tiktokでよく見る【この命途絶えて夫婦の幕はおりる】正式名称『子供の命が絶え夫婦の幕が下りる』3話ネタバレ解説

ずっちー

2話では、千夏の実の子が「外に捨てられ」、夫の明と愛人のはるなが、すり替えた子供(カイト)を使って17年後に千夏の全財産を奪うという、恐ろしい計画の全貌が明らかになりました。

この記事では、17年の歳月が流れ、ついに裏切り者たちの計画が実行されようとする第3話について、詳しく解説していきます。

【この命途絶えて夫婦の幕はおりる】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

物語は、17年前の病院の場面、千夏が出産した直後の回想から始まります。

17年前の回想と、現在の歪な家族

「赤ちゃん抱かせて。あ、可愛い。ちのさん。いえ、会長、ご出産おめでとうございます」

17年前、はるなは無邪気な部下を装い、千夏の病室を訪れていました。

千夏(当時はまだ裏切りを知らないフリをしています)は、「会長なんて言わないで。いつも通りち夏さんでいいよ。はるな。ありがとう」と、彼女に心を許している様子を見せます。

そして場面は一気に17年後、現在へと移ります。

「ハッピーバースデートゥーユー…」

華やかな誕生日パーティーが開かれています。すり替えられた子供、カイトの17歳の誕生日です。

17年の歳月がもたらした残酷な現実

「ちなつ、今日は忙しくてカイトの誕生日が来られないと思ってたんだ。だから先にパーティーを始めてたよ」

夫の明が、まるで千夏が部外者であるかのように声をかけます。

千夏は「カイトは私の息子よ。誕生日を忘れるわけないでしょ」と毅然と答えますが、当のカイトの反応は冷たいものでした。

「ママ、僕の誕生日に帰ってくられないの分かっているよ。はるなさんとパパがいれば十分だよ」

17年間、千夏が育ててきたはずの息子は、実の母親であるはるなと父親の明にすっかり懐き、育ての親である千夏を拒絶する青年に育っていたのです。

育ての親への侮辱と、愛人の巧妙な立ち回り

カイトの冷たい態度は、さらに続きます。

「でもどうして料理のレストランを予約してくれなかったの? クラスメイトのみんなに言っちゃったのに」

彼は、千夏の愛情よりも、金銭的な見栄しか興味がない、傲慢な子供に成長していました。

その時、すかさず愛人のはるなが割って入ります。

「カイト君、ママにそんな風に話してだめよ。ママはあなたを育てるために一生懸命働いてるんだから」

はるなは、一見すると千夏をかばい、カイトを叱る「良き理解者」のように振る舞います。

「ちなさん、あなたは本当に素晴らしい母親です。でもこの子はまだ子供です。きっと理解してくれますよね」

彼女は、千夏を立てつつも、巧妙に自分を「カイトの心を本当に理解している、もう一人の母親」という立場に置くのです。

明とはるなの連携プレー

千夏は「もちろん息子は許すわ」と、すべてを知りながらその茶番を受け入れます。

そして、鋭い一言をはるなへ放ちました。

「でもはるな、今日の午後は会議の予定じゃなかった。どうしてここに?」

千夏の会社(内田グループ)の部下であるはずのはるなが、なぜ平日の午後に、会長の息子の誕生日パーティーにいるのか。千夏は、その不自然さを指摘します。

「えっと、え、そんな…」

一瞬言葉に詰まるはるなを、夫の明がすぐに助け舟を出しました。

「これは俺の考えなんだ」

明は、「先週君が忙しかった時、カイトの野球の試合があっただろう。君の代わりにはるな君が見に来てくれたから、今日感謝の気持ちを込めて彼女を招いた」と、もっともらしい理由を説明します。

「君を愛してるからこそ気を使ってしまった」「(はるなは)恩返しがしたいと思って駆けつけてくれた」と、二人は完璧な連携プレーで、千夏を「仕事ばかりで家庭を顧みない母親」であり、自分たちは「千夏の不在を健気に支える家族想いの二人」という構図を作り上げていました。

そして、はるなは千夏に対し、とどめの一言を浴びせます。

「ちなさん、カイト君は本当に可愛いです。あなたのお子様だから余計にそう思えて…嫌じゃないですよね」

それは、実の息子(カイト)を「あなたのお子様」と呼んでみせる、はるなの歪んだ勝利宣言のようでした。

【この命途絶えて夫婦の幕はおりる】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

17年という歳月の重さと残酷さを、まざまざと見せつけられた回でした。

千夏が17年間、この地獄のような茶番を「何も知らないフリ」で演じ続けてきた精神力を思うと、胸が苦しくなります。

何よりショックだったのは、カイトの変貌です。彼は、明とはるなの思惑通り、金に汚く、育ての親である千夏を平気で拒絶する青年に育ってしまいました。「はるなさんとパパがいれば十分だよ」というセリフは、17年間愛情を注いできた(フリをしなければならなかった)千夏にとって、どれほど辛い言葉だったでしょうか。

そして、はるなの立ち回りが本当に巧妙で腹立たしいです。「素晴らしい母親です」と千夏を褒め殺しにしながら、実際にはカイトの母親の座を奪い、明と一緒になって千夏を孤立させています。

「あなたのお子様だから余計にそう思えて…嫌じゃないですよね」という最後のセリフ。これは、すべてを知っている千夏にとっては、これ以上ない挑発であり、侮辱だったと感じます。

17年間の屈辱を経て、千夏の復讐がどう始まるのか、期待が高まる回でした。

【この命途絶えて夫婦の幕はおりる】3話のネタバレまとめ

  • 17年前、はるなは千夏の部下として、病院で無邪気に出産を祝うフリをしていました。
  • 17年後、カイトの誕生日パーティーが開かれますが、主役のカイトは育ての親である千夏を拒絶。「はるなさんとパパがいれば十分」と言い放ちます。
  • カイトは、千夏の愛情よりも「レストランを予約しなかった」ことへの不満を口にする、傲慢な青年に成長していました。
  • はるなは「素晴らしい母親」と千夏を立てるフリをしながら、カイトの良き理解者として振る舞い、巧妙に母親の座に収まっていました。
  • 明とはるなは連携し、千夏が「仕事で不在」の間に二人がカイトの面倒を見ていたと嘘をつき、千夏を孤立させます。
  • はるなは千夏に対し、「あなたのお子様だから(カイトが)可愛い」と、挑発的な言葉を浴びせます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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