【兄だったモノ】19話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 聖と食卓を囲んだ鹿ノ子は、兄の食の好みに関する三者三様の証言の謎について、聖自身の見解を聞いた。
- それをきっかけに、鹿ノ子は両親の不仲という自らのトラウマを思い出し、兄が自分を庇うと同時に憎んでいたであろうという悲しい結論に至った。
- 鹿ノ子がホテルへ帰ろうとした矢先、聖から「泊まっていかないか」と引き止められた。
【兄だったモノ】第19話をネタバレありでわかりやすく解説する
「泊まってって 駄目?」――。聖からの予期せぬ誘いに、鹿ノ子の心は揺れます。兄の呪い、自らの恋心、そして聖が抱える孤独。様々な想いが交錯する、静かで長い夜が始まります。
静かな夜の小規模な戦争
孤独という理由
聖の家に泊まることになった鹿ノ子。彼女が通されたのは、兄が使っていた部屋でした 。 布団の中で、鹿ノ子はずっと気になっていたことを尋ねます。「どうして 泊まっていってって言ってくれたんですか?」 聖の答えは、驚くほど単純で、そして切実なものでした。 「寂しかったから ただ それだけ」 いい大人が寂しいなんておかしいだろう、と自嘲する彼に、鹿ノ子は何も言えません 。 聖は続けます。「もう一度 見たかったんじゃ」「夜に見る瞳の色が いつも綺麗じゃったから」 。
あなたは、本当にお兄ちゃんなの?
聖の言葉に戸惑いながら、鹿ノ子は一人、布団の中で自問自答を繰り返します。 彼女はずっと考えていました。あの呪いの正体について。 「本当に『あの』優しかったお兄ちゃんなのかって」 その思考に応えるかのように、彼女の目の前に、あの不気味な能面の化け物が現れます。
兄の「代用品」として
鹿ノ子は、夢とも現実ともつかない空間で、その化け物と対峙します。 彼女は、自らの勘でしかないと前置きしつつ、その存在が「東雲騎一郎だ」と断定します 。そして、聖を殺そうとしたのか、となぜそんな姿になったのかを問い詰めました。 答えのない化け物に対し、鹿ノ子は悲しい結論を口にします。 聖が今でも兄を忘れられずにいるから、自分に優しくしてくれるのだと 。自分は聖にとって、兄の「代用品」でしかないのだ、と 。
しかし、彼女はそれを受け入れます。 「でもね 私 それでもいいの」 聖さんが私を必要としてくれるのなら、今はそれでいい 。 そして彼女は、呪いに対して、そして自分自身に対して、固く誓うのでした。 「聖さんがそれを望むなら 私は兄を演じ通す」「私は お兄ちゃんだったモノになるわ」 。
【兄だったモノ】19話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、鹿ノ子ちゃんの覚悟があまりにも切なくて、読んでいて胸が苦しくなりました。 聖さんの「寂しかったから」というストレートな言葉。彼の人間らしい弱さに触れて、鹿ノ子ちゃんの心が大きく動いたのが伝わってきました。打算や復讐心から始まったはずの関係が、いつの間にか本物の恋に変わっていたのですね。
そして、夢の中での呪いとの対峙。自分が兄の「代用品」でしかないと悟りながらも、それを受け入れ、「お兄ちゃんだったモノになる」と決意する彼女の姿は、痛々しくも、非常に力強かったです。 愛する人のために、自分を捨てて、憎んでいたはずの兄を演じる。それは、自己犠牲とも言える、あまりにも歪で、純粋な愛の形なのかもしれません。 この決意が、彼女を救うのか、それともさらなる深みへと引きずり込むのか。静かな夜に交わされた、少女の悲痛な誓いの行方を、固唾を飲んで見守りたいと思います。
【兄だったモノ】19話のネタバレまとめ
- 聖の家に泊まることになった鹿ノ子は、兄が使っていた部屋で眠ることになった 。
- 聖は、鹿ノ子を引き止めた理由を「寂しかったから」だと正直に打ち明ける 。
- 鹿ノ子は、夢とも現実ともつかない場所で呪いと対峙し、その正体が兄であると改めて確信する 。
- 鹿ノ子は、自分が聖にとって兄の「代用品」でしかないと悟る 。
- それでも聖に必要とされるならと、彼女は自らの意思で「兄だったモノ」を演じきることを決意した 。
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