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【みんな、ボドになった。】39話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【みんな、ボドになった。】第39話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、仲間たちの固い結束が生まれ、村への反撃を決意した沙織たち。しかし、その希望は同級生・源吾の襲来によって、早くも打ち砕かれようとしていました。第39話では、新たな敵かと思われた源吾の真意、そして彼もまた村の闇に苦しめられてきた過去が明らかになり、物語は反撃に向けた大きな転換点を迎えます。

祭りの朝、不気味な説法と偽りの優しさ

「あなたも救われるかもしれない」――住職の言葉に隠された棘

祭りの最終日の朝。沙織は百一の父(住職)の計らいで、寺の一室で目を覚まします。彼は、大雨の中「外れの家」で一人では心細いだろうと、表向きは親切な言葉をかけます。しかし、その言葉の裏には、沙織の一家が村の掟を破ったことへの当てつけが滲んでいました。

そして彼は、沙織の罪悪感を見透かしたように、不気味な説法を始めるのです。

「罪というのは時に自らを傷つけ苦しめるものです」

「…ですがこの先の行い次第で あなたも救われるかもしれない

その言葉は、沙織に村のやり方に従うよう促す、静かな脅しに他なりませんでした。

明かされる最悪の裏切り、黒幕は百一

「そういう作戦なんだからさ」――豹変する友

住職が去った後、百一が沙織の前に現れます。そして、彼の口から語られたのは、信じがたい裏切りの言葉でした。

彼が昨夜、父の命令に逆らってまで幸信を連れ帰らせたのは、すべて計算ずくの行動だったのです。

「上東家のお目付け役として 大事な跡取り息子は家に帰したわけだし」 「彼をたぶらかす娘も 下東家の次男である僕の手中に落ちたと」

彼は、父を安心させるための芝居だったと語ります。沙織が「落ちてない」と反論すると、百一は冷たい表情で言い放ちました。

「ちゃんと調子合わせてよ そういう作戦なんだからさ

これまでの優しさも、協力的な態度も、すべては沙織と幸信をコントロールするための演技だった。一番の味方だと信じていた百一こそが、村の闇に深く通じる黒幕の一人だったのです。

村を支配する複雑な闇と、幸信の純粋な想い

警察、裏組織…絡み合う利権

百一は、村の権力構造が、上東家と下東家だけで決まる単純なものではないと語ります。警察や裏組織とも繋がった有力者たちが複数存在し、互いに持ちつ持たれつの関係でこの村を支配しているというのです。そして、村の上役たちは、祭りが終わった後に幸信を村の「幹部」として迎え入れ、完全に取り込もうと画策していました。

「ただ…君を自由にして…」――幸信の願い

百一によると、幸信はそんな上役たちに反発し、沙織の件になるといつも反抗的な態度を取っていたといいます。親からも沙織に関わらないよう、何度も警告されていました。彼がそこまでして村に逆らう理由は、ただ一つ。

「…ただ 君を自由にして東京に帰したいだけなんだ」

幸信は、見返りも求めず、ただ純粋な想いだけで、沙織をこの村の呪縛から解き放とうとしていたのです。

響き渡る悲鳴、新たな襲撃

ウィリアムからの緊急連絡

幸信の想いを知り、沙織が言葉を失っていると、彼女のスマホが鳴り響きます。電話の相手は、村の様子を探っていたウィリアムでした。彼は源吾の家におり、二人の無事を伝えますが、その声は切迫していました。

「村の様子がなんか変なんだ…!」

襲われてるんだ 近くの家や店が…

絶望の通信

目的は分からないが、何者かが村で破壊活動を行っている。ウィリアムが「すぐにここに来て」と叫んだ瞬間、ガシャンというシャッターが閉まる激しい音と、「うわああああ」という彼の悲鳴が響き渡り、電話は一方的に切れてしまいます。

新たな仲間たちに、再び絶望的な危機が迫っている。その事実に、沙織と百一は慄然とするのでした。

まとめ【みんな、ボドになった。】39話を読んだ感想(ネタバレあり)

信じていた人間に裏切られる。これ以上に心を抉る展開があるでしょうか。今回の第39話は、読者の予想と信頼を木っ端微塵に打ち砕く、あまりにも衝撃的な回でした。唯一の味方だと思っていた百一が、実はすべてを操る黒幕の一人だったという事実は、頭を殴られたような衝撃で、読後はしばらく放心状態になりました。

特に、百一の父である住職の存在が、この村の闇の根深さを象徴しているように感じます。慈悲深い宗教者の仮面を被り、人の罪悪感につけこんで支配しようとする彼の姿は、物理的な暴力よりも遥かに恐ろしく、彼の偽善に満ちた言葉の一つ一つが、不気味に耳に残って離れません。

そんな絶望の中で、幸信の沙織への一途な想いが、唯一の救いでした。村のすべてに背いてでも、ただ彼女の自由を願う。彼の純粋な愛情が、このどす黒い物語の中で、より一層切なく、そして尊く輝いて見えました。

信頼と裏切り、愛情と支配。人間の感情が複雑に絡み合う人間ドラマの深さに、改めて唸らされます。そしてラスト、仲間たちが新たな脅威に襲われるという、息もつかせぬクリフハンガー。もはや誰が敵で誰が味方なのか、村全体が狂気の渦に飲み込まれていくようです。予測不能な展開に、次回が待ちきれません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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