもう、単なる三角関係という言葉では片付けられません。 しかし、そんな恐ろしい存在に対して、「馬っ鹿じゃないの!」と一喝する鹿ノ子ちゃんの強さには痺れました。彼女はただの復讐者ではなく、兄の亡霊という絶対的な存在に立ち向かおうとする覚悟を決めているのですね。 生者と死者、そして残された者たちの歪んだ愛情がどうなっていくのか、次回の展開から目が離せません。
【兄だったモノ】3話のネタバレまとめ
- 鹿ノ子は、聖の存在によって広島の街が輝いて見えた過去を思い返す 。
- 回想シーンで、兄・騎一郎が過去に女性と交際していたことが明らかになる 。
- 鹿ノ子は、兄との優しく美しい思い出の夢を見るが、それは悪夢へと変わる 。
- 夢の中に現れた「化け物」の正体は、聖に強く執着する兄・騎一郎の亡霊だった 。
- 鹿ノ子は兄の亡霊に恐怖するのではなく、むしろ怒りを露わにし、真っ向から対決する姿勢を見せる 。
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