【兄だったモノ】30話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- カンナと頼豪は、鹿ノ子の両親が彼女の行動に無関心であることが不自然だと気づいた。
- カンナは、生前の騎一郎が「家を出たら『あの人』に鹿ノ子が殺される」と語っていたことを思い出した。
- 広島へ発つ前に自宅へ戻った鹿ノ子は、両親が兄の遺影を前に、彼を罵倒している場面を目撃した。
- 物語は、父が鹿ノ子に暴力を振るおうとする不穏な場面で幕を閉じた。
【兄だったモノ】第30話をネタバレありでわかりやすく解説する
実家という名の地獄に足を踏み入れた鹿ノ子。彼女を待ち受けていたのは、予想された暴力ではなく、より冷たく、歪んだ家族の形でした。一方、心配でならない聖との、思わぬ形での再会が彼女を待ち受けます。
冷え切った家庭
嵐の後の静けさ
物語は、鹿ノ子のモノローグから始まります。「聖さん…あれから大丈夫だったのかな…」。スマホを持たない彼女は、彼の安否を確認する術もなく、不安な気持ちを募らせていました 。 父と対峙した鹿ノ子でしたが、父は意外にも穏やかでした 。出張へ行くために荷物を取りに帰ってきただけだと告げ、来年の受験を心配する、父親らしい言葉をかけます 。しかし、その言葉の端々には、「昔からアレと違って問題なかったものな」と、亡くなった兄を蔑む響きが隠れていました 。 鹿ノ子は笑顔でそれを受け流し、父を見送ります 。
壊れた母
父が去った後、鹿ノ子がリビングで見たのは、割れた皿の破片のそばで、虚ろに遺影を見つめる母の姿でした 。鹿ノ子が声をかけても、母は「大丈夫よ」と力なく答えるだけ 。鹿ノ子は「じゃあ私 ちょっと出てくるね」と告げ、逃げるように家を後にするのでした 。
東京での再会と、悪魔の誘惑
聖との再会
広島へ向かうため、駅へと歩く鹿ノ子。彼女は「今は余計なこと考えるな…!」と、自らを奮い立たせます 。その時、人混みの中に、見慣れた後ろ姿を見つけました 。聖です 。 顔に痛々しい絆創膏を貼った聖は、しかし思ったよりも元気そうな様子でした 。彼は、心配した担当編集者の犬上がホテルを取ってくれたため、東京に来ていたのです 。
「一緒に泊まる?」
取り乱していた昨日のことなどまるで嘘のように、穏やかに話す聖 。鹿ノ子が彼の顔の傷に触れようとすると、聖は一瞬怯えたように身を引きます 。しかし、鹿ノ子が「なんでもないです」と明るく笑うと、彼は安堵したような表情を浮かべました 。 そして、彼は鹿ノ子の心を見透かすように、優しく、しかし抗えない響きでこう誘うのでした。 「家に帰りたくないんじゃろ?」「一緒に泊まる?」。
【兄だったモノ】30話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、息が詰まるような緊張感の連続でした。お父さんの、あの静かな狂気。怒鳴られるよりも、暴力を振るわれるよりも、あの何事もなかったかのような態度が、この家庭の異常さを物語っていて、背筋が凍りました。お母さんの壊れっぷりも痛々しく、鹿ノ子ちゃんがどれだけ救いのない環境で育ってきたのかが伝わってきて、胸が苦しくなりました。
そんな地獄から逃げ出した先で、聖さんと再会する展開には、思わず「よかった!」と声が出ました。しかし、安心したのも束の間。彼の顔の傷が、昨夜の惨劇を物語っています。そして、最後の「一緒に泊まる?」という誘い。 これは、弱った聖さんの純粋な願いなのでしょうか。それとも、鹿ノ子ちゃんの「兄を演じる」という決意が、彼の中の「何か」を刺激してしまった結果なのでしょうか。「リリスの誘惑」というタイトル通り、甘く危険な誘惑に、鹿ノ子ちゃんがどう応えるのか。そして、この再会が、彼女にとって本当に救いになるのか。次回の展開から目が離せません。
【兄だったモノ】30話のネタバレまとめ
- 聖は、鹿ノ子の気持ちを見透かすように、「家に帰りたくないなら一緒に泊まるか」と誘う。
- 嵐のような両親の喧嘩の後、父は意外にも冷静に鹿ノ子に接し、仕事へと出かけていった。
- 母は精神的に不安定な状態にあり、鹿ノ子はそんな家から逃げるように広島へ向かう。
- 東京駅で、鹿ノ子は偶然にも、顔に傷を負った聖と再会する。
- 聖は、心配した編集者が手配したホテルに泊まるために東京に来ていた。
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