【兄だったモノ】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 聖に連れられて兄の墓を訪れた鹿ノ子は、遺骨がないにもかかわらず、墓が綺麗に手入れされていることを知った 。
- 聖の家では、彼の食生活が乱れきっており、冷蔵庫が空になっていることが判明した 。
- 一方、東京のカンナは独自の調査で呪いの正体に関する仮説を立てていた 。
- 鹿ノ子は兄のアルバムの中から、学生時代の聖と「西迫 正義(さいさこ まさよし)」という名の少年が一緒に写っている写真を発見した 。
【兄だったモノ】第17話をネタバレありでわかりやすく解説する
鹿ノ子が広島で呪いの鍵を握る名前を発見したその頃、東京のカンナは僧侶・頼豪に電話をかけ、自らがたどり着いた戦慄の仮説を語り始めていました。物語の前提を覆す、驚愕の事実が明かされます。
聖=鈴蘭(毒)という仮説
友人が告げた警告
カンナは、頼豪が指摘した「生前の騎一郎と呪いの人格が一致しない」という矛盾点から、自らの推理を語ります 。 彼女は、学生時代の友人が聖のことを「鈴蘭だ」と評した記憶を思い出していました 。 鈴蘭は「聖母マリアの涙」とも呼ばれ、清楚なイメージを持つ反面、強い毒を持つ有毒植物でもあります 。カンナは、友人の言葉が単なる比喩ではなく、警告だったのだと気づいたのです 。
聖に近づく者は「おかしくなる」
カンナの友人が言うには、「中眞聖と親しくなった人間は皆おかしくなる」のだといいます 。 その一例として、カンナは大学時代に聖に執着していた先輩の話を始めました 。その先輩は、聖の美しさに取り憑かれ、「聖は綺麗だから」「誰にも盗られないように」「俺がいないと」と、日に日に常軌を逸した言動を見せるようになります 。噂はあっという間に広まり、その先輩はしばらくして大学に来なくなってしまったそうです 。
呪いの根源は誰なのか
7人の犠牲者
しかし、悲劇はそれだけではありませんでした。その先輩だけでなく、同級生4人、下級生2人、合計7人もの人間が、聖と親しくなったことで「おかしくなって」いったのです 。 ある時、おかしくなった男子学生の彼女が聖に詰め寄ったことがありました。しかし、聖はただ「そう」「かわいそうに」と呟くだけで、何の感情も見せなかったといいます 。
カンナの恐るべき結論
兄・騎一郎もまた、聖と親しくなってからおかしくなった一人でした 。 ここから、カンナは恐るべき仮説を導き出します。 もしも「アレ」が聖に取り憑いた呪い、あるいは「アレ」自体が聖なのだとしたら…? 。 頼豪はその結論を「断定は危険だ」と諌めますが、カンナの推理は一本の筋として通っていました 。
その頃、広島の鹿ノ子は、アルバムに見つけた「サイサコ」の名前に、聞き覚えがあることに気づきます 。 頼豪は、カンナの仮説の真偽はともかく、「サイサコ」という人物が聖を語る上で欠かせない存在であり、鹿ノ子にその情報を掴んでほしいと願うのでした 。
【兄だったモノ】17話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、物語の構図が180度ひっくり返るような、とんでもない回でした。 これまで、聖さんは兄の亡霊(呪い)に取り憑かれた、哀れな被害者だと思っていました。しかし、カンナさんの仮説を聞いて、全ての見方が変わってしまいました。「聖に近づく者は皆おかしくなる」という過去。彼自身が、無自覚なまま周囲に不幸を振りまく、呪いの発生源である可能性。ゾッとしましたね。
特に、先輩がおかしくなっていく過程の描写と、それに対する聖さんの「かわいそうに」という無感情な反応が、底知れない恐怖を感じさせました。彼が意図してやっているわけではないからこそ、余計に恐ろしい。生まれながらのファム・ファタール(運命の女)ならぬ、オム・ファタール(運命の男)とでも言うべきでしょうか。 カンナさんの推理が真実だとすれば、鹿ノ子ちゃんがやっていることは、毒を持つ花に自ら近づいていくようなもの。彼女の恋が、これまで以上に危うく、切ないものに見えてきました。
【兄だったモノ】17話のネタバレまとめ
- カンナは、頼豪に自らの仮説を語る。それは、呪いの正体が兄ではなく、聖自身に関連しているというものだった 。
- カンナの友人による「聖は鈴蘭(毒を持つ花)だ」という過去の警告が明かされる 。
- 大学時代、聖に近づいた7人もの男子学生が、彼に執着し、次々とおかしくなっていった過去が判明する 。
- 兄・騎一郎もその一人であり、呪いの根源は聖自身にあるのではないか、とカンナは結論付ける 。
- 一方、鹿ノ子はアルバムで見つけた「サイサコ」の名前に聞き覚えがあることに気づく 。
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