【兄だったモノ】78.5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 鬼頭虎次郎の言葉を受け、鹿ノ子は自らの意志で聖を救いに行くことを決意した。
- 一方、聖は、亡き兄・騎一郎と幼い鹿ノ子と共に海辺で過ごす、幸福な幻覚を見ていた。
- 現実世界では、鹿ノ子が西迫の部屋に駆けつけるも、聖は指輪だけを残して姿を消していた。
- 聖が見ていた幻覚の中で、騎一郎の姿をしていたのは、謎の少年「ゴンちゃん」だったことが判明し、ゴンちゃんは聖を**「騎一郎」**と呼んだ。
【兄だったモノ】第78.5話をネタバレありでわかりやすく解説する
今回は、本編の時系列から少し遡り、聖の担当編集者である犬上静真(いぬがみ しずま)の視点から、彼と聖の出会いを描く特別編です。タイトルは「山羊の歌」。犬上の、聖への異常なまでの献身。その原点が、静かに語られます。
神様のような人
雪に似たひと
物語は、犬上が初めて聖の担当に任命された頃の回想から始まります。人気作家であることに加え、「妙な噂」もあった聖に対し、犬上は大きな戸惑いを覚えていました。 しかし、実際に会った聖は、犬上が想像していた人物とは全く違いました。
彼は、聖のことを「色に例えるなら白色の まるで踏み荒らされたことのない雪に似た」「神様のような人だ」と感じたのです。 極度のあがり症で、まともに挨拶もできない新人編集者の自分にも、彼は優しく接してくれました。その出会いが、犬上の心を強く掴んだのでした。
僕は先生のパートナー
聖がスランプに陥り、書けなくなった時も、犬上は彼を支え続けました。「大丈夫です!先生!」「僕がいます!」。 聖という美しい人を、他に誰も知らない。その唯一の理解者が自分であるという事実が、彼の支えでした。
しかし、そんな献身的な彼を、ある日、言い知れぬ不安が襲います。聖の家を訪れた際、中から聞こえてきた、自分以外の男の声。 彼の聖域に、何者かが踏み入ろうとしている。その予感が、彼の心を乱すのでした。物語の最後は、「憐れな男!」という、犬上の心の叫びで締めくくられます。
【兄だったモノ】78.5話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、犬上さんというキャラクターの人物像が、一気に掘り下げられましたね。彼がなぜあれほどまでに聖さんに執着し、献身的であるのか。その理由が、痛いほど伝わってくる回でした。 誰にも理解されない孤独な天才と、その唯一の理解者である自分。その構図に、犬上さんがどれだけ酔いしれていたのかが分かります。彼にとって、聖さんはもはや担当作家ではなく、守るべき神であり、自らの存在意義そのものだったのでしょう。
しかし、その神聖な関係が、他の男の存在によって脅かされる。彼の最後の「憐れな男!」という叫びは、一体誰に向けられたものだったのでしょうか。聖さんを誑かす、得体の知れない男にか。それとも、聖域を侵され、自らの存在価値が揺らいでいる、惨めな自分自身にか。 彼の純粋な崇拝が、いかにして狂気的な独占欲へと変貌していったのか。その過程を垣間見たような気がして、背筋が寒くなりました。
【兄だったモノ】78.5話のネタバレまとめ
- このエピソードは、聖の担当編集者・犬上の視点から、彼と聖の出会いを描いた番外編である。
- 犬上は、初めて会った聖の美しさと優しさに強く惹かれ、彼を「神様のような人」だと崇拝するようになる。
- 聖がスランプに陥った際も、犬上は献身的に彼を支え続けた。
- ある日、聖の家から自分以外の男の声が聞こえてきたことに、犬上は強い不安と嫉妬を覚える。
- 物語は、犬上の「憐れな男!」という、意味深な心の叫びで締めくくられる。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



