【兄だったモノ】13話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 僧侶・頼豪は、生前の騎一郎と亡霊の人物像が「別人のようだ」と矛盾を指摘した。
- 彼は、「あの亡霊は、本当に兄の騎一郎なのか?」と、亡霊の正体そのものに疑問を投げかけた。
- 頼豪の問いに対し、鹿ノ子は亡霊が兄とは何もかも違うと認めつつも、初めて見た時に「兄の顔をしていた」ことは間違いないと断言した。
【兄だったモノ】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する
「あれは、兄の顔をしていた」――。鹿ノ子の揺るぎない確信を受け、僧侶・頼豪はついに、その得体の知れない存在の正体を探るべく、危険な領域へと足を踏み入れます。そこで彼が目にしたのは、想像を絶するおぞましい光景でした。
予期せぬ再会
物語は、頼豪との話し合いを終えた鹿ノ子とカンナの場面から始まります。ショックで顔面蒼白の鹿ノ子を、カンナが心配そうに見守っていました。 そこへ偶然通りかかったのは、なんと聖本人。仕事の打ち合わせで東京に来ていたという彼は、何も知らないまま、屈託のない笑顔を鹿ノ子に向けます。 「この間 ごめんね」「また今度 ちゃんと遊びにおいで」 聖の優しさに、鹿ノ子は目を合わせることができません。聖の身に迫る危機を知っているからこそ、彼の無邪気さが、より一層痛々しく胸に突き刺さるのです。
霊視、そして戦慄の光景
禁断の領域へ
場面は頼豪たちの元へ戻ります。頼豪の助手の一人は、「あんなもの背負ってニコニコ笑っていられるなんて 普通はできませんって」と、聖の異常さを指摘しました。 「あれ」が騎一郎本人なのか確信が持てない状況に、頼豪は意を決します。 「本当は土足でプライバシーに踏み込むみたいで気が引けますが…」 そう前置きし、彼は聖に憑りつく「あれ」の正体を、霊視で直接覗き見ることにしたのでした。
繰り返される凶行
頼豪が精神を集中させると、彼の脳内に凄惨なイメージが流れ込んできます。 それは、血まみれの聖を、黒い影のような何かが何度も何度も刺し貫くという、あまりにも暴力的な光景でした。 そのおぞましさに、頼豪は思わず目を見開き、現実世界でも鼻血を流してしまいます。彼は、これが単なる霊の姿ではなく、まるでビデオテープのように再生され続ける、固定化されたイメージであることに気づきました。 彼は確信します。「これでは祓えない」「呪いじゃないか…」と。
「あれ」は幽霊ではない
僧侶・頼豪の結論
霊視を終えた頼豪は、消耗しきった様子で、しかしはっきりと二人に告げます。 まず、「あれは駄目だ」「恐らく正攻法でどうにかなる相手じゃない」と、その危険性を断言しました。 そして、彼はついに、自らが見たものの正体を、最も恐ろしい言葉で定義するのでした。
「『あれ』はもう『幽霊』ではない」 「呪いのよう な…いや…違う… 呪いそのものだ」
聖に取り憑いている「あれ」は、人の想いが残った霊などという生易しいものではない。それ自体が、純粋な悪意と害意で構成された「呪い」そのものである、と。 物語は、これまでとは比較にならない、絶望的な事実を突きつけられて幕を閉じます。
【兄だったモノ】13話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、息をするのも忘れるほどの衝撃的な回でした。 冒頭の、何も知らずに笑う聖さんと、真実を知って顔も上げられない鹿ノ子ちゃんの対比が、まず切なかったです。平和な日常のすぐ隣に、とんでもない恐怖が潜んでいる。そのコントラストが鮮やかでした。
そして、頼豪さんの霊視シーン。これまで「不気味な影」として描かれてきた「あれ」の行動が、初めて具体的に、しかも「聖を殺害する」という明確な悪意として描かれたことに戦慄しました。頼豪さんほどの能力者が、鼻血を出して「駄目だ」と匙を投げるほどの相手。絶望感が半端じゃありません。 最後の「幽霊ではない、呪いだ」という結論。これは、この物語のジャンルが一段階変わった瞬間のように感じました。単なるゴーストホラーから、もっと根源的で抗いようのないオカルトホラーへ。人の未練や想いが残った「幽霊」なら、まだ対話の余地や成仏の道があったかもしれません。しかし、悪意そのものである「呪い」となると、救いようがない。あまりにも恐ろしい真実が明かされてしまい、今後の展開が全く読めなくなりました。
【兄だったモノ】13話のネタバレまとめ
- 鹿ノ子は東京で偶然、何も知らないまま明るく振る舞う聖と再会する。
- 僧侶の頼豪は、「あれ」の正体を突き止めるため、霊視を行うことを決意する。
- 霊視した頼豪は、黒い影が聖を何度も刺し殺すという凄惨なビジョンを見て、鼻血を流し消耗する。
- 頼豪は、「あれ」を祓うことはできないと判断する。
- 彼は、「あれ」の正体はもはや「幽霊」ではなく、悪意そのものである「呪い」だと結論付ける。
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