【兄だったモノ】41話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 物語は、西迫の視点から、聖と出会った高校時代を描く回想シーンへと移った。
- 西迫は、義理の姉である詩織に、淡い恋心を抱いていた。
- 彼は、同じく家庭の事情を抱えているクラスメイトの聖に対し、かすかな仲間意識を感じていた。
- 西迫の脳裏には、美しい義姉の姿が、悪魔・リリスの幻影と重なって見えていた。彼の過去に、義姉との間で何か決定的な出来事があったことが示唆された。
【兄だったモノ】第41話をネタバレありでわかりやすく解説する
西迫の告白は、彼の高校時代、そして聖との出会いの核心へと迫っていきます。孤独を抱えた二人の少年は、どのようにして惹かれ合い、そして歪な関係を築いていったのでしょうか。痛々しいほど純粋で、そして危険な青春の一ページが描かれます。
孤独な魂の引力
運命の雨宿り
物語は、雨の日に昇降口で雨宿りをする、高校時代の西迫と聖のシーンから始まります。 気まずい沈黙の中、先に口を開いたのは聖でした。「西迫くん家 行ってもいい?」。 その唐突な申し出に、西迫の心は揺れます。彼の聖への興味は、自らが抱える義姉への想いを重ね合わせた、代替品のような感情でした。しかし、その歪んだ興味を、彼は否定しません。
共有された孤独
西迫の家で、二人は勉強会を開きます。 その中で、西迫は自分が一人暮らしであることを明かしました。家族仲が悪いのだ、と。 その言葉に、聖は「わかるよ」「俺も家族とそんなに仲良くないし」と、静かに共感を示します。 家庭に居場所がない。その共通の痛みが、二人の間の壁を取り払いました。その瞬間、聖は西迫に、そっと唇を重ねるのです。
救済という名の支配
「高校生で一人暮らしなんて 寂しいじゃろう」「おれが なぐさめてあげたいなぁ…」。 聖の言葉は、西迫の心の隙間に、甘い毒のように染み込んでいきました。 その日、二人は関係を持ちます。 罪悪感はありました。しかし、それ以上に、満たされる感覚が彼を支配します。その夜、西迫は初めて、義姉の悪夢を見ませんでした。 「聖さえいれば 俺は」。 聖の存在が、彼の唯一の救いとなった瞬間でした。しかし、その救済が、後に彼をさらなる地獄へと突き落とすことになるのを、この時の彼はまだ知る由もありません。
【兄だったモノ】41話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、西迫と聖の関係が始まった、あまりにも切なく、そして危険な瞬間が描かれました。 お互いが、家族という最初のコミュニティで愛情を得られなかった孤独な魂。そんな二人が、互いの傷を舐めあうように惹かれ合っていくのは、必然だったのかもしれません。西迫が聖に義姉の面影を重ね、聖が西迫の孤独を見抜いて「慰めてあげたい」と囁く。それは、純粋な恋とは少し違う、共依存関係の始まりでした。
特に印象的だったのは、聖さんがキスを仕掛けたことです。これまでの彼の受動的なイメージを覆す、能動的な行動。しかし、その瞳はどこか虚ろで、相手を救済しているようで、実は自分自身の渇きを癒そうとしているようにも見えました。カンナさんの友人・北斗さんが語っていた、「聖の手口」そのものですね。 西迫が、聖さんと結ばれたことで初めて悪夢から解放された、というのも非常に皮肉です。彼にとって聖さんは、文字通り「救世主」だった。だからこそ、後に彼を失った時の絶望と憎しみが、あれほどまでに大きくなってしまったのでしょう。二人の幸せだったはずの時間が、あまりにも痛々しく、悲しく映る回でした。
【兄だったモノ】41話のネタバレまとめ
- 西迫の回想が続き、彼と聖がどのようにして親密な関係になったかが描かれた。
- 孤独や家庭環境という共通の痛みを分かち合った二人は、自然と惹かれ合っていく。
- 聖の「慰めてあげたい」という言葉をきっかけに、二人は関係を持つ。
- 聖と結ばれたことで、西迫は初めて義姉の悪夢から解放され、彼に深い救いを見出す。しかし、それは危険な共依存関係の始まりでもあった。
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