【兄だったモノ】65話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 聖と鹿ノ子の前に、鬼頭虎次郎と名乗る、派手な身なりの大学生が現れた。
- 虎次郎は、聖が作家・中眞聖であることを知っており、彼が過去のインタビューで「天涯孤独」だと語っていたことから、鹿ノ子との「イトコ」という関係が嘘であることを見破った。
- 虎次郎は、聖の熱心なファンであることを明かすが、同時に二人を脅すような言動を見せる。
- 最後に虎次郎は、鹿ノ子の死んだ恋人の名前が「東雲騎一郎」ではないかと、核心を突く問いを投げかけた。
【兄だったモノ】第65話をネタバレありでわかりやすく解説する
「もしかしてその恋人、東雲騎一郎って名前じゃないかい?」――。謎の男・鬼頭虎次郎が放った、あまりにも鋭い一言。彼の登場は、聖と鹿ノ子の束の間の逃避行を、予測不能な心理戦へと変貌させます。
鬼頭虎次郎という男
聖のストーカー?
物語は、広島へ向かう電車の中、虎次郎が二人に馴れ馴れしく話しかける場面から始まります。彼は、過去に聖の家を探し回っていたことを、悪びれる様子もなく語り始めます。「俗に言うストーカー行為なのでは…?」と鹿ノ子が引くのも構わず、彼はあっけらかんとしていました。 彼は、騎一郎が亡くなったことも、そして鹿ノ子が彼の妹であることも知っていたのです。顔色が悪かったことまで指摘され、聖は動揺を隠せません。
「呪いに等しい」
虎次郎は、鹿ノ子と騎一郎が異母兄妹であり、顔が似ていないことまで見抜いていました。 「血の繋がりなんて些末なことさ!」。彼はそう笑い飛ばすと、鹿ノ子に、残酷な言葉を突きつけます。 「鹿ノ子クンのそれはむしろ呪いに等しいと僕は思うけれど」。 彼女の存在そのものが、呪いであるかのような物言い。その言葉は、鹿ノ子の心の最も柔らかな部分を、容赦なく抉るのでした。
兄のもう一つの顔
聖は、そんな虎次郎から鹿ノ子を守るように、次の目的地がプラネタリウムであることを告げます。しかし、虎次郎は「僕も行く!」と、当然のように同行を宣言するのでした。 道中、虎次郎は鹿ノ子に、兄・騎一郎について語りかけます。「君の兄上もすごぉーく怖かったんだぜ?」「お兄ちゃん 優しい人だったもの」。
鹿ノ子の反論に、虎次郎は楽しそうに笑います。 「兄上がお優しい?」「まっさかぁ 馬鹿言っちゃいけないよ!」。 彼は、騎一郎が優しい人間であることを否定はしない、と前置きした上で、衝撃的な言葉を続けました。 人のサガは多面的である、と。そして、彼は鹿ノ子の知らない、兄のもう一つの顔を暴露するのです。 「そして一人の修羅なのだ」。
【兄だったモノ】65話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、鬼頭虎次郎というキャラクターの底知れなさが、存分に発揮された回でした。彼の言動は、一見すると軽薄で、無神経。しかし、その一つ一つが、的確に登場人物たちの心の傷を抉り、物語の核心を突いていきます。まさに、道化の仮面を被った悪魔のようです。
「鹿ノ子クンのそれはむしろ呪いに等しい」。このセリフは、あまりにも残酷でした。彼女がずっと抱えてきた出生の秘密と、それが原因で受けてきた仕打ち。その全てを、彼は遊び半分で暴き立てる。しかし、彼の言葉は、ある意味で真実の一端を捉えているのかもしれません。
そして、最後の「騎一郎は修羅だった」という告白。これは、これまでの物語を根底から覆す、最大級の爆弾発言でした。妹の前では、どこまでも優しく完璧だった兄。しかし、彼の裏には、一体どんな顔が隠されていたというのでしょうか。聖さんが惹かれたのは、そして破滅させられたのは、こちらの「修羅」としての一面だったのかもしれません。謎が一つ解けるどころか、さらに巨大な謎が提示されてしまいました。
【兄だったモノ】65話のネタバレまとめ
- 謎の大学生・鬼頭虎次郎は、聖の熱狂的なファンであり、ストーカーまがいの行為で彼の情報を集めていたことが明らかになる。
- 虎次郎は、鹿ノ子の存在そのものが「呪いに等しい」と、彼女の出生の秘密をえぐるような言葉を放つ。
- 聖と鹿ノ子は、兄の思い出の地であるプラネタリウムへ向かうが、虎次郎も強引に同行する。
- 虎次郎は、鹿ノ子の知らない兄の裏の顔を知っていることを匂わせ、「優しい」というだけではない、「修羅」としての一面があったことを暴露した。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



