【兄だったモノ】75話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 宮島での一件の後、鹿ノ子たちは東京へと帰還した。
- 西迫は、怪我の治療のため通院生活を送ることになった。
- 聖の保護を巡り、カンナと西迫が対立するが、西迫が「元恋人」の権利を主張し、彼を自宅へ連れて帰った。
- 鹿ノ子は日常へと戻り、一方、鬼頭虎次郎は西迫の職場を訪れ、彼と旧知の仲であるかのように振る舞った。
【兄だったモノ】第75話をネタバレありでわかりやすく解説する
全ての役者が東京へと戻り、物語は最終局面へ向けて静かに動き出します。謎の男・鬼頭虎次郎の正体と目的とは。そして、僧侶・頼豪の口から語られる、呪いの真の恐ろしさ。今回は、息もつかせぬ情報戦が繰り広げられます。
ヴェネツィア・カーニバル
明かされる虎次郎の正体
物語は、西迫のオフィスから始まります。鬼頭虎次郎は、悪びれる様子もなく、自らが現代アーティストであり、次の個展の「ミューズ」を探すために旅をしていたと語ります。 そして、彼は衝撃の事実を明かしました。そのミューズとは、心中しようとしていた聖と鹿ノ子の二人である、と。彼は、二人の旅からインスピレーションを受けたと、狂気的な笑顔で語るのでした。
虎次郎の揺さぶり
虎次郎は、西迫が聖の元恋人であることを見抜いた上で、さらに彼の心の奥底を抉る、鋭い指摘をします。 「社長は先生の元恋人なんだろ?」「ゾッとするほどいい男だった!」。 彼は、西迫が本当に想いを寄せているのは、聖ではなく、亡くなった兄・騎一郎の方ではないか、と。図星を突かれた西迫は、激しく動揺するのでした。
呪いの行方
場面は、カンナと頼豪の元へ。カンナは、騎一郎の裏の顔を何も知らなかった自分自身に、憤りを感じていました。 頼豪は、そんな彼女をなだめつつ、自らの新たな仮説を語り始めます。 「アレ」自体が中眞君を殺そうとしていた訳じゃないみたいだし…。「アレ」、つまり聖自身の罪悪感が生み出した呪いは、もう危険な存在ではないかもしれない、と。
しかし、問題は、あの謎の少年――本物の騎一郎の魂です。 頼豪は、衝撃的な事実を告げます。 「しかし子どもの霊は殺意を持って中眞さんに接触しました」「それに『アレ』は子どもの霊を食べています」。 兄の魂は、聖の呪いを喰らうことで、全く別の、未知なる存在へと変貌しつつある。本当の恐怖は、これから始まるのかもしれない。頼豪は、静かにそう警告するのでした。
【兄だったモノ】75話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、鬼頭虎次郎というキャラクターの不気味さが、頂点に達した回でした。心中旅行をテーマに個展を開く、という発想自体が常軌を逸しています。彼は、他人の不幸を芸術として昇華させる、まさに狂気の芸術家ですね。西迫さんの隠された想いを、いとも簡単に見抜いてしまう洞察力も恐ろしい。彼が、この物語の「ラスボス」なのかもしれない、とすら感じました。
そして、頼豪さんの新たな仮説。聖さんの呪いは消えつつあるけれど、今度は騎一郎の魂が、その呪いを喰らって、新たな怪物になろうとしている。この展開には、本当に鳥肌が立ちました。悪意が、形を変えて受け継がれていく。まさに、呪いの連鎖です。 聖さんが救われるためには、兄の魂とも決別しなければならないのでしょうか。あまりにも複雑で、救いのない状況に、ただただ息を呑むばかりです。
【兄だったモノ】75話のネタバレまとめ
- 鬼頭虎次郎の正体が、現代アーティストであることが判明する。彼は、聖と鹿ノ子の心中旅行をテーマにした個展を開こうとしていた。
- 虎次郎は、西迫が本当に想いを寄せているのは、聖ではなく、亡くなった兄・騎一郎ではないかと指摘する。
- 頼豪は、聖の呪い(トゥルパ)はもはや危険ではないかもしれないが、兄・騎一郎の魂がその呪いを「食べて」おり、新たな脅威となりつつあるという仮説を立てた。
- 物語の真の恐怖は、聖の呪いではなく、変質してしまった騎一郎の魂にあることが示唆された。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



