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【労働者父が大富豪】34話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 結婚式場に現れた謎の男の正体は、広一の恋人・雅の兄、藤原裕司でした。彼は広一の作業着姿を見て、完全に彼を見下します。
  • 兄への反発から、雅は「この人と結婚する」と爆弾発言。これに対し、帝豪グループ会長である広一は、ただタジタジになるしかありませんでした。
  • 裕司は、自分が見下している広一が、自分たちが必死に取り入ろうとしている御影様本人であるとは知らず、加藤剛を通じて高価な茶碗を賄賂として託すという滑稽な行動に出ます。
  • 雅の父から「明日、彼氏を家に連れてこい」と命令され、物語の舞台は、広一の正体を知らない藤原家へと移ることになりました。

【労働者父が大富豪】第34話をネタバレありでわかりやすく解説する

愛する女性の父親への挨拶。それは、どんな男にとっても最大の試練の一つです。ましてや、その家が旧華族の名門であり、自分が見た目だけで判断される状況だとしたら。広一が足を踏み入れた藤原家は、結婚式場とはまた違う、冷たく、そして格式高い戦場でした。そして、運命のいたずらによってすり替えられた手土産が、この戦場で最悪の爆弾となるのです。

緊張の初対面!品定めする父と皮肉屋の妹

重厚な扉の先に待っていたのは、藤原家の当主であり、雅の父親でした。彼は、娘が連れてきた作業着姿の男・広一を、値踏みするかのような鋭い視線で射抜きます。

どうも…座って

差し出された手は固く、その声には歓迎の色など微塵も感じられません。帝豪グループの会長として世界の要人と渡り合ってきた広一でさえ、この重圧には思わず息をのんだことでしょう。

そこへ追い打ちをかけるように現れたのが、雅の妹・万梨でした。彼女は姉の雅を睨みつけ、聞こえよがしに皮肉を口にします。

いい年して彼氏って…恥ずかしい

敵意むき出しの妹と、威圧的な父親。まさに四面楚歌。広一が足を踏み入れたのは、家族の温かさとは程遠い、冷え冷えとした空間だったのです。

一筋の光明?「金杯茶碗」が和ませた空気

このあまりにも重苦しい空気を変えようと、雅は意を決して切り札を切ります。

あ、そうだ、お父さん。広一さんがね、用意してくれたの。お父さんがお茶好きだって聞いて。金杯茶碗よ

雅がテーブルに置いた黒い桐箱。そして、「金杯茶碗」という言葉。それを聞いた瞬間、それまで氷のように冷たかった父親の目の色が変わりました。彼の表情から険が取れ、わずかに柔和な空気が流れます。

これは貴重なものだよ。広一君、どうもありがとう

最大の難関である父親の心を、見事に掴んだかのように見えました。この手土産こそが、二人の関係を認めてもらうための、最高の一手となるはずでした。

職業という名の壁「工場勤務」で凍りつく場

しかし、その束の間の平穏は、妹・万梨の意地悪な一言によって、あっけなく打ち砕かれます。

姉さん、随分羽振りがいいじゃない。…どこにお勤め?

その問いは、純粋な興味からではありません。相手の社会的地位を測り、見下すための、明確な悪意に満ちた質問でした。一触即発の雰囲気を察した広一は、正直に、そして堂々と答えます。

あ、いい。俺は工場に勤務してるよ

その言葉を聞いた瞬間、父親の表情が再び曇ります。そして万梨は、待ってましたとばかりに、侮蔑の言葉を浴びせかけました。

いい年でフリーター…ってやつかしら? 姉さん、まさかこれ、偽物なんてことはないわよね?

「工場勤務」=「フリーター」=「偽物を掴ませるような男」。彼女の頭の中では、あまりにも短絡的で、あまりにも残酷な方程式が完成していました。

暴かれる嘘!父の絶叫「これは金杯茶碗じゃないぞ!」

じゃあ彼が本当に用意したって、証明してよ

万梨の執拗な追及。しかし、この時の広一の心は、揺らいでいませんでした。なぜなら、この手土産は、愛する雅が自分のために用意してくれたものだと、固く信じていたからです。その信頼が、彼の揺るぎない自信となっていました。

まあ、構わないよ

広一の許可を得て、父親はゆっくりと桐箱に手をかけます。会場にいる全員が、固唾をのんでその瞬間を見守りました。

そして、蓋が開けられた瞬間。 父親の柔和だった表情が、一瞬にして怒りと絶望に変わります。彼は、わなわなと震える声で、そしてやがて絶叫しました。

これは、金杯茶碗じゃないぞ!!

愛の証であるはずだった手土産。しかし、その中身は、全くの別物だったのです。運命の取り違えは、広一と雅を、嘘つきという最悪の窮地へと叩き落としました。

【労働者父が大富豪】第34話を観た感想(ネタバレあり)

今回の第34話は、結婚式場とはまた違った、じっとりとした緊張感が続く、非常にハラハラさせられる回でした! 物理的な暴力よりも、言葉や視線でじわじわと追い詰められていく様が、見ていて本当に息苦しかったです。

新キャラクターである雅の父親と妹・万梨、この二人のキャラクター造形が見事ですね。威圧的な父親と、ねちっこい妹。広一にとっては、結婚式場のどの敵よりも厄介な相手かもしれません。特に万梨の「フリーター」「偽物」という言葉のナイフは、人の心を抉る鋭さがありました。

そして、今回の物語の核である「手土産のすり替え」。この古典的ともいえるギミックが、これほどまでに効果的に使われていることに感心しました。「金杯茶碗」という言葉で一度希望を見せておいてから、どん底に突き落とす。この緩急の付け方が、読者の心を鷲掴みにします。

何よりも心を揺さぶられたのは、広一が「構わないよ」と堂々と言い放つシーンです。彼は、雅のことを心から信頼していたからこそ、あんなにも自信に満ちていたのでしょう。その信頼が、運命のいたずらによって裏切られる(ように見える)展開は、あまりにも残酷で、そしてドラマチックでした。

ついに、最大のピンチが訪れました。嘘つきのレッテルを貼られ、愛する女性の家族から侮蔑の視線を向けられる。この絶体絶命の状況を、広一はどう切り抜けるのか。そして、このすれ違いの真相が明らかになった時、藤原家の人々は一体どんな反応を見せるのか。次回の逆転劇への期待感が、最高潮に達したところで幕を閉じました。

【労働者父が大富豪】第34話のネタバレまとめ

  • 広一は、雅の父と妹・万梨がいる藤原家へ挨拶に訪れますが、その作業着姿から、冷たく値踏みされるような扱いを受けます。
  • 雅が切り札として用意した手土産の「金杯茶碗」という言葉に、一度は父親の態度が軟化し、場の空気が和みました。
  • しかし、広一が「工場に勤務している」と正直に答えたことで、妹の万梨から「フリーター」「偽物ではないか」と執拗な追及を受け、再び窮地に立たされます。
  • 雅を信じる広一は、堂々と箱の開封を許可しますが、中身は全くの別物。父親は「これは金杯茶碗じゃないぞ!」と激昂し、広一と雅は嘘つきという最悪の状況に追い込まれました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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