【兄だったモノ】64話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 聖は、自らが被害者から加害者に転じた過去を告白し、西迫たちにした仕打ちはすべて「わざと」だったと明かした。
  • 彼の復讐のターゲットは、自分を虐待した叔父と同じ「黒髪」の人間だけだった。
  • 告白の翌日、聖は鹿ノ子を、兄・騎一郎の思い出の場所である、宮島の久久能智の聖木へと案内した。
  • その帰り道、二人は派手な身なりの謎の男に声をかけられた。

【兄だったモノ】第64話をネタバレありでわかりやすく解説する

兄の思い出の地で、束の間の穏やかな時間を過ごす聖と鹿ノ子。しかし、彼らの前に現れた一人の男が、その静寂を破ります。彼の名は鬼頭虎次郎。胡散臭い笑顔の裏に、物語の核心に触れる鋭い刃を隠し持っていました。

謎の大学生・鬼頭虎次郎

美しいものを探す旅

物語は、山道で出会った謎の男との会話から始まります。「やあやあ!」と、芝居がかった口調で二人に話しかける男。彼は自らを**鬼頭虎次郎(きとう とらじろう)**と名乗り、「世界中を旅する流浪の大学生さ!」と自己紹介します。 彼の旅のテーマは「美しいものを探す」こと。その言葉通り、彼は鹿ノ子のことを「可愛らしい!天使かと思ったぞ!」と、臆面もなく口説き始めるのでした。

暴かれる嘘

聖は、そんな虎次郎の軽薄な態度に呆れ、彼を無視して立ち去ろうとします。しかし、虎次郎は二人を追いかけ、衝撃的な一言を放ちます。 「君たち未成年だろう?」「どうして未成年の少女が 成人男性と昼間の平日にウロウロしているんだい?」。 慌てた鹿ノ子は、とっさに「私たちがイトコ同士で…っ」と嘘をつきますが、虎次郎はそれを「嘘だね」と、あっさり見破るのでした。 なぜなら、彼は聖が作家・中眞聖であることを知っており、**「過去のインタビューで天涯孤独だって言ってたぜ?」**と、その矛盾を突きつけたのです。

虎次郎が知る「真実」

聖のファン

虎次郎は、ただのナンパ男ではありませんでした。彼は、聖の作品を愛読する、熱心なファンだったのです。「繊細な文章」「鋭利な表現 そして美しいかんばせ」。聖のすべてを称賛する彼は、警察に通報されたくないだろう、と暗に二人を脅します。 そして、彼は二人の間に流れる奇妙な空気を、的確に言い当てました。 「君たち二人から男女の匂いがまっっったくしないんだよ!」「だから余計に気になってさ★」。

死んだ恋人の名前

鹿ノ子は、そんな虎次郎の土足で踏み込んでくるような態度に、激しい嫌悪感を覚えます。 虎次郎は、そんな彼女の様子を見て、「人の踏まれたくないところを…ポンポンと踏み抜けるわね…」と、どこか楽しそうに呟きました。 そして、彼は鹿ノ子に、こう問いかけます。 「もしかしてその恋人」「死んでしもうた俺の…」。

聖は、鹿ノ子の口から「死んだ」という言葉が出たことに、驚きを隠せません。 虎次郎は、そんな聖の反応を意にも介さず、最後の、そして最も残酷な質問を投げかけるのでした。 「もしかして その恋人」「東雲騎一郎って名前じゃないかい?」。 この男は、一体どこまで知っているのか。物語は、最大の謎を残して幕を閉じます。

【兄だったモノ】64話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、鬼頭虎次郎という、とんでもないトリックスターの登場で、物語が一気に加速しましたね。彼の胡散臭さ、軽薄さ、そして、その裏に隠された鋭い洞察力。一瞬で場の空気を支配してしまう、まさに嵐のような男でした。 彼が聖さんのファンで、過去のインタビューまで把握していた、という展開には驚かされました。これまでの登場人物とは全く違う角度から、聖さんの過去を暴こうとする彼の存在は、今後の物語の鍵を握る、重要な役割を担うことになりそうです。

特に、「男女の匂いがしない」という指摘は、ドキリとしました。二人の関係は、恋愛という言葉では括れない、もっと歪で、複雑なもの。その本質を、初対面の彼がいとも簡単に見抜いてしまったことに、彼の異常な人間観察眼を感じます。 そして、最後の「東雲騎一郎って名前じゃないかい?」という一言。これは、反則級の引きでしょう。なぜ彼が、兄のフルネームを知っているのか。彼は一体何者で、その目的は何なのか。謎が謎を呼び、次回の展開が全く予想できません。

【兄だったモノ】64話のネタバレまとめ

  • 聖と鹿ノ子の前に、鬼頭虎次郎と名乗る、派手な身なりの大学生が現れる。
  • 虎次郎は、聖が作家・中眞聖であることを知っており、彼が過去のインタビューで「天涯孤独」だと語っていたことから、鹿ノ子との「イトコ」という関係が嘘であることを見破る。
  • 虎次郎は、聖の熱心なファンであることを明かすが、同時に二人を脅すような言動を見せる。
  • 彼は、二人の間に「男女の匂いがしない」ことを指摘し、鹿ノ子の死んだ恋人の話題に触れる。
  • 最後に虎次郎は、その死んだ恋人の名前が「東雲騎一郎」ではないかと、核心を突く問いを投げかけた。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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