【兄だったモノ】26話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 回想シーンで、聖が幼い頃に親族の男性から性的虐待を受けていた可能性が示唆された。
- 現在の聖は、家に押しかけてきた西迫から激しい暴力を受けた。
- 聖の危機に、兄の姿をした呪いが顕現し、西迫を退けた。
- 呪いは、聖には自分の姿が見えず、鹿ノ子のような特定の人物にしか見えないことを明かした。
【兄だったモノ】第26話をネタバレありでわかりやすく解説する
兄の姿をした呪いと、聖の元恋人・西迫との対峙。緊迫した状況の中、ついに呪い自身の口から、その正体に関する衝撃的な事実が語られます。そして、一人残された聖の元にかかってきた一本の電話が、物語を新たな局面へと動かします。
呪いの独白と、西迫の狼狽
私は騎一郎を「殺した」
物語は、呪いの独白から始まります。なぜ西迫に自分の姿が見えないのか。その理由を、呪いはこう語ります。 「みえんであたりまえじゃ だって おれがころした きいちろうをでれんようとじこめて」 ――見えなくて当たり前だ。だっておれが殺した。騎一郎が出られないよう閉じ込めて。 それは、自らが騎一郎本人ではなく、彼を殺し、その存在を乗っ取った何かであるという、戦慄の告白でした。
呪いの真の姿
その告白を知らない西迫は、なおも聖への暴行を続けます。しかし、その時、呪いはついにその本性を現します。無数の目が顔中に浮かび上がった、おぞましい異形の姿。 「なんなんだよ お前」 初めて見るその姿に、西迫は恐怖し、後ずさります。
興味が削がれたように、「今日はもう本番はなしだな」と呟く西迫。彼は仕事でしばらく広島にいることを告げ、「また会いに来てやるよ」と不気味な言葉を残して、去っていくのでした。
聖からのSOS
鳴り響く電話
嵐のように西迫が去った後、部屋には傷だらけの聖が一人残されました。彼が恐怖に震える中、けたたましく電話のベルが鳴り響きます。 電話の相手は、鹿ノ子でした。東京で西迫と会った彼女は、聖の身を案じて電話をかけてきたのです。 「もしもし 聖さん…!」 聖は「なんでもないよ」と気丈に振る舞おうとしますが、その声は明らかに震えていました。
「たすけて」
何かあったのか、と心配する鹿ノ子。その優しい声に、聖の心のダムが決壊します。 彼は、電話の向こうの鹿ノ子ではなく、もうこの世にいないはずの恋人の名前を呼びました。 「きいちろう…っ」 そして、絞り出すような声で、こう助けを求めたのです。 「たすけて」。 それは、鹿ノ子の耳に確かに届いた、聖からの悲痛なSOSでした。
【兄だったモノ】26話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、息を呑むような衝撃的な事実と、胸が張り裂けそうなほど切ないシーンが詰まった、あまりにも濃密な回でした。 冒頭の、呪いによる「騎一郎を殺した」という独白。これまで読者が抱いてきた最大の謎に対する、最悪の答えでした。あれはやはり、兄本人ではなかった。兄を殺し、その姿を乗っ取った、得体の知れない何かだったのです。この事実だけで、物語の恐怖の質が根底から変わってしまいました。
そして、最後の聖さんからの電話。西迫に心と体を傷つけられ、一人きりで恐怖に震える彼が、最後に助けを求めたのが、自分を殺した呪いと同じ顔を持つ「きいちろう」だったというのが、あまりにも皮肉で、悲しすぎます。彼の「たすけて」という一言には、どれほどの絶望が込められていたのでしょうか。 その悲痛な叫びを、電話越しに聞いてしまった鹿ノ子ちゃん。彼女がこれからどう動くのか。もはや、これは恋や駆け引きの話ではありません。愛する人を救うための、決死の戦いが始まろうとしています。
【兄だったモノ】26話のネタバレまとめ
- 呪いは、自らが騎一郎本人ではなく、彼を「殺して閉じ込めた」存在であることを独白する。
- 聖を襲っていた西迫は、呪いの真の姿を目の当たりにし、恐怖から一旦退散する。
- 西迫が去った後、鹿ノ子から聖の元へ安否を気遣う電話がかかってくる。
- 激しい暴行と恐怖で心が限界に達した聖は、電話口で亡き恋人の名を呼び、「たすけて」と助けを求めた。
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