【兄だったモノ】36話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 鹿ノ子はパン屋で遭遇した西迫に対し、聖を傷つけたのではないかと激しく問い詰めた。
- 鹿ノ子の気迫に押された西迫は、後日改めて二人で話す約束を取り付けた。
- 回想シーンで、西迫の襲撃直後に編集者の犬上が聖の家に駆けつけ、傷ついた彼の姿を発見していたことが明かされた。
- 犬上にとって聖は、新人時代に自分を救ってくれた恩人であり、彼の聖への献身は、崇拝に近い感情であることが示唆された。
【兄だったモノ】第36話をネタバレありでわかりやすく解説する
鹿ノ子と西迫の対峙が決定的となる一方、物語はカンナの過去へと遡ります。彼女が聖を「鈴蘭」だと評した、その言葉の真意とは。聖の恐るべき本質が、旧友の口から語られます。
旧友との再会
物語は、カンナの職場から始まります。会社の飲み会を断ったカンナは、そこで大学時代の同級生・北斗と偶然再会します。 北斗は屈託なく、カンナがまだ騎一郎と連絡を取っているのかと尋ねますが、カンナは彼が春先に亡くなったことを告げるのでした。
聖の「手口」
弱さにつけ込む言葉
北斗との再会をきっかけに、カンナは過去の記憶を思い出します。それは、北斗が初めて聖を「鈴蘭」だと評した日のこと。 北斗は、失恋して落ち込んでいた先輩を慰める聖の姿を目撃していました。聖は、弱っている人間が「そのとき言ってほしそうな台詞を言うの」が、恐ろしく上手いのだと語ります。「信頼してるとか」「俺だけは君を裏切らないみたいな」。 その言葉に、自己肯定感の低い人間はイチコロで落ちてしまう。北斗自身も、その一人でした。
騎一郎が語った「真実」
北斗は、聖に恋に落ちた者たちが皆「自分のことが好きになれない」タイプだと分析します。 その会話を聞いていたのは、騎一郎でした。彼は、北斗に「お前は必要ないと思うよ」と冷たく言い放ちます。 「私って落ち込んでも 自分の力で立ち上がれるもん」。そう強がる北斗に、騎一郎は「中眞くんの言うとおり」だと肯定します。つまり、聖は自力で立ち直れる人間には興味がない、と。
神か、悪魔か
カンナは、聖が弱い人間を救うのが好きなのだと思っていました。しかし、北斗の言葉はそれを否定します。 北斗が見たのは、神様のように人を慰める聖が、相手が完全に堕落した瞬間、悪魔のように突き放す姿でした。 「先輩を見る目が一瞬だけ ものすご〜く冷たかったんだよね〜」。 その瞳は、まるで「復讐でもしてるみたい」だった、と。 聖の優しさの裏に隠された、底知れぬ闇。その恐るべき本性が、ついに明らかになるのでした。
【兄だったモノ】36話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、聖さんの人物像が根底から覆される、戦慄の回でした。 これまで、彼は無自覚に人を惹きつけてしまう、悲劇の美青年だと思っていました。しかし、北斗さんの口から語られた彼の「手口」は、あまりにも狡猾で、悪意に満ちています。弱っている人間に的確に寄り添い、依存させ、完全に堕ちた瞬間に突き放して楽しむ。それはもう、無邪気な魔性などという言葉では片付けられません。
騎一郎の「お前は必要ない」という言葉も、今になってみると恐ろしいですね。彼は、聖の本質を理解した上で、彼に「相応しい」獲物を選別していたのでしょうか。二人の共依存関係の、新たな側面が見えた気がします。 最後の「復讐でもしてるみたい」という北斗さんの言葉。これが、この物語の核心なのかもしれません。幼い頃に受けた虐待の復讐として、彼は無意識に、自分に近づく人間を壊し続けているのでしょうか。もしそうなら、彼自身もまた、巨大な悲劇の被害者なのかもしれません。
【兄だったモノ】36話のネタバレまとめ
- カンナは、大学時代の同級生・北斗と偶然再会する。
- 回想シーンで、北斗が聖の「手口」を分析する。彼は、弱っている人間がかけて欲しい言葉を的確に囁き、虜にするのが上手いという。
- 聖に惹かれるのは、自己肯定感の低い人間ばかりだった。
- 騎一郎は、自力で立ち直れる人間は聖に「必要ない」と語っていた。
- 北斗は、聖が人を慰めた後、相手が完全に堕ちた瞬間に、まるで復讐でもするように冷たい目で見放す姿を目撃していた。
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