【兄だったモノ】45.5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 聖のホテルへ向かう道中、西迫は鹿ノ子に自らの過去を「独り言」として語り始めた。
- 彼は、聖と騎一郎が付き合い始めた後、聖の気を引くために、彼に日常的な暴力を振るっていたことを告白した。
- その後、聖そっくりに変装した編集者の犬上が一行の前に現れた。
- 犬上は、何の前触れもなく、背後から西迫を刃物で刺した。
【兄だったモノ】第45.5話をネタバレありでわかりやすく解説する
今回は物語の「幕間」として、これまでの複雑な人間関係と謎を、舞台劇のような形式で分かりやすく整理してくれる特別編です 。物語の案内人と共に、この悲劇の全体像を振り返ってみましょう。
悲劇の舞台、その配役
物語のはじまり
この物語は、とある男の死から始まります 。彼には、一人の恋人(聖)と、一人の妹(鹿ノ子)がいました 。 妹は、兄の恋人に恋心を抱きますが 、彼の傍には兄の霊が憑いていることを知ります 。妹は、兄の霊が恋人を殺害しようとする現場を目撃し 、「私が彼を守らなくては!」と決意するのでした 。 そこへ、恋人の元恋人を名乗る男・西迫正義が現れ、事態は大きく変わっていきます 。
食い違う証言
西迫は、聖に絡めとられた「被害者」の一人でした 。彼は、聖が「殺されそうになったのではなく、自ら死のうとしていたのではないか?」と、妹の証言とは全く異なる説を語ります 。 さらに、物語の語り部であるはずの妹・東雲鹿ノ子自身もまた、家族という謎に包まれ、嘘をついている可能性が示唆されるのでした 。
一番恐ろしいのは誰か
最後に、この物語を彩る登場人物たちが一堂に会します 。
- 主人公?:東雲鹿ノ子
- ???:中眞聖
- 殉教者:騎一郎
- 被害者:西迫
- 糾弾者:南カンナ
- 協力者:藤原頼豪
- 編集:犬上
- 傍観者:北斗
- 加害者、そして群衆…。
様々な役割を持つ人物が登場しましたが、と、案内人は問いかけます 。 「一番恐ろしいのは誰なのでしょうね」 。 その答えは、まだ誰も知りません。
【兄だったモノ】45.5話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、物語の総集編のような形で、これまでの複雑な人間関係や謎を一度整理してくれる、非常に親切な回でした。演劇の幕間、という形式を取っているのがとてもお洒落で、この物語全体が、一つの壮大な悲劇なのだということを改めて感じさせられます。
特に興味深かったのが、最後の登場人物紹介のパートです。それぞれのキャラクターに付けられた「役割」が、見事に本質を突いていますね。「殉教者・騎一郎」や「被害者・西迫」など、彼らの立場を端的に表しています。 そして、主人公であるはずの鹿ノ子に「???」がついていたり、聖に至っては役割すら与えられていなかったりするのが、この物語の核心なのでしょう。誰が本当の主人公で、誰が元凶なのか。その境界線が、極めて曖-昧に描かれています。 最後の「一番恐ろしいのは誰なのでしょうね」という問いかけ。これは、読者である私たち自身に投げかけられた言葉なのだと思います。この悲劇の舞台で、本当に恐ろしいのは一体誰なのか。次の幕が上がるのが、待ち遠しくてたまりません。
【兄だったモノ】45.5話のネタバレまとめ
- このエピソードは、物語の「幕間」として、これまでの展開を舞台劇のようにまとめた特別編である。
- 鹿ノ子が聖に恋をし、兄の霊から彼を守ろうとするところから物語が始まったことが語られる 。
- 西迫の登場により、聖の事件は「呪いによる殺人未遂」ではなく「聖自身の自傷行為」である可能性が浮上する 。
- 物語の語り部である鹿ノ子自身も、家族という謎を抱えた、信頼できない語り手である可能性が示唆される 。
- 最後に、登場人物たちの役割が一覧で示され、「一番恐ろしいのは誰か」という謎が読者に投げかけられた 。
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